【ゲーム感想】ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~ DX
目次
前置き
筆者はロロナのアトリエオリジナル版の(BAD以外の)エンディングコンプ済み。トトリのアトリエ、メルルのアトリエplusもプレイ済み。
ただし、新ロロナはやっていないし、オリジナル版をプレイしたのは10年も前である。
ロロナ以前のアトリエシリーズもやったことがない。
この記事はアトリエアーランドシリーズのネタバレを含む。
また、いつもの通り、重度の百合豚目線で書かれた記事のため、閲覧にはご注意を。
グラフィックス
最新のアトリエシリーズと比べてしまうときれいではないが、新ロロナ発売当時としては気にならないレベルだったのだろう。
10年前のオリジナル版の記憶はほとんど失われているが、新になったところでだいぶリファインされているようだ。
3Dモデルはずっと見ているとあれだが普通にかわいいレベルだし、この当時はまだ会話シーンに立ち絵が利用されている。
岸田メル絵はオリジナル版から変わらず。
OPアニメはオリジナル版とはまるごと違うようで、延長戦で参戦したトトリ、メルル両名も登場する。
アストリッドが普通にいい人ムーヴしていて、メルル当時のクズっぷりを覚えていると違和感がある。
実は、タイトル画面で放置しているとオリジナル版OPも見ることができる。
個人的には、作画面でオリジナル版のほうが好き。
イベントスチルは本編のものはオリジナル版と同じ。エスティエンドが追加されたくらいか。
ホムの性別によってA/Bで別れているものは、ちゃんとその性別で見ないと美術館に登録されない。
延長戦追加スチルではトトリ、メルル両名が描かれているものが4枚追加されている。
オリジナル版のスチルと比べて絵柄が変わっているなあとは感じるが、どちらもかわいい。
サウンド
本編中はオリジナル版のBGMと同じ。延長戦で追加BGMが流れるシーンがある。
いくつもアレンジして使われているロロナのアトリエシリーズはどれも好き。
ダンジョン曲では、古代樹の鼓動サビの木管が素晴らしい。
終盤でよく聞く滲む景色のしんみり感も良い。
あと本編で好きな曲は、本編エンディングの不思議なレシピだろう。
10年前もエンドロールを見ながら、本編シナリオの心地よい余韻に浸っていたのをよく覚えている。
延長戦BGMは、アーランド的なあちわ節が熱いAncient Flame、スピード感のある浅野さんの紫電清霜の2本が大きい。
トトリ、メルルのテーマである潮風、おひめさマーチのアレンジが聞けたのも嬉しかった。
なお、延長戦は1年という期間の制限がある上、期間に余裕をもたせようと装備をガッツリ強化した結果、ボスでさえ必殺技ゲージがたまる前に沈んでしまうようになったため、必殺技系のジングルは錬金術士3人分しか聞けていない。
時間無制限のフリー調合&フリーバトルモードほしいよお……。
シナリオ/キャラクター
ロロナ
本作主人公。明るく前向きだがマイペースで、色々と抜けているところが多い。そんなところがまたかわいい。
普通に素直な子で、振り回され体質。そういうところが、庇護欲を駆り立てるのだろう。
パイのことになると脳のネジが2桁か3桁の単位でぶっ飛び、おかしな方向へ向かってしまう。
パイ関連のイベントの後半はインパクトが大きく、初見から10年経った今見ても面白い。
CV門脇舞以。Fateシリーズのイリヤ、スト魔女のサーニャの人。
アストリッド
ロロナの師匠。この時代ではまだ主人公の師匠ポジションとして、一応ちゃんと師匠っぽい立ち振舞をしていた。
メルル時代ではそういう属性が外れてしまい、ただの厄介な天才になってしまっていたので、本作のアストリッドは良いやつ的ポイントの割合が比較的多めだったように感じる。
が、基本的にクズいのはこの時代から変わらない。そういうシーンを見るとかえって安心感があるほどだ。
一度は諦めた、誰かのための錬金術を、ロロナの成長を見てもう一度やりたくなるという展開はとても好き。
CV田中敦子。Fate/stay nightのキャスター、ディシディアのアルティミシア、アズレンのフッドの人。
工事イベントの「寝直す。絶対に起こすな」がゾクゾク来る。
クーデリア
くーちゃん。ザ・ツンデレ。
ロロナのこと大好きすぎて愛情が空回りし、その結果喧嘩してしまうが、それでもなんとか仲直りするという、王道幼馴染。
基本的に常識人なので、常識からネジの飛んだ連中に振り回されてキレる役回り。
くーちゃんエンドの敏腕秘書っぷりと、まんざらでもなさそうなロロナも素晴らしいし、冒険者エンドで最強タッグになってるのも良い。
お金持ちエンドで堕落してしまったロロナをなんだかんだで見捨てないでくれてるあたりも好き。
エンディング前夜、交友値が最大のキャラが複数いると彼女が優先されるのもメインヒロイン感がある。
CV喜多村英梨。まどマギのさやかちゃん、Angel Beats!のユイ、ガルパンのダー様、EDF4.1のウイングダイバーの人。
ステルク
まだまともだった頃の騎士。優しくも時に厳しいお兄さん。
オリジナル版プレイ当時は戦闘面で頼れる仲間として活躍してくれていたと思うのだが、調合の強力さをすでに知っている状態だと意外と出番がない。
1周目などは彼を外した状態で初見でスニー・シュツルムを撃破してしまい、マップの異次元に飛ばされるという謎のバグに遭遇したほど。
普段は冷静であろうとするのだが、アストリッドやジオが絡むと素が出てくるのは面白い。
CV小杉十郎太。金田一少年の事件簿の剣持警部、遊戯王ZEXALのMr.ハートランド、ToVのアレクセイの人。
イクセル
料理人見習いの幼馴染。強引めにロロナを振り回すケースが目立つ。
キャラ的に特別嫌いというわけではないが、各地で食材イベントを起こすためにメンバーに入れておかなければならない期間が長く、もうちょっと別のキャラを使いたいなーと思うことが多い。
CV立花慎之介。
タントリス
キザな吟遊詩人。優男でナヨいんじゃないかと思いきや、戦闘スタイルからしてかなりの肉体派。
単なる嫌な奴……で終わらないのがアトリエキャラのいいところ。
アストリッドにはファザコン呼ばわりされているが、言い方を変えれば親孝行者である。
CV近藤孝行。遊戯王DMの本田君(初代)、テニプリの大石君の人。
ジオ
ちょび髭ナイスミドル。自由すぎる国王様。
気さくでお茶目で、いざというときには頼れる理想のおじさま。
CV大塚明夫。スネークの人。
リオネラ
旅する大道芸人。アーランドには珍しく暗めの性格。
服装がお色気全開で本が薄くなる。
ロロナへの感情が重めで良い。
CV真堂圭。Fate/Apocryphaのセミラミスの人。キャラの性格がまるで違うため、全くわからなかった。
ホム
男女選択可能。選択によってスチルに差分が出る場面があり、スチルコンプを目指すなら最低2周必要になる。
もちろん、1周目から全条件を満たすのは困難なので、それを考慮すれば3周は必要。しんどい。
感情が表に出ないお手伝いロボット的なキャラ付けでありながら、女の子のほうはフリッフリのメイド服でかわいい。
CV彩乃羽由貴。
ハゲル
おなじみ武具屋のおやじさん。本作では名前を呼ぶとキレる。
特定の装備を作るとイベントがあるのだが、最初からトロフィーを目指して走っているとそれらを見ずに終わってしまう。
街の依頼を積極的にこなさないとフレンドクエストが出てこないため、交友値が上げられない。カツライベントを見るのが難しい。
CV立木文彦。ToSのクラトス、次回作のゲラルドの人。
ティファナ
雑貨屋の店主。未亡人。
酒癖が悪く、酔うと手がつけられない。その癖、翌日にはさっぱり忘れている。
エスティさんが朝ベッドで泣いてたって、いったい何したんですか。詳しく。
CV大垣理香。アラーニャも同じ人。次回作以降ではエスティの妹フィリーも演じている。
パメラ
恒例の幽霊さん。登場直後は色々イベントがあるものの、終盤は空気。
CV谷井あすか。
エスティ
受付嬢。新になって最も追加イベントが多かったのは実は彼女では?
パーティメンバーに加えることができるようになり、オリジナル版には存在しなかったエスティエンドが追加され、延長戦でも主人公組に混ざって水着スチルが用意された。
エスティエンドはもはや婚活ENDであり、のちの作品の彼女を知っているとなんとも言えず悲しい気持ちになる。
もしかしたら、ティファナさんに抱かれたのが忘れられないのかもしれない。
CV佐藤利奈。超電磁砲、みなみけの長女、ネプテューヌシリーズのベール様、のんのんびよりの駄菓子屋の人。
コオル
行商の少年。脇が眩しい。
CVあきやまかおる。ホロホロも同じ人。次回作のピアニャも演じている。ネルケのうりゅの人。
メリオダス
大臣。アーランドシリーズでは珍しく悪意を持った存在ではあるものの、悪意のレベルが平和な小学生のイタズラレベルでかわいい。
根っこがクソ真面目で頑固なので、融通が効かない部分があるのだろう。
CV石井康嗣。
ライアンとロウラ
ロロナの父母。旅行に行っては珍しい素材をお土産に持ってきてくれる。
最終的にドラゴンの素材も持ってきてくれるので、もしかして父母は腕利きの冒険者なのでは?
トトリ
延長戦で登場。未来からメルルとともにやってくる。
天然毒舌なところはさほど目立たない。
くーちゃんとはちょっとだけ会話があるものの、それ以外のロロナのアトリエメンバーとは絡まない。
CV名塚佳織。スト魔女のリーネちゃん、プリズマイリヤの美遊の人。
メルル
トトリとともに未来からやってくる。
トトリ以上にこの時代のキャラクターとの絡みがない。
延長戦自体、ゲームのおまけ、やりこみ要素ではあるのだろうが、それでもちょっと寂しい。
CV明坂聡美。バンドリの白金燐子(初代)、勇ネプのアルティの人。
システム
正直なところ、オリジナル版の記憶がほとんどないため、そことの比較はあまりできない。
3年(+1年)の時間制限
メインシナリオは3ヶ月ごと、年に4回の王国からの依頼をこなすというもの。
それぞれ期間内に目標が達成できなければゲームオーバーだが、しっかりやっていればゲームオーバーすることはないだろう。
ただし、1周目で色々やろうとすると日数がカツカツになる。
2周目以降、資金や装備が整ってくれば日数を余すこともできるが、それでもキツいところはキツい。
特にパメラのイベントを先に進めてしまうとシュテル高地の解放が遅れて、メテオールの任意依頼が絶対に達成できなくなるのは困った。
延長戦は本編エンディング後から更に1年の期間で、未来から来たトトリとメルルを送り返すためのアイテムを作る。
延長戦の期間は細かい課題に追われることなく、しっかり調合に集中できる。
しかしながら、1年という期間は当然有限なので、油断していると次の周回の準備が不完全なまま終わってしまう。
そういった点で、装備や資金が整うまでは日数とにらめっこしながらかなり慌ただしい日々が続くことになる。
コストパズル
調合コストレベルでパズルする感じ。
コストレベル+系の特性をガシガシ盛って、他の特性を頑張って引き継いでくっつける。
引き継ぎルートと日数制限を考えながらプレイするため、長考が多くなりプレイ時間は長引きがち。
コストアップ系の特性をガン盛りしたアイテムを用意すればある程度は楽になるが、それが用意できるのは終盤。
コンテナがぎゅうぎゅう
オリジナル版でもそうだったかもしれないが、コンテナの最大容量が1999で、かなり少なめ。
3年も素材をガンガン集めて突っ込んでいると、終盤にはもうパンパンになっていて、中身をごっそり売却したりして整理しなければならない。
しっかり選別して売るのが非常に面倒だったため、プレイ後半になるともう所持数の多いアイテムを順番に25個ずつくらい売って数百程度の空きを作る作業を定期的に行っていた。
せめてもうあと1000くらい容量があれば……。
フリーズしない
オリジナル版では半年以上戻されるなど、辛酸を嘗めさせられたものだが、本作では一度もフリーズを経験しなかった。
何故かマントを翻すような音が時折再生されるバグやシュテル高地の異次元に落ちるバグには遭遇したが、それ以外にバグらしいバグはなかったように思う。
そして、遭遇したバグも進行不能になるようなものではなかった。
ピュアオイルループできない
特定のアイテムの調合では完成品と同じ材料を使って延々とループして特性や品質を盛る、いわゆるループ調合ができた。
オリジナル版ではピュアオイルが非常に強力で、これを軸に戦略を組み立てたものだが、本作では材料が変更になっていてできなくなってしまった。
流石に油カテゴリのループは強力すぎると判断されたのだろう。
おかげで、武器に特性を移すのが大変になった。
ループ調合自体は栄養剤でも可能で、栄養剤は液体カテゴリなので、そこから色々と引き継いでいくパターンが多かった。
やりこみ
エンディングコンプリート
トロフィーコンプリートの前提になる。ただし、バッドエンドを見る必要はない。
本作ではなんと、エンディングに選択肢が出るようになった。
オリジナル版では、エンディングを迎えたいキャラクターの交友値を頑張ってトップにする調整が必要だった。
クリア時点よりも一定期間前のセーブデータを残していろいろなエンディングに対応できるようにする、などという面倒な作業が必要だったのだ。
このしんどい作業が不要になったため、本作ではエンディングコンプリートの条件自体はかなり簡単に満たせるようになった。
……のだが、エンドロールスキップができず、数多くのエンディングをすべて見る為にエンドロールを何度も何度も見なければならない。
アニメ調のロロナの可愛さと、不思議なレシピがなければこの苦痛には耐え難いものがあったに違いない。
トロフィーコンプリート
全エンディング達成+特定キャライベント閲覧+王国祭優勝+延長戦トゥルーエンド
酔いどれティファナと水着イベントだけはエンディングコンプに関わらないトロフィーなので、ティファナの交友値を上げたり、ネーベル湖畔開放時にしっかりアトリエにいる必要がある。
延長戦でもエスティとの水着イベントがある。
王国祭はキャベツ祭りに関して言えばカゴさえ開けておけば1周目でも優勝可能だが、闘技大会は2周目で装備が整ってからでも良いかも。
延長戦トゥルーエンドが最も難しい。延長戦追加ダンジョンのボスは本編ボスとは一線を画す強力さになっており、ガッチガチに調合していかないと厳しい。
資金や装備に余裕のない1周目では、相当にうまく立ち回らなければ延長戦トゥルーまでたどり着けないこともあるだろう。
筆者は1周目では思うようにボスが倒せず、次の周回の準備にかじを切ったタイミングが遅かったためにお金持ちエンドのための資金が集められなかった。結果、3周する必要に迫られた。
オリジナル版はエンディングの選択肢がなく、調整が要求され、それを何度も失敗したために5周も6周もしたような記憶があるので、それよりは遥かに楽だが。
総評
久々のロロナのアトリエ、とても懐かしい気持ちになりながら楽しめた。
エンディングやイベントの条件を考えながら動くと、パーティメンバーが固定化されがちで、せっかく外出時にパーティメンバーごとにイベントが用意されているのにそれを見ずにクリアまで走ってしまう。魅力的なキャラばかりなだけに、これはちょっともったいない。
百合要素は後の作品に出てくるミミちゃんほどのやべーやつがいないのでそこそこ平和な感じだが、それでもおいしいシーンはいくつもある。
くーちゃんもあれで奥手そうだからなあ。もうちょっと頑張って押さないとロロナは気づいてくれないぞ!