【アニメ感想】ガールズ&パンツァー TVシリーズ アンツィオ戦 劇場版

目次

  1. 前書き
  2. 戦車は女子の嗜みです!
  3. ジャイアントキリングです!
  4. キャラクターです!
    1. あんこうチーム
      1. 西住みほ
      2. 武部沙織
      3. 五十鈴華
      4. 秋山優花里
      5. 冷泉麻子
    2. カメさんチーム
    3. アヒルさんチーム
    4. カバさんチーム
    5. ウサギさんチーム
    6. カモさんチーム
    7. レオポンさんチーム
    8. アリクイさんチーム
    9. 聖グロリアーナ女学院
      1. ダージリン
      2. オレンジペコ
      3. ローズヒップ
    10. サンダース大学付属高校
      1. ケイ
      2. ナオミ
      3. アリサ
    11. アンツィオ高校
      1. アンチョビ
      2. カルパッチョ
      3. ペパロニ
    12. プラウダ高校
      1. カチューシャ
      2. ノンナ
      3. クラーラ
    13. 黒森峰女学園
      1. 西住まほ
      2. 逸見エリカ
    14. 知波単学園
    15. 継続高校
    16. 大学選抜チーム
  5. 百合です!

前書き

唐突に見たくなって、TVシリーズ, OVAアンツィオ戦, 劇場版と見たので感想を記す。

筆者はTVシリーズのみ1周か2周だいぶ前に見たきりで、だいぶ新鮮な気持ちで見られた。

本記事には上記3作品のネタバレを含むので、未視聴の方は注意されたい。
なお、筆者はその他のメディアミックス作品にはノータッチである。

戦車は女子の嗜みです!

未見であればほんとか? と思うような内容だが、ガルパンの世界においては女子たるもの戦車を嗜むべしという風潮が強い。1
その他にも、この世界では学園を含めた街が巨大な船の上に存在するなど、世界観が現代モノに近いながらも独特。

戦車道2の試合では学園艦上の街全体が試合会場となり、3戦車の砲弾や車体が激突するなどして損害を受けた建物に対しては建て替えのための資金が提供されるようである。

また、相手の弾を受けたり無茶な走行をした戦車は画面映えのためかわりかし景気よく吹っ飛ぶのだが、乗組員に怪我人が出たような描写はない。はいふり同様、謎のスーパー安全装置が働いているのだろう。

要するに、細かいことを気にせずにかわいい女の子たちと戦車同士のドンパチを楽しめる作品になっているのだ。

ジャイアントキリングです!

主人公の西住みほが、戦車道全国大会9連覇を成し遂げていた黒森峰女学園から、20年前に戦車道を廃止した全くの無名校 大洗女子学園へ転校するところから物語が始まる。
昔使っていた戦車をなんとか発掘して、戦車のせの字も知らないような素人を寄せ集めて作り上げた急増のチームが、廃校の危機を乗り越えるために全国大会優勝を目指していく。

OVAアンツィオ戦を除いて、天性の戦術眼を持つみほと、癖は強いがガッツのある仲間たちが強豪校を相手に知恵と勇気と友情と、最後には運を手繰り寄せて勝利をもぎ取っていくスリリングで痛快な展開が貫かれている。4
油断した強豪が予想もつかないような戦術とビギナーズラック相手にあたふたしたり、油断しない強豪となんとかして渡り合う試合展開は、見ていて熱くなる。

キャラクターです!

とにかく多い。大洗女子学園だけで、8チーム合計32人いる。5
他校は流石にメインキャラ数名+モブ大勢の構成になっているが、それでも多い。
これだけ多くても全てのチームに見せ場が用意されているのがこの作品の恐ろしいところ。

TVシリーズを1周しただけでは名前まで全部覚えきれないが、キャラ付けが割と特徴的なので見ればなんとなくわかる程度にはなる。
また、試合中は基本的に戦車に乗っているため、乗っている戦車とチーム名のほうが覚えやすい。

あんこうチーム

みほが車長を務めるチーム。主人公+メインキャラで構成されているため、TVシリーズでは最も目立つ。

西住みほ

内気で優しい奥手女子。
1年の時に、9連覇していた黒森峰でフラッグ車6の車長を務めていたが、目の前で味方の戦車が崖から落ちて水没。それを助けるために戦車から降りて水中に飛び込んだため、そのすきに対戦相手のプラウダ校に敗北してしまった。
姉のまほを隊長とし、勝利のために犠牲はつきものであるとする西住流7で勝利を最重要視してきたチームにいられず、戦車道から逃げるようにして大洗女子学園へ転校してくる。

クラス全員のフルネームと誕生日を記憶するほどよく観察していながら、自分から声をかけられないほど内気で奥手。
なのだが、戦車道となると内気ではあるが気弱ではないところが伺え、その戦術眼と臨機応変な対応力でチームを勝利へと導く。

大洗女子は彼女のおかげで勝利を重ねたとも言えるのだが、彼女自身が完成されているわけではなく、周りの最初は素人だったチームと一緒に成長しているところが本作の魅力。

戦局を冷静かつ的確に見極め、今ある戦力で最適な戦術を型に囚われずポンポンと編み出してくる、敵に回すと恐ろしいタイプの指揮官でもある。

CV渕上舞。蒼き鋼のアルペジオのイオナ、桜Trickの楓、刀使ノ巫女の夜見の人。

武部沙織

あんこうチームの女子力担当。おとなしかったり癖の強いあんこうチームで一番の常識人であり、ムードメーカー。
CV茅野愛衣。ごちうさのモカ、がっこうぐらし!のめぐ姉、艦これの鹿島、アズレンの愛宕の人。

五十鈴華

おっとりとした穏やかでおしとやかな性格だが、物に動じず、かなり肝が座っている。
戦車嫌いの母と対立するも、しっかり向き合った上で自分の我を通す芯の強さを持っている。
CV尾崎真実。

秋山優花里

イヤッホーウ!最高だぜェーッ!
陸軍めいた口調のミリオタ。みほに憧れており、その態度はまるで忠犬。
CV中上育実。バンドリの大和麻弥の人。特徴的だがキャラクターにピッタリのいい声。

冷泉麻子

沙織の幼馴染で、朝起きられない子。華と同じく肝が座っている。8
基本スペックが高く、マニュアルを一読しただけで戦車の操縦をこなす天才肌。
CV井口裕香。禁書のインデックス、桜Trickの優、艦これの加賀、アトリエアーランドシリーズのミミちゃん、不思議シリーズのプラフタ、クライスタの不動寺小衣の人。

カメさんチーム

生徒会の3人。桃ちゃんそこで外す?

アヒルさんチーム

バレーボール部。大洗女子学園で廃部になってしまったバレー部を復活させるために戦車に乗っている。何を言っているかわからないかもしれないが、何も間違っていない。
試合中とにかくBクイックしたがる。バレーボールに関わる語録に勢いがあって大変面白い。

カバさんチーム

コスプレ歴女軍団。基本的に全員男前。
全員歴史上の人物からとったソウルネームで呼び合うため、作中で本名がわからなかった。
あと、ソウルネームでも実際に呼ばれるのはカエサルくらいだったので、その他は全くわからなかった。
わからないんだけどこいつらの会話は歴史上の出来事を次々と例えに出して、最後に最もそれっぽい出来事が出てきた時に「それだ!」という流れが面白い。テンポが良い。
フェスティーナ・レンテ。

他チームが割とあたふたする系の素人であるのに対し、このチームだけなんか妙にどっしりと構えていて強者感がある。実際に作中でも活躍するシーンが多いような気がする。

ウサギさんチーム

6人いる一年生チーム。
カバさんチームがどっしり構えているのと対象的に、このチームはひたすら姦しく、落ち着きがない。
初戦では戦車を乗り捨てて逃げてしまうほどだったが、そんな彼女たちもあんこうチームの奮闘を見て決意を固める。
劇場版では観覧車パンジャンドラムをキメた。

カモさんチーム

そど子、ゴモヨ、パゾ美の風紀委員組。
見た目もほとんどコンパチのような感じで、見分けがつかない。
一番うるさいのがそど子、そど子にどやされて涙目で操縦してるのがゴモヨ、残りがパゾ美である。

そど子は麻子との絡みが多め。遅刻常習犯かつそど子呼びしてくる麻子にキレるシーンがほとんど。
劇場版でグレたそど子を見たときは地味にショックだった。

なんと、驚きの全員CV井澤詩織。クライスタのメフィスちゃんの人。

レオポンさんチーム

自動車部の皆さん。あらゆる戦車を一晩で走行可能にする、戦車修理の達人集団。
グズるポルシェティーガーを走りながら修理する離れ業も披露した。

アリクイさんチーム

ネトゲヲタ勢。TVシリーズでは決勝から参戦し、ビギナーズラックでフラッグ車を守るファインプレーを見せた。

聖グロリアーナ女学院

イギリスモチーフで紅茶を嗜む。

ダージリン

常に余裕を持って優雅たれ。どこかの魔術師のようなことを言い始めるが、人を見る目が鋭い。
みほが戦局を見る目に優れているとするならば、こちらは戦士を見る目に優れている。
大洗女子学園の軸がみほにあることを見抜いており、劇場版のエキシビションマッチではみほの統率力に綻びが生じるまで落ち着いて待つ戦略を取って見事勝利している。
TVシリーズから劇場版まで通して、みほが指揮を執るチームが敗北しているのは初戦の聖グロリアーナ戦と劇場版のエキシビションマッチのみ。
CV喜多村英梨。まどマギのさやかちゃん、Angel Beats!のユイ、アトリエアーランドシリーズのクーちゃん、EDF4.1のウイングダイバーの人。

オレンジペコ

ダージリンをホームズとするなら彼女はワトソン。作中で名前が呼ばれることはなかった。
CV石原舞。

ローズヒップ

劇場版で登場したクルセイダーでかっ飛ばす子。
CV高森奈津美。はいふりのまろんちゃん、りりくるの彩愛の人。

サンダース大学付属高校

アメリカンな強豪校。銭にモノを言わせた物量が強み。

ケイ

気のいい隊長。彼女含め、サンダースの連中は全国大会初戦で大洗と戦った面々であり、強敵であったため、劇場版で味方になってくれたときの頼もしさが半端ない。
CV川澄綾子。Fateシリーズのセイバー、艦これの大淀の人。

ナオミ

全国大会初戦で一番やべー戦車だったファイアフライの砲手を務めるスナイパー。
CV伊瀬茉莉也。アトリエ黄昏シリーズのニオ、艦これのしおいの人。

アリサ

ちょっといじわるな性格の子だが、余裕がなくなると途端に面白くなる。
CV平野綾。らきすたのこなたの人。

アンツィオ高校

なんとTVシリーズでは2回戦の対アンツィオ高校がまるごとカットされてしまっている。
それもそのはず、アンツィオは強豪というよりむしろ弱小校の部類であり、ジャイアントキリングをメインテーマに据えた本編で描くには相性が良くなかったのだろう。
OVAで補完されたアンツィオ戦も、本編とは違いアンツィオの愉快な仲間たちを描くための作品になっている。

この高校の連中、とにかく調子に乗りやすくおバカで、それでもノリと勢いがあって憎めない。
イタリアと日本を融合させれば、そりゃあ飯のことしか考えなくなるわな!

アンチョビ

ツインドリルだがお嬢様というわけではなく、調子に乗りやすいリーダー。
彼女も大概なのだが、部下のペパロニがそれに輪をかけたおバカなので、強制的にツッコミ役になってしまう。
CV吉岡麻耶。大洗のバレー部妙子も同じ人。

カルパッチョ

大洗のカエサルの幼馴染。おバカでテンション振り切ったアンツィオの中では極めてまともというか、まともすぎて逆に浮いてるレベル。
CV早見沙織。ごちうさの青山ブルーマウンテン、ワンパンマンのフブキ、アズレンの島風、艦これの萩風の人。

ペパロニ

おバカ。あまりにもおバカでアンチョビによく怒鳴られる。
CV大地葉。アズレンのロドニー、はいふりの秀子の人。

プラウダ高校

ロシアをモデルにした高校。

カチューシャ

小さな暴君。プライドが高く、精神も幼い。
彼女の精神的な成長が見られるのは劇場版。
CV金元寿子。艦これの春雨、バンドリのつぐみ、リリクルのなつきの人。

ノンナ

カチューシャをそばで支える実質的な司令塔。あと肩車役。
中の人がガチ勢なのか、ロシア語がめっちゃ流暢。TVシリーズの歌もそうだが、劇場版の会話もめっちゃロシア語が多用されている。
CV上坂すみれ。艦これの吹雪、アズレンのサラトガちゃん、恋する小惑星のモンロー先輩、バンドリの千聖の人。

クラーラ

劇場版に登場。ノンナとロシア語で会話しているが、中の人は作品のロシア語指導担当。

黒森峰女学園

ドイツをモデルとした強豪校。9連覇していたが昨年は車長のいないフラッグ車を狙われてプラウダに敗北し、そしてTVシリーズでは決勝で大洗女子の前に立ちはだかるのだが。

西住まほ

みほの姉。冷静で冷徹な判断を下し、黒森峰を勝利へ導くイケメン女子。
凄まじい統率力だが、黒森峰はセオリーは知っていても奇策への対応力に欠け、結果としてみほ率いる大洗に苦戦する形となる。
TVシリーズの一騎打ちやその後の会話、劇場版での実家でのやり取りから、妹に対してかなり強めの感情を持っていそうである。百合の匂いがする。

CV田中理恵。ネプテューヌ、Fate/EXTRA CCCの殺生院キアラ、ストライクウィッチーズのミーナ中佐の人。鋭いイケメン演技が最高。

逸見エリカ

転校したみほに代わって、黒森峰の副隊長としてまほを支える。
勝利を捨てて味方を助けに行ったみほの甘さに憤っており、かなりキツく当たってくる。
が、実力は認めてくれているようである。ツンデレかな?

まほへの心酔っぷりは、みほに対する優花里の態度とは別ベクトルに忠犬感がある。
CV生天目仁美。ムテカンの美輝、艦これの旗風、Fate/hollow ataraxiaのバゼットの人。

知波単学園

えらい名前の学校である。大日本帝国軍が元ネタなのか、やたらと突撃したがる。そして散る。
劇場版でもとにかく突撃したがり、基本的に足を引っ張る役回りであったが……。

継続高校

BT-42で凄まじい変態機動を披露し、大学選抜チームを三枚抜き。
隊長がどことなくスナフキン。モデルがフィンランドだからか。

大学選抜チーム

劇場版で大洗女子の前に立ちはだかった精鋭。

百合です!

twitterではみほエリをよく見かけるなーと思っていたが、ここまで見た限りではさほど強い絡みがあったわけではないと感じた。9
そもそもガルパンは青春スポ根であり、なおかつ大勢のチームメンバーが互いの信頼を強めていくという形で進んでいくため、特定個人間の感情にフォーカスした描写はさほど多くないだろうと思っていた。
関係性で見れば沙織と麻子もなかなかに逸材ではありそうだ。

しかし、しかしね。
劇場版の西住姉妹。これは極めておいしい。幼少期の描写からの、あの普段キリッとしたまほさんが見せる柔らかい微笑みよ。

あのシーンを前提にしてTVシリーズ終盤を見直したら、ちょっとエモ過ぎてヤバいんでないかな? ちょっとおじさん冷静でいられない。

あとは、西住流と島田流の家元同士のやり取りからほんのり匂う感じがしたりしなかったり。

百合というよりも他の面で楽しめる部分の多いシナリオであったために、全体から見た割合としてはさほど大きくないものの、それでもガッツリした描写があったので予想以上に楽しめた。


  1. 五十鈴華の母は初期には戦車嫌いとして描かれるが、世界観的にはむしろ少数派のようである。
  2. 戦車に乗ってドンパチやる武道。ライディングデュエルのようなものだと思えば特に不自然さはない。
  3. 劇場版の描写から、発砲禁止区画も設定されているらしい。
  4. OVAアンツィオ戦だけは、アンツィオ高校の愉快な仲間たちのためにあるような作品だった。
  5. 最終章では更に登場するらしいが、筆者は未見なのでひとまず触れないでおく。
  6. その名の通り、チームに1台いる旗をつけた戦車。全国大会では相手のフラッグ車を先に撃破したほうが勝利となるフラッグ戦ルールが採用されている。
  7. 撃てば必中、守りは固く、進む姿は乱れなしのスローガンを掲げる戦車道の日本最古にして最大の流派。
  8. が、祖母と幽霊は大の苦手。
  9. もちろん、エリカからの強い感情はありそうな描き方ではあるので、オタクの想像力にかかれば全く不自然ではないのだが。あとはスピンオフ作品で何か描かれているとか?