ANGELICA ASTER

目次

  1. サービス開始前
  2. 面影
  3. シナリオ
    1. 再演・現実改変・咒いとは
    2. 好きな神獣
      1. 世にも奇妙な神獣
      2. GIGAの神獣
      3. 戦車の神獣
      4. イルカの神獣
      5. 眼鏡の神獣
      6. 終わらない歌の神獣
    3. 好きなキャラ
      1. ミラージュ (シェリル)
      2. カテドラル (ニッキー)
      3. あざらし
      4. スレイヤー
      5. スシエル
      6. エクスカリパン
      7. アイオーン (尾頭懐音)
      8. シヴァ (柴まりか)
      9. ザクロ
      10. サンズ
      11. ナイトホーク
      12. ナイトロ
      13. ハービンジャー
      14. メサイア
      15. パンドラ
      16. ノエシス
      17. アルケイン
      18. スーパーギャラクシー
      19. ダークエンジェル (リンファ)
      20. レインブリンガー (あめり)
      21. ひよこ
    4. 百合
  4. 終わらない咒歌

本記事では、2026/10/19 12:00でサービスの提供を終了したゲーム ANGELICA ASTER の思い出を語る。
前作巨神と誓女についても記憶にある範囲で語る。

そして、時として悲鳴を上げるのは5年前と同じだ。

サービス開始前

我々は、三年待った。

Android版ユーザーがアップロードしたタイトル画面の文字を見て、メンテ明けまでの5時間を戦々恐々として待ったあの日から。
時果つる処で、愛らしい機械人形が見届けた6時17分から。
物語を奪われ、汚されて激怒した彼女の怒りの大いなる日から。

三年、待った。

待ったという言い方は適切ではないかもしれない。
幼子のためのkindergartenから旅立つ列車に別れを告げて、自らの人生を歩み始めてから、三年の月日が経っただけだ。
6月17日に、甘やかなあの頃を夢見ることはあっても、もうwanderは帰っては来ない。そうして受け入れられるだけの時間が過ぎた。

ところが、三年も過ぎた冬になって突如、我々は天使の歌声を聞き、帝国と王国がいがみ合いつつも神獣の脅威に怯えるユーファリアの空に引きずり込まれたのだ。

面影

世にも奇妙な神獣が紹介された時、ピアノの金の文字を見た時、万物の書を開き、ページをめくった時。
全身にフレストニアがみなぎるのを感じた。すべてが失われ冷え切っていた心の列車に、フロギストンが満ちるのを感じた。
言葉が感情の火を灯し、あの日夢中で読み、思いを巡らせたwanderの面影がくっきりと浮かび上がった。

面影があるだけで別の何かなのでは。心を守るためにそう思いながら、ところどころで現れる再演に揺さぶられる日が続いた。
ところが、ある時期を境に、本作が巨神と誓女の正統な続編であることを隠さなくなった。1

シナリオ

本作では前作と違い、天使たちにもストーリーブックが用意されていたり、天使同士の掛け合いもある。前作でほしかったものを全部出してくれてる。
神獣・天使にはそれぞれ、3章構成のストーリーが用意されており、それぞれ合計で20~40ページほどの短編になっている。
神獣に関係する人物や、天使とその前世2の話を読むことができるが、それ単体でしっかりと完結する。
それぞれ単体でも面白いのだが、複数の話が繋がり始めるところからが本作の体験の肝。前作の廃園の巨神で感じた感覚と全く同じで、本当に気持ちがいい。

そして、前作とのつながりが描かれる箇所があり、描写されるたびに悲鳴を上げ、読者としてはずっと脚本の手のひらの上で踊っていた。
リーパーは相変わらず畜生だし、アスタルもシャラトも思い切りが良すぎるしさあ!
そこんとこどう思ってんですか竜胆寺さん!3

シャルバートさんのその笑顔はさ……どうしてこうならなかったんだ……。

再演・現実改変・咒いとは

本作のシナリオを理解する上で重要な三大ワード。
特に再演は本作を通して繰り返し使われるので、この言葉がいったい何を意味しているのかはなんとなく理解しておきたい。

再演とは、現実改変のための手段であり、言ってしまえば連想ゲーム。
過去ないし参照可能な別世界で起こった事象と、類似した状況を作ることで、現実を参照先の事象に近づけるように改変してしまう。
作中を通して使われる言葉で、神獣が再演を求めるというようにネガティブに使われることもあれば、他の現実改変(アルテ・マグナ)に対抗するための手段として提示されることもあったりする。

現実改変(アルテ・マグナ)はその名の通り。何らかの強い力によって現実を自分の思い通りに捻じ曲げてしまうこと。

咒いとは強い感情・執着のこと。
迪子は茂子を奪った世界を咒い、国生みによって改変しようとした。
いりすは白骨となってもおいちへの執着のため、生前の意識を遺したままだった。
懐音は咒いと共に生きると宣言し、まりかの歌が聞こえている限りこの世界を永遠に守ると宣言した。
おそらく、ナインと呼ばれた女が九層地獄という現実改変を起こそうとしたのも、何らかの咒い(執着)によるものと思われる。

好きな神獣

世にも奇妙な神獣

名前や617からドキッとするが、シナリオは普通に面白いやつだった。
ボタンを押しまくるトモロウがもう面白い。無限にRTA再走できるタイプ。
アスミもアスミで、鋼メンタルでかっこいい。

GIGAの神獣

巨神と誓女の息吹を一番色濃く感じたのはこの話だったかもしれない。
後悔と共に生きる男と、絵の中から出てきたカエルの奇妙な友情を描く。
美少女ゲーというアイデンティティを遥か彼方に投げ捨てて突っ走る上、読後感がめちゃくちゃ爽やかでいい話。

戦車の神獣

ローゼンブルクにリュセットと来たら、巨神と誓女を思い出さずにはいられない。
魔術師バロウズが推しキャラミラージュの前世であるというのもハマったポイント。
シェリニキはいいぞ。

イルカの神獣

イルカが攻めてきたぞっ!
本作の中心カップルまりえおも登場するが、甘奈xまいんも同時に味わえる。寿司屋でダブルデートかよ。たんとお食べ……。
寿司も二種免許もあり、とにかくアンアス全部盛りって感じがする。

眼鏡の神獣

今作でも登場した眼鏡ことクラウスと、学園3バカの物語。
前作の魔法学園編は詳しく語られる前にサービスが終わってしまったが、今作ではここと3バカのストーリーでだいぶしっかり描かれていたように思う。4

ここのシナリオライターはクラウスに何しても良いと思ってそう。

終わらない歌の神獣

最後の神獣。まりえおのひとつの帰結であり、起点でもある。
この二人は前作のユミアイノを意識したデザインだが、今回もガッツリ重たい百合が見られた。
「愛っすよ」

まりすけの覚悟が決まりすぎ。

ノイアとユミルの話は、もうちょっと噛み砕く時間の余裕が欲しかったところではある。

好きなキャラ

ミラージュ (シェリル)

最初の課金天使。最推し。
ぱっと見の魔女デザインも最高だし、何よりお声が良すぎる。
天真爛漫なお調子者だけども、深夜ボイスの慈愛に満ちた感じがぶっ刺さり。
自信たっぷりに振る舞いながらも内心では……というギャップの子。
めちゃくちゃASMR適性あるんですけど、どうにか出ませんか?
ニッキーに耳かきしてあげるやつ……。
彼女のストーリーはニッキーとの関係が描かれていて、大変良い。

カテドラル (ニッキー)

こっちからシェリルへの感情もデカくて良いんですよね。

あざらし

あざらし兼魔王。なんか美人の立ち絵が出ているのだが、3Dモデルは100%あざらし。
「履いてないぞ」って報告を真に受けて引きに行った人がいる話は今でも無限に味がする。
まさかこいつが百合枠だと思わないじゃん、というところから始まって、その後いろんなカップル(?)が描かれたので、本当に良かった。あざスレは良いぞ。
ヴィンディケーターとのやり取りで突如スッポンポンの美女形態化して動揺を誘おうとする小癪なところも良い。

スレイヤー

本作の看板。金髪アホ毛の騎士という、今ではもはや王道と言うべきデザイン。
水着バージョンも登場するが、セリフの温度差が激しい。
覚悟ガンギマリの神獣絶対殺すウーマンで、水着でウッキウキの格好しながら「復讐を遂げるッ」とかドスの効いた声で言い出す。

7日間戦争でも重要な役割を果たし、再演による現実改変をはねのけてその先へ進む強さを示してくれた。

スシエル

ジャスミンまゐ子同様、どう考えても理解できない思考の持ち主かつ作中設定が異常に強いやつ。
大天使スシエルと、名前に唯一名前に大天使がついているとか、正月衣装のストーリーでSCPを無力化してるのもヤバかったが、最後の最後にその後を描く掲示板でサラッと種が明かされる。5
まあ、こいつが出てきたらだいたいなんとかなるって空気あったしなあ!

単体で現実改変する能力を持つやべーやつで、おそらくユミルの夢の世界における抑止力。
イルカの侵攻時に筋肉寿司と彼女が現れたのはそういうことだと思われる。

なかやまきんにくん。

エクスカリパン

パン殺者。黙っていれば美少女、口を開けば小麦粉の化身。
水着シナリオで寿司とパンの争いが終結したところは最高にアンジェリカアスターだった。

アイオーン (尾頭懐音)

アイオーンと言えば、前作ではアイドル機械知性だったが、このアナグラムの関係者で言うとアイノっぽい。
度々ストーリーにまりかと共に登場してはイチャイチャしていった挙げ句、オーダーメイドのペアリングをまりかに送っている。愛でしょ。6
永遠教会の聖女様として出てくる時はだいたいトンチキなことしてる。やきう回でのポンコツっぷりも好き。

カイネ時代のことはもうちょい深く知りたかった。

シヴァ (柴まりか)

柴犬系後輩まりすけ。やや悲観的な懐音を強引に明るく引っ張ってくれる。
懐音がまりか大好きすぎなのもそうだが、まりかはまりかで懐音先輩のこと好きすぎる描写が目立ち、最高。

ザクロ

機械知性。
「何億光年彼方にいようと、この声はきっと届くから」
この戦闘時のセリフがストーリーで回収されて激アツだった。
彼方にいたサンズに声が届き、そして再会する流れが好きすぎる。

人類の愚かさに直面してなお、人類の善性を信じ続けたというのが、良い。7
サンズの声に対する返事で、コードネームザクロが回収されるのも熱い。

サンズ

機械知性。人類のことは正直どうでも良いが、ザクロが大好きすぎるツンデレ。愛っすよ。
この二人は機械知性文明と現代ユーファリアをつなぐキーパーソンな気はするものの、そのつながり自体はそこまで深堀りされなかった。

彼女がザクロのために地球に戻ってきたのは、ある意味で冥界下りとも言えるか。

ナイトホーク

クドリャフカ、エキドナと絡むサイドストーリー「夜明けの子守唄」がめちゃくちゃ良い。
掲示板で描かれたその後も含めて、いい子すぎる。
愛を与えられなくても、自分で愛を発見し、それを誰かに向けられるの、聖人すぎない?

ナイトロ

二種免許power…

ハービンジャー

彼女のストーリー自体はそこまで刺さらなかったものの、それを前提としたサイドストーリー「ぼっちと優等生」でのエンドレスとの絡みが良すぎた。
クレープ屋が休みの時はたまにツーリング行っててくれ。

メサイア

罪と後悔を抱えながらも気高く生きる女。
学メサの話で、自力で再演のその先へ行っているところが最高。

救世主の器。世界そのものを直接救うことはできなくとも、その生き様は確かに誰かを救う。
そして、その誰かがまた誰かを救っていくだろう。

パンドラ

ラミィ相手に啖呵切るところが、めちゃくちゃ主人公。
アルフライラと末永く幸せにしていてほしい。
もしかしてミアもついてきてくれてる?

パン殺者にパンの一族扱いされて諦めてるところもカワイイ。

ノエシス

やっぱりこの人の書くSFが好きなんだなあ、と思わされる。
廃園の巨神からずっと好きだったし、スパルタの血を感じる。

七瀬乃々(ノノ・ナナセ)に関するお話が、今作でも描かれていれば……!

アルケイン

名前がインで終わるせいで花京院ネタを言わされているお嬢様。でも学園版のモーションはDIO。
苦境にあっても全然へこたれないたくましさが良い。
前世ではオデットと、今はミスルトゥといい感じ。

学園の話は、大失楽再演未遂の前と後どっちだ……?8

スーパーギャラクシー

由緒正しいデスゲーム主催の家系ってなんだよ。

ダークエンジェル (リンファ)

メサイア同様、罪と後悔を抱えながらも気高く生きる女。
ところで、ロリ体系のあめりにその水着勧めるのは犯罪だろ。

レインブリンガー (あめり)

境遇から狂犬化して暴れていたところをダークエンジェルに止められる。
ちゃんと引き返せて偉い。
運命にベコベコにされても立ち上がろうとする健気さが刺さる。

ひよこ

JK(実家が唐揚げ屋)。
キリンと聖女は高度な自虐だったんだろうか。
出てくる度に独特の緊張感があった。

百合

シナリオ中のいたるところで感じることができる。
まりえおとライアリ、リンあめ、甘奈まいんが特に好き。

終わらない咒歌

ミラージュ

ログイン日数は理論値-1。1日だけ、法事だったか引っ越しだったか、何らかのタイミングでログインし忘れてしまったことがあった。
ライフステージが目まぐるしく変わり、日々人生イベントに事欠かない時期だったにも関わらず、よくここまで遊び倒したものだと思う。
ログインとデイリーだけで、ストーリーは後回し、をやる日も少なくなかったが、結局ゲーム中で読めるシナリオはすべて読んだ。最後の方は駆け足気味ではあったものの、比較的ムリのないペースだったように思う。9

前作では、良かったことは何だったかなと思い返してはダメージを受け、悲鳴を上げていた。
本作でもスクショの整理をしながらそんな感情になっていたが、前回ほどのダメージはない。10

サクラユミは巨神と誓女そのものであった。本作では、尾頭懐音と柴まりかの二人がアンジェリカアスターそのものだ。
彼女たちの歌は永遠に響き、咒いとして読者の心に根ざす。
この咒歌を聴いてしまえば、もう逃れることはできない。

ひとまず、この傷をあと三年、引きずってみようと思う。
いつかまた、wanderという夢の続きが、願わくばもっと落ち着いて見られることを祈っている。
まずはシェリニキ百合ASMRをですね……。


  1. 読者としても少なからず例のあれに反抗心を抱いていたので昏い喜びを感じずにはいられなかったが、同時に本当に大丈夫なのかこれという緊張感もあった。
  2. 現代ユーファリアから参照可能な過去または別世界の類似事象を観測していると思われるが、本記事では簡単のため前世と呼ぶ。
  3. ところが竜胆寺さんが一番ガンギマリ。
  4. それでも、メガエラ先生についてはもうちょっと詳しく読みたかったが。
  5. 「大天使である彼女は神獣と同じく現実を改変する能力を持つ」
  6. しかも、まりかの指サイズを完全に把握している。
  7. 機械知性はたいてい人類の愚かさを学んだら手っ取り早く滅ぼそうとしてくるが、彼女はそうではない。
  8. オデットがデーモンから解放されてないから、前?
  9. もっとよく話を噛み砕きたかったという点では時間は全く足りていないのだが。
  10. まだ実感できていないだけで、しばらくしたらまたじわじわくるかもしれない。