【ゲーム感想】エスカ&ロジーのアトリエplus~黄昏の空の錬金術士~

目次

  1. 前置き
  2. グラフィックス
  3. サウンド
    1. BGM
    2. CV
  4. シナリオ/キャラクター
    1. エスカ
    2. ロジー
    3. アウィン
    4. スレイア
    5. ルシル
    6. レイファー
    7. リンカ
    8. マリオン
    9. ウィルベル
    10. ニオ
    11. アーシャ/キースグリフ
    12. ミーチェ
    13. カトラ
    14. ソール
    15. コルランド
    16. デューク
    17. クローネ
    18. ハリー
    19. フラメウ
  5. システム
    1. 調合
    2. 採取
    3. 戦闘
    4. 課題
  6. やりこみ
    1. 周回プレイ
    2. トロフィコンプ
    3. plus追加ボス
  7. 総評

前置き

筆者はアーランドシリーズとアーシャのアトリエplusのみプレイ済み
そして、筋金入りの百合豚である
数年前にアニメも視聴済みだが、その時の記憶はほとんど残っていない

ネタバレを含むため、これからプレイする方は注意されたい

グラフィックス

背景は基本的にいつものアトリエだが、前作より黄昏感を演出するためか、夕方のようなやや荒廃した色味の場所が多い
3Dモデルはアーシャ時代に比べやや頭身を上げつつも、目元口元のデフォルメを強めて可愛く仕上げている
アーシャ時代に気になった、背の高い相手との会話で顔を上げない問題も完璧に改善され、会話シーンの違和感は全くなくなったと言って良い
アーシャ時代の良さであった、斜め後ろから見た時の頬のラインの可愛さは健在
キャラクターのモデルについては一旦の完成を見たと言っても過言ではないだろう

また、黄昏を意識しているのか、フィールドでの主人公の影の描写も凝っていた
ジャンプしたりすると影の場所がたまにおかしなことになるが、そこは3D故の難しさか

ゲームを長時間(7~9時間程度?)起動しているとテクスチャバグが起きて画面がロクに見えなくなったり、コルセイトに雪が積もったかの如く地面が白くなったりすることがある
おそらくはソフトウェアレベルでのメモリリークなので、ゲームを一旦終了して再び起動すれば問題ない

イラストは前作から引き続き左氏
青空のイラストが存在せず、しかし暗くなり過ぎないのはキャラクターが皆かわいいからか
エスカ編とロジー編でどちらが描かれるかの差分があるイラストもあり、クリア後に見返しても楽しめる

サウンド

BGM

いつものアトリエに加え、新しい作曲家も加えて曲調のバリエーションが増えている
アーシャよりも黄昏感を強めるためか、暗く悲しい曲が多い印象ではある
勿論暗いだけではなく、Updraftや朝露のピチカート等のアトリエらしい明るい優しい曲も多い

個人的な好みは以下の通り

曲名使われるシーン
Updraftエスカ編通常戦闘
Fulcrum強敵戦闘
朝露のピチカートエスカ編アトリエ
Kitchen Dance酒場「竜の拳」
りんごの木リンゴ園
逆光世界の果て
約束(黄昏の丘)世界の果てイベント
尻尾の数はひとつふたつエスカのテーマ
傍らに咲く花 part2ニオのテーマ
雛鳥 part2ウィルベルのテーマ
夕べの調べエンディング等
無限大のクロニクルアウィン必殺技
Pluieストーリーエンド
ミルク色の峠OPムービー
FJ:journeyルシル必殺技
FJ:ラストバザールカトラ必殺技
FJ:ソードエンソードミーチェ必殺技
FJ:お姉ちゃんの贈り物ニオ必殺技

今作は阿知波さんの戦闘曲はFulcrumのみ
ついつい強敵戦闘を選んでしまうほど熱いベースラインが最高

朝露のピチカートはいつもの中毒性のあるアトリエ曲
この曲だからこそ、ゲーム中の半分を費やす調合が楽しく続けられる

約束(黄昏の丘)はアウィンの叫びとあいまってグッサリ来る
夕べの調べもそうだが、ピアノが綺麗な曲が多く、黄昏の世界観を強く演出してくれる

傍らに咲く花、雛鳥等の前作BGMアレンジも良い
特にニオの必殺技は前作の「夢を織る家」のアレンジになっていて、初めて聞いた時すごく嬉しかった

この中でも特に注目したいのがルシル、カトラの必殺技
前者は魔法少女か何かかと思うほど可愛くそれでいて強さを感じる素晴らしい曲
後者は生まれてくる世界を間違ったのではと思うほど底抜けに明るい曲で、思わず笑顔になってしまう
浅野さんは今作からガスト作品に参戦とのことなので、今後もこの調子で良い曲を展開してほしい

お兄ちゃんの必殺技曲、無限大のクロニクルは、これもちょっと世界観を間違った熱い曲
いきなりボーカル入った時は何が起こったのかと

CV

plus追加シナリオのみ録音環境が違うためか、高音域の声(特にエスカ)が違う演じ方に聞こえて気になった
PS3からvitaへということで紆余曲折あったのかもしれないが、エスカやルシルの声が特に劣化して聞こえがちだったので辛かった

クローネも追加イベントではやや声が低めになっていたように感じる

シナリオ/キャラクター

基本的には優しい世界だが、緩やかに滅びに向かう黄昏の側面が強調されたやや暗めの雰囲気もある
まあ、主人公二人の名前が終末論から来ているので当然と言えば当然ではあるが

とは言え、終始どんよりした暗い世界観というわけではなく、平和なゆるふわイベントも多い
特にエスカが前向きで明るい子なので、それに救われることが多い

エスカ

このゲームは彼女の可愛さを楽しむためにあると言っても過言ではない
天然のポケポケかと思いきや、ぶっ飛んだキャラクターを前にすると心の中でツッコミ役をしたりもする意外と常識人な一面もある

基本的にロジーさん大好き感が(plus追加イベントでは特に)押し出されており、キマシを求めるプレイヤーには辛いかもしれない
だが、それでもかわいいものはかわいい
元気の塊のような大きな動きが素晴らしい

あの尻尾、アニメのようにゲームでももう少し掘り下げてくれて良かったのに

中の人はごちうさのメグ、のんのんびよりの蛍と同じ

ロジー

あー、はいはい、野郎ね
と思っていたのも最初だけ

基本的に天然なエスカを抑えるツッコミ役だが、彼は彼でツッコミどころがあり面白い
まず、ライダーキックしたりレベルアップ時のモーションで「ドヤァ」するところから面白い

研究者体質なところは、共感しつつも人間としてどうなの感があったりもする
「あーん」を全く無意識に自然に受け止めちゃダメでしょ。いやそこが良いんだけど

根っこはしっかり真面目で誠実な男なので、もうエスカと末永く爆発してください

アウィン

お兄ちゃん
穏やかで良いお兄ちゃんだが、こいつはこいつで厄介な発明家タイプ
その厄介さが特別に強調されるわけでもなく、序盤はいまいちぱっとしないモブに毛が生えた程度の存在感だった

が、世界の果てイベントから急に活き活きとしだす
普段穏やかに見えながら、誰よりも夢に対して熱い思いを抱いていたという側面を知ると、彼への印象は大きく変わる
果てに辿り着いた時の彼の叫びで惚れてしまったプレイヤーも少なくないのでは

あの現実をつきつけられながらもまだ諦めない彼の前向きさと強さが良い

エンディングではエスカ/ロジーの差分スチルが用意されており、最初の仲間にふさわしい優遇っぷり

サウンドの項目でも書いたが、必殺技の演出は必見
ドリルは男の子のロマンだものね

スレイア

でかい
研究一筋のダメな人の典型で、研究者体質でややダメなところのあるロジーですらやや引くレベル

マリオンさんとの腐れ縁の描かれ方が、キマシとはやや違うが良い

エンディングスチルのメイドエスカが非常に可愛い

前作のあの人の姪
必殺技演出もそれを意識しているようだ

ルシル

ロリ枠かつ、隠れたキマシ枠
シナリオ中はさほど目立たず、個別イベントでの泣き顔がかわいいくらい
頑張る姿もホムンクルスと話す姿もかわいい

エンディングでは主人公とくっついているのでは感があり、もう片方の主人公が敗北している数少ないルートでもある
つまり、エスカ編でルシルエンドを見るとキマシ感がある。素晴らしい

必殺技演出の大盾からちらっと覗く姿が可愛すぎる

レイファー

トレジャーハンターのおっさん
快楽主義者のようでありながら倹約家で、かと思えばエンディングでは浪費していたりと、なかなか本質がつかめない男
声が渋くて好き

モデルがうまく作られており、帽子で目が隠れて胡散臭くなるシーンが多い

リンカ

続投組キマシ枠
剣じゃなくて声で攻撃するんかいというような技があったり、必殺技の曲に緊張感がなかったりする
マリオン大好きっぷりと残念美人っぷりは変わらず
サン姉さんとマリオンの間で揺れるシーンは、さすがのキマシ枠
大食い大会の涼しい顔が好き

少しは成長して頼れる先輩になった……と思いきや、やっぱりちょっと残念さが残っていて良い
前作から引き続き「えっ」が光る
エンディングも安定のマリオンさんとのツーショット

サン姉さんが登場したものの、リンカシリーズの秘密は明かされることがなかった
シャリーのアトリエに持ち越し?

マリオン

仕事に生き、仕事に死ぬ中間管理職
前作よりも仕事廃人としての側面が強く押し出されており、もはや完全にエスティさん枠
頼れる上司ではある

今作ではDLCでもパーティインしない
デスクワークで飼い殺すにはもったいない実力を持っているはずなのだが

今作では女子会に呼んでもらえたようで何より
なお、その場でも仕事の話をしている模様

ウィルベル

続投組
背も伸びて成長したウィルベルだが、本質はやっぱり変わっておらず、お調子者

ニオと一緒に旅をしてアーシャを探しており、アーシャの話をする時の彼女は自分のことのように誇らしげ
魔法でお菓子を作り出すが自分の腹がめっちゃ減るという、いったいどこの初音島住民なんだと言わんばかりの魔法を習得した

元々はDLC追加キャラだったためかメインストーリーには絡まず、彼女が登場するイベントスチルは1枚(差分込み2枚)だけ
エンディングの女子会にもニオ共々呼ばれていない(既に旅立った後か?)

前作ファンへのサービスのような参戦か

ニオ

続投組
わけあって指名手配犯になってしまった姉を探す旅の途中、コルセイトで不思議な声を聞き、その原因を究明すべく滞在している
ウィルベルと一緒に旅をしているはずだが二人の絡みは本作中では少ない(会話で名前が出るのとお菓子イベントくらいか?)
アニメではセットで出てきた記憶があるのでちょっとさみしかった感はある

彼女もウィルベルと同じく、登場するスチルは1枚のみだが、メインシナリオには深く関わる
前作と比べお姉ちゃんに甘えるお転婆から、自立したお姉さんへと成長している
テーマ曲である傍らに咲く花も落ち着いたアレンジになっていて、成長を感じる

とにかくお姉ちゃんラブな姿勢は変わっておらず、必殺技演出もお姉ちゃん直伝のすごい奴なので、前作ファンは必見

アーシャ/キースグリフ

二人して指名手配犯になってしまった前作錬金術士
今作では話の中に登場するだけであり、アーシャはシナリオ担当が強く意識したのか、名前すら出ていない

ニオからは熟年夫婦のようと評されており、キマシ勢としてはぐぬぬと言わざるを得ない

ミーチェ

バラ枠かつショタ枠
初見は「なんだこいつ」という印象だったが、だんだん面白くなってくる
テーマ曲の曲名のように背伸びしたいお年頃なのが大変かわいいし面白い

双剣でガンガン切り刻む必殺技が素晴らしい

しかし、彼の言う先生とは一体何者なんだろう

カトラ

商魂たくましい幼女
めちゃくちゃ特徴的な声で最初は戸惑うが、だんだんこれがクセになってくる

必殺技の演出が群を抜いてかわいい

ソール

毒舌経理
ダウナー系の半目が良い
依頼失敗時の罵倒で目覚めるプレイヤーもいるかもしれない

コルランド

支部長
カタブツで厳しい人かと思えば、器は大きく時として理想の上司

デューク

豪快な酒場のマスター
声がすごく良いでござる
中の人はBlazBlueシリーズのバング殿でござる

クローネ

リンゴ園、そしてメーリエ家(?)に寄り添ってきたオートマタ
前作のオディーリアと比較して、かなりロボらしいしゃべり方にはなっている

個人的にはフラメウとのイベントをもう少し掘り下げて欲しかった

中の人はふし幻の響子ちゃんと同じ

ハリー

まさかの続投組
フィルツベルグを後任に預けて学術研究の旅をしている
意地っ張りな感じは前作と変わらず
閉所恐怖症はなかったことにされているのか、(閉所っぽいレイファーエンドですら)今作では全く触れられない
的はずれなことを言っているかと思いきや意外と核心をついていたり、憎めないおっさんぶりは健在

彼からもアーシャの話が聞けるので、前作ファンはぜひそのイベントを見て欲しい

フラメウ

人類に絶望した系少女
彼女は黄昏の世界について重要なことを知っているはずなのだが、それが詳しく語られることはなかった
春だの秋だのというのはいったい何の比喩だったのか

クローネとのやり取りをもう少し見たかった

システム

調合

調合システムはアーシャをベースに、多彩なスキルを追加したパズル感のあるものになった
5段階まで貯められる属性ポイントを使って様々な効果を発現させ、完成品の効力を上げたり使用回数や個数を増やす
序盤や1周目からでもある程度のものが調合でき、逆に言えばある程度のものを調合しなければならないため、時間がかかる

発現する潜力を確認するインターフェースにやや難があり、特に潜力の合成で何が消えて何が発現するのかがわかりにくい
CPよりも属性値のやりくりに頭を悩ませることになるが、黄金のリンゴやドンケルハイトを量産できるようになると世界が変わる
属性値をとにかく高めることよりも、ある数値に調整するということが求められるシーンも出てくるので、じっくり考えてパズルする感覚はなかなか面白かった

採取

採取できる数がアーシャと比べて激減し、基本的に1箇所から1個しか取れなくなった
採取や戦闘の後に貯まるゲージを使用して発生させるフィールドイベントを駆使することで、珍しい素材を手に入れたり、過去の遺物を手に入れたりできる
フィールドイベントについて、どこで何が発生するか非常にわかりにくく、攻略サイトとのにらめっこを前提とされている感じは辛かった
また、遺物発見で良潜力を引くまで粘る潜力ガチャがアーランド以来の復活を遂げ、それもやや辛いところではあった

戦闘

距離システムは撤廃
位置関係で後衛との入れ替えを管理する必要が出てきた
前衛後衛合わせて6人のパーティで戦闘に挑み、連携攻撃でガンガンダメージを稼げるようになったので爽快感は増した
ダメージ量も前作とは比べ物にならないほど上がっており、アイテムを作りこめばダブルドローで20万ダメージも出せる

無印版で有効だったらしい回避特化装備はplusではさほどでもない
ただし、plus追加ボス以外は回避特化装備+四極天タウゼン+無限毒薬+無限エリキシル源薬辺りでなんとかなる
特に無限毒薬は全ての雑魚戦を過去にするレベルのものなので、作ってしまうと非常に楽になる

課題

期間ごとに課題が出され、それを達成していく
2周目以降なら全て楽にできるかというとそうでもなく、永久機関等で楽をしようとすると全達成が面倒になったりすることも
全て達成しなくても良いとは言え、達成できていないものが残ると気持ち悪いのも事実なので辛かった

やりこみ

周回プレイ

エンディングコンプには2周必須
エスカ編限定、ロジー編限定のエンディングもあり、それを逃すと3周するハメになる
また、キャラクターの交友値を上げる手段がパーティに入れて日数を経過させる以外にない
上昇速度もかなり遅いため、交友値の調整が非常に面倒臭い

世界の果てで得られるレシピが欲しければアウィンの交友値を優先的に上げる必要がある
キャラクターの多いplus版では魅力的なDLCキャラをパーティに入れる機会がなかなかなくなってしまうもったいないシステムだった

トロフィコンプ

強化フラメウ、世界の果てのボス2体、竜の巣のボスを撃破し、戦闘レベル99、調合レベル50にする以外はほぼエンディングコンプだけで良い
ボス達は全てplus追加ボスではなく、ちょっとアイテムを作りこめば勝ててしまう程度
plus追加ボスはトロフィの条件には含まれず、やりたい人だけやってくれという感じの良いバランスに落ち着いた

plus追加ボス

無印で強力だった作り込みを尽く封じるような強さになっており、無印版の攻略情報ではまず勝てないだろう
筆者はトロフィコンプが目標だったので、挑戦していない

総評

世界観がアーランドやアーシャに比べるとかなり重厚で暗くなっており、それらのファンは面食らうこともあるだろう
システムはじっくり時間をかけてやり込む必要があり、まとまった時間が取れないとコンプリートは難しい

男女の主人公ということでキマシ要素がかなり薄くなっているのも自分としては辛いところだった
その点については、エスカが可愛かったので帳消し感はあるが

トロフィコンプに不毛なボス戦を含めなくても良くなっているのは評価したい
ただし、エスカ編ロジー編で周回を要求されると相当な時間がかかるため、手放しで楽になったとは言いがたい
個人的に2周目以降の進行については思考停止でガンガン行けるくらいにしてほしい