【アニメ感想】ビビッドレッド・オペレーション

目次

  1. 前書き
  2. 細かいことを気にしてはいけない近未来スト魔女
  3. 良いからドッキングじゃあッ!
  4. キャラクター
    1. 一色あかね
    2. 二葉あおい
    3. 三枝わかば
    4. 四宮ひまわり
    5. 黒騎れい
    6. 一色もも
    7. 一色健次郎
    8. カラス
  5. キマシ的には

前書き

ふと気になったのでプライムビデオで見てみた
KOTYで一躍有名になってしまったゲーム版や、コミックスについてはノータッチ

今更言うまでもないことだが、筆者は救いがたい百合豚なのでその視点から書いていることに注意

細かいことを気にしてはいけない近未来スト魔女

細やかな兵器ネタが推しのスト魔女と比べるのは酷というものだが、本作においてもほんの少し兵器ネタが存在する
(護衛艦こんごうが撃沈されるシーンくらいのものだが)

ネット上での評判を見る限り散々なイメージを持ってしまいがちだが、細かいところに目を瞑る能力を持っていれば意外と悪くない
ニチアサ女児アニメの如き主人公たちの能天気さ、雰囲気の軽さと、一方でガンガン撃墜/撃沈される防衛軍の悲壮感のミスマッチを細かいと見るかどうか
スト魔女と監督が同じだけあって、アロウンにボコボコ撃墜される防衛軍の図は、ネウロイにボコられる連合軍に酷似している
しかしながら主人公たちの雰囲気はあちらと比較して現代の雰囲気に近いJCの集まりなので、なんというか明るい

シリアスなシーンがないでもないのだが、命のやり取りをしているという緊張感は格段に薄い
この点に目を瞑れるかどうかで、受け入れられるか否かが変わる作品ではあった

一方でキマシ的に良いシーンも多く、疾走感のある出撃/戦闘シーン、ガションガション言う少年の心をくすぐるロマンに、安定した作画によるキャラクターの可愛さ
暗い過去と悲壮な決意を持つ少女の心を開いていく熱い王道展開や細やかな台詞回し、ラスボスの愛着さえ湧く程に凄まじい小物感など、見るべきところも多くある

総じて、「細かいことは良いので、百合とメカとケツだ」という作品だった

良いからドッキングじゃあッ!

この作品では、あかねともうひとりがドッキング(意味深)することでパワーアップした姿になる
主人公が総受けなのは人を選ぶだろうが、悔しいことにどの組み合わせでもめっちゃキレイで美しい
ここまであざといものを受け付けない百合勢もおられるだろうが、筆者は毎度心の中でガッツポーズしながら涙していた
百合の美しさを10秒にも満たない刹那に凝縮した素晴らしい演出であったように思う

キャラクター

キャラクターデザインも含め、各々個性があって良いキャラばかり
各キャラの絡みも程よく、声もイメージぴったりだった

一色あかね

赤。主人公
能天気のおバカだが、それ故にチームの中心にいるムードメーカー

ひたすら真っすぐな正直者で、主人公にありがちな人たらし
これはあおいちゃんもれいちゃんも落ちてしまいますわ、という感じのイケ魂持ち

見せ場は1話の高所恐怖症を克服するシーンと、終盤に撃墜されたり、れいちゃん一直線なところ
特に1話は声優の演技も相まって、実に美しい
その後、特に高所恐怖症設定が活かされていない(完全に克服してしまった)のがちょっぴり残念

撃墜された後の展開はまさに「優しい世界」と言った感じ
もう少し尺があればあの辺を掘り下げてエグみのある鬱展開に持っていけただろうが……

重度のマヨラーで、食事シーンは心を無にして見る必要がある

わんこに乗ってる時の歌がクセになる

CVは佐倉綾音
艦これの長門型、川内型、ごちうさのココアなど、幅広く演じる売れっ子

二葉あおい

青。幼馴染枠
ちょっと引っ込み思案な元病弱設定持ち

単に素直な良い子という感じで突出した個性がなく、濃いメンバーの中では影が薄くなりがち
青だが別にクール枠というわけではなく、戦闘ではまさかのパワー枠

見せ場はトマトをかじるシーンと、あかね撃墜後の戦闘
トマト嫌いであることが2話で明かされるが、その後トマトをかじるシーンでも「おいしい」と言わず「お日さまの味がする」という表現に留めたところを評価したい
食べ物の好き嫌いは実はそう簡単に治るものばかりではなく、人によっては一生つきまとう呪いのようなものである
嫌いな食べ物については、それをおいしいという友人達とその感覚を共有することは決してできず、その一点において周囲の誰からも置き去りにされたかのような言いようのない孤独を感じさせられるおぞましい呪いだ
ところが、この作品は好き嫌いを悪しきものとせず、矯正されるべきものともせず、それでいて孤独に抗おうとする少女の健気で美しい姿を描き切っている
2話で彼女のカミングアウトを受けても笑って「知ってるよ」と流したあかねも、重度のマヨラーをごく自然に受け入れている彼女の周囲も、味覚の多様性をありのまま受け入れる真の優しい世界を実によく表現している

CVは村川梨衣
アトリエシリーズのエスカ、ごちうさのメグ、のんのんびよりのほたるの人

三枝わかば

緑。真面目バカ枠
熱血正義漢という意味ではあかねに通ずるところがあるのだが、こっちはよりカタブツな感じ

かと思えばかわいい女の子に憧れているような節がところどころにあり、ももの前では(中の人の)素が出たりする
真面目だが天然なところがあり、それをフォローしてくれるひまわりちゃんとは良いコンビ
ひまわりちゃんの服をコーディネートしたり、その可愛さを自分のことのように喜んだりと、この二人は良いキマシ感がある
なお、二人の中の人はりりくるで主従カップルを演じている

CVは大坪由佳
艦これの大井北上や伊勢日向、ソフィーのアトリエのエリーゼ、ゆるゆりの歳納京子の人

四宮ひまわり

黄色。カレー枠ではない。何かと便利な頭脳&技術担当
ガチの引きこもりかつ、ガチのハッカー。工場ヲタ

四人の中ではあかねに次ぐエグめの過去の持ち主だが、あかね達により心を開く
技術的になんでもありの超エンジニアで、あと部分的にでかい

見せ場は初見の健次郎に対する態度や、バリアをこじ開けるシーン、それにヘアピンを探す話
かわいい服を着せてもらったり、一緒に水着を買いに行ったり、もらったヘアピンをめっちゃ大事にしてたり
バリアをこじ開けながら精一杯名前を叫んだり、絶体絶命のシーンで抱きかかえるようにかばったり、日曜日の彼女を独占したり
君たちもう結婚してしまいなさいと何度思ったかわからないほどの相思相愛っぷりを見せつけてくれる

ドッキング、何故あかねとしかなかったのか……

CVは内田彩
けもフレのかばんちゃん、りりくるのありすの人

黒騎れい

黒。本作のメインヒロイン
元々は別の世界の住人だが、その別の世界が全く描かれなかったため、ちょっと消化不良気味
彼女が元いた場所に対する執着というものをもっと描いてくれていたら、とは思う

そこを脳内補完して見れば実に良いキャラクターで、望みを叶えるために心を閉ざして道を踏み外すも迷いが消えきらない
苦悩しながらもあらゆるものを犠牲にする覚悟を強いられる少女が懸命にその重さに耐えようとする様は美しいの一言に尽きる

カラスに羽根の刻印で痛めつけられるシーンや、目的を達せずに慟哭するシーン、
何より、これまで自分の邪魔をしてきた相手が自分に近づいてきたあかね本人であったことを知って激昂するシーン等、愉悦的な意味で見どころ満載

必死に作り上げてきた心の壁をあかねに真正面からぶち破られる展開は痛快だし、キマシ的においしすぎる
平和になった世界での後日譚が一番見たい子

しかしながら、二次創作ではあかねとのカップリングだけでなく、何故かあかねの母ましろとのカップリングが描かれていたりする
アニメ中では特に絡みはなかったはずだが、いったいなぜ……? コミックス?

あの冷蔵庫を開けてしまった時の反応が好き

CVは内田真礼
ごちうさのシャロ、りりくるの真衣の人

一色もも

あかねの妹。お姉ちゃん子なのが実に良い
姉が能天気すぎてアレなので、妹のほうがしっかりしている

基本お留守番役なので目立たないが、鋭く良いツッコミが光る逸材
1話と特訓回のおじいちゃんへのツッコミが最高に好き

CVは大亀あすか
アーシャのアトリエでナナカを演じている

一色健次郎

淫獣枠。おじいちゃん
人類史的にヤバいものを発明して世界をまるっと変えてしまったすごい人

元の肉体の扱いが実に面白いし、大人げない性格もかわいい

CVはてらそままさき
TUGの白龍、Fate/stay nightの葛木先生、スト魔女OVAのロンメル将軍
BLAZBLUEの獣兵衛さま、メルルのアトリエのデジエ王など、役柄が幅広い

カラス

カラスのような何か
めっちゃ大物ぶっておいて、最後にひどい小物に成り下がるところは一周回って大好き
良いラスボスだった

見せ場は何と言っても、れいの丸呑みシーンだろう

CVは園崎未恵
スト魔女のトゥルーデ、ARCVの素良、ぷよぷよシリーズ(一部)のアルルを演じている
どれも今作の演技とは違う演じ方なので、ぱっと聞いただけでは気づかなかった

キマシ的には

あかれいとわかひまください って感じ
常時不足しがちな百合分を補給できる素晴らしい作品だった