【ゲーム感想】地球防衛軍6
目次
前置き
筆者はEDF4.1, 5をトロコン済み。
本記事には、本作及び前作EDF5のミッションやシナリオ、武器性能等のネタバレを含む。
本作は前作EDF5のゲーム体験を前提として作られており、初見の感動を重視するのであれば、本記事をお読みいただく前に前作と本作をクリアしておくことを強く推奨する。
グラフィックス
前作同様。
新エネミー、新マップも登場し、マップの芸細感は本作でも健在。
特に新エネミーは節目ごとに登場するため、かなり目まぐるしく新しい敵と戦うことになる。
虫が戦場の中心であった前作までとは異なり、特に中盤以降は海産物を意識した敵が多い。
スプラトゥーン3の発売日に公式twitterからクルールとクラーケンのスクショが投稿された1ため、タイムラインで見かけた方もいるかもしれない。
サウンド
前作からの続き物であるため、SEやBGMは基本的に続投。
BGMは一部2アレンジがかかっている。
特に、前作で心を熱くしてくれた優勢時の曲3もされており、金管を少し押さえてベースラインを聞かせる、スッキリした曲になった。
最終戦で4.1の優勢BGMが流れるなど、過去作の曲も使用されているようだ。
おなじみのEDFの歌は、前作と歌詞が変更に。こちらもこちらで良い。
前作の歌詞は、たまにNPCが歌ってくれる。
スキュラ撃破時のSEが異常に大きいのは、クジラの体にガスが溜まっているとかそういうものを意識しているのだろうか。
シナリオ/キャラクター
本作は前作と世界観を同じくする続編であり、前作の履修を前提として構成されている。
特に、本日の予定からの流れは、前作プレイヤーにとって最高に熱い展開だった。
故に、本作は単体ではオススメしづらい。
ストーム隊は前作から続投しているが、ストーム隊結成の流れは本作シナリオ中には存在しない。
通信の面白さは流石のEDFであった。前作と共通の会話も多いが、微妙にセリフやイントネーションが変わっていたりするシーンも多く、新鮮だった。
今作の面白セリフとして印象に残ったのは、「肉と、グリンピースだ」「略語は覚えられない。EMC?何の略だ?」「地球は**に支配されている! 俺たちは生かされているに過ぎないんだァーッ!」「巨大モグラか。きっとかわいいぞ」「以後あなたはEDF所属となります。拒否は認められません」「おまけに怒ってやがるぞ!」「俺は漁師の息子だ。海は……」「何度繰り返しても、好物のチーズバーガーだけは飽きることはないな」「チーズバーガーがうまくないんだ。飽きてしまった」「心の準備ができてない! 軽い気持ちで来たんだ!」辺り。
前作との対比
前作と同じ名前のミッションがあったり、前作であったミッションを意識した内容のミッションがあったりする。
前作との状況の違いを意識して見ると、そこも面白い。
ストーム1
本作のシナリオ体験を語る上で、やはりストーム1とは何者なのかを明かす最終ミッションの通信を外すことはできない。
プライマーの時間遡行で生じたタイムパラドックスの積み重ねにより、時を超えて存在する人類の代表として選ばれた存在。それがストーム1だ。
プロフェッサーとともに時間を遡っていたことや、プレイヤーとして好きなミッションを繰り返し遊べることをメタ的に表現してもいるのだろう。
長い長い道のりを共に歩んできたプロフェッサーの口から語られるところが、また熱い。
プロフェッサー
メインヒロイン。ストーム1と共に、リングを攻撃した際の事故によって時間を遡り続けてきた。
EDF先進技術研究部4の主任であり、数々のエネルギー兵器を生み出した天才。
EMCやブレイザーは彼の設計によるものなのだろうか。
最初こそ、「私は科学者であって兵士でない」「君5が守ってくれなければ私はすぐに死んでしまうだろう」などと弱音を吐くプロフェッサーだが、その割には前線に立ってしっかりアサルトライフルを使いこなしている。
時折、「私も兵士だ」などとガッツを見せてくれたり、「君の役に立ったぞ」と誇らしげに撃破報告してくれたりする。
既婚者で、妻に関する惚気話6を聞かされるが、「何度もした話だったな」などと言われることから、ストーム1とのやり取りが彼にとっても心の支えになっていたことは想像に難くない。
終盤ではプライマーの正体に迫る仮説を説明してくれるが、その際の語り口が嬉々として成果を話す研究者のイメージ7そのもので、つい聞き入ってしまう。
M69のラストの涙声は、プレイヤーまで泣きそうになってしまう。
最終ミッションの「あるとも!」の重さが凄まじい。
単純計算で50年ほど8、その大半で人類が無惨に敗北し殺されていく様を見せられ続けてきたのだから、この結論にも至ろう。
CV東地宏樹。ジパングの草加拓海、禁書のアックア、ごちうさのリゼの父、Fate/EXTRAのトワイス・H・ピースマン、バイオハザードのクリス・レッドフィールド、SO3のクリフ、ToGのマリク教官、フィリスのアトリエのカルドさんの人。
大尉(曹長)
絶望の未来で戦い続ける熱血教官。いわゆるハートマン軍曹。
「集合しろ。クズども! 並べ!」から始まり、体育会系の中でもスパルタな性格。9
口では厳しいことを言いながらも、人類の未来や仲間たちのことを強く想っている人。
ストーム1が配属されたベース251の元締めで、新人たちを徹底的に鍛えて使えるようにしてくれる。
頭の中に逃走の2文字がないのか、あるいはプライマーとの戦いの中でその2文字に意味がないことを痛感したのか、とにかく戦うことに対して前のめり。10
姿の見えない市民の心配をし始めたり、市民の被害がなかったことに言及し始めた時には、絶望で頭がおかしくなってしまったのかと不安になったものだが、そんなことはなく、彼はただ純粋に人類の未来を見据えて戦っていただけ11だった。
そんな自分を強く持とうとし続けている彼が、それでも参ってしまうほどの絶望の未来12がかなり辛い。
人類が優勢になると、大尉という役職ではなく、曹長になっている。それでも出世したらしい。
優勢になっても、血の気が多いのは変わらないらしく、大尉には「無茶をするなよ」とたしなめられたり、その部下からは「曹長は噂通りだな!」と言われたりする。
サングラスとハットがおしゃれ。
ベース251系ミッションで予めNPCを押して彼が入ってくる入り口を塞ぐと、部屋に入れないまま扉が閉まるという、NGシーンのような何かを見ることができる。
CVてらそままさき。TUGの白龍、D.N.Angelの小助さん、BLAZBLUEシリーズの獣兵衛、Fate/stay nightの葛木先生、メルルのアトリエのデジエ様の人。
ストーム2(軍曹隊)
軍曹
前作の最終ミッションで死亡したことが公式に発表され、軍曹のいないEDFなんて……と絶望しながら絶望の未来を始めたプレイヤーにとって、M14の転機13で彼と再会した時の喜びは非常に大きかったことだろう。
M13の終わり際、EDF6 begins now.で「長いOPだったなあ」と思わせておいてからのこの展開は、めちゃくちゃ熱い。
筆者も、あの会話を目の前で繰り広げられていろんな感情が詰まってただ「軍曹……!」と言うことしかできなかった。
殿軍のタンクと軍曹のやり取り14がシンプルに熱くて好き。
本作ではNPCに設置物を取り付けられなくなったため、前作でまかり通っていた軍曹爆弾なる非道な戦術は取れなくなった。良かったね……。
人類が優勢になると、その活躍を認められて軍曹から大尉に昇進している。
しかし、本人はあまり上の立場に立ちたいわけではなさそうで、ミッション中の汎用セリフの中で「俺が大尉か。面倒なことになった」とこぼしている。
前作でも作戦司令本部との距離の近さから、昇進を断って現場にいることを選んだのではないかと予想していたが、本作の活躍でとうとう断り切れなくなったのだろう。
「組織のメンツを立てると思って受けてくれ」などと、本部の司令官に説得されたのかもしれない。
軍曹の部下
3人とも続投。不眠症だった部下Bのセリフがやはり目立つ。
前作のSFを読んだというセリフから、ある程度の教養があるのではと予想されていたが、本作でも場を和ませるために冗談を言うようなケースが見受けられ、筆者としても好印象を持っている。
テレポーションシップをガンガン落とすストーム1に対して、「安全な場所を見つけたぞ! あいつの後ろだ!」と言ってくれるところはとても気持ちが良かった。
ただ、エイリアン・アタック’における「心の準備ができてない!軽い気持ちで来たんだ!」に対しては、プレイヤーの多くが「戦場に軽い気持ちで来るな」と突っ込んだことだろう。
ストーム3(グリムリーパー)
前作では渋くてかっこいいフェンサー部隊として大活躍だったが、本作ではあまり良いところがない。
特に副長は、激突する平原での初登場時のセリフ以外出番がなく、一連の流れ15で戦死してしまった可能性すらある。
隊長もかっこいいはかっこいいのだが、見せ場が退路の敵16くらいで、その後はちょっと活躍が印象に残らない。
長射程武器が必須となる11番目の船や、リング破壊作戦後編に短射程のスピアと盾しか持ってきてくれないのはその、ちょっと……。
ストーム4(スプリガン)
こちらは、前作よりも出番が大きく増えている。
11番目の船では4.1仕様と思われるMONSTERを持ち出してくれ、非常に頼りになる。
作戦司令本部
前作同様だが、敵が次々に新戦力を投入してくるので、とにかく驚かされっぱなし。
作中で何度「なんだと!?」と言ったのだろうか。
情報部の命名には兵士の士気低下を懸念して苦言を呈することも。
被害を抑えるための撤退などの判断が比較的速く下せる優秀な人材ではあるのだが、プライマーに人類全体が翻弄されている状況では失敗続きで苦しい思いをしていることだろう。
戦略情報部 少佐
やはり今作でも無慈悲。強力な敵の新兵器に対して、「武器の特性を把握するため、戦闘を長引かせてください」などと無茶な注文をつけてくる。
命名が結構ノリノリ。神話の怪物の名前をつけては、本部から「大仰な名前をつけるな。兵士が怯える」「たいそうな呼称のせいで、兵士が動揺している」などと言われている。
終盤になると、自分が名付けた理由を「兵士たちの呼び名に合わせ」として反論を封じていたりする。
彼女としては、元々兵士たちの間で使われている呼称そのままでないと定着しないため、という意図があるのかもしれない。
専属オペレーター
前作では散々発狂して辛いことになっていたオペ子。
今作では、辛い周回では変わらず宇宙の卵を追い求めてしまうが、人類が優勢になるとだいぶ落ち着いている。
ストーム1の活躍に惚れ込んでしまい、ちょっとした依存体質が見受けられるのが不安材料ではあるが、ロクに寝られずに悪化していく戦況を見せられ続けて卵狂いになってしまうよりずっとマシだろう。
最終ミッションでオペレーションオメガに反対するところは、プロフェッサーと彼女の、戦争との関わり方の違いを強調していると思われる。17
最終ミッションクリア後のセリフが難易度によって変わる。
INFをダイバーでクリアすると実質百合ゲーになる。
先輩
なんと、前作の開幕でαに食われてこの世を去った先輩の生存ルートがある。
時間遡行を繰り返し、それでもプライマーの歴史改変によって戦局は不利にされてしまう。こんなのどうすれば、というところで、最後の繰り返しで戻った先のミッション名が、「本日の予定」。
そこまで戻るのかと驚き、「まさか先輩生存ルートか?」と思いながら蓋を開けたら、文句のつけようがない生存ルートをお出しされて最高に熱くなった。
先輩の生存こそが、人類逆転の鍵だったのである。
要請の人
世界の状況18でセリフが変わる。
絶望の未来ではそもそも要請系の装備は実運用できないが、その場合も通信のセリフだけは用意されている。気になる人は聞いてみると良いだろう。
スプライトフォールさんは今作でもキレッキレ。ついついβモードで使ってしまいたくなる。
DE203はエアレイダーを民間人扱いしてくることがある。
対話さん
前作序盤で「対話」を訴えて寝言を言っていた人。今作でも降下艇飛来のミッションで同じ演説をするのだが、その直後にプロフェッサーによって「この報道の後、ドローンの攻撃で彼女は死ぬ」とネタバレされてしまう。
相手を自らと同じく意思を持った人として接しようとしていたところに、無人兵器が容赦なく攻撃してくるとは、あまりにも皮肉である。
迷信深いモブ兵士
人魚を傷つけると呪われるとか、クルールを殺すとたたりがるとか、クラーケンが不吉だとか、やたらと迷信深い奴がいる。19
クルールの元ネタから、海産物への恐怖が強調されているのだろう。
なぜ怪物は汚染を浄化できる?
なんと、本作では怪物の由来がはるか未来の地球であることが仮説としてではあるが、明かされる。
遺伝子調査の結果、未来の地球から来た生物であろうと結論付けられたが、プライマーの歴史改変によりその研究も白紙になった。
それで尚、プロフェッサーは独力でその仮説に到達してしまうのだから、考え続ける天才である。
この事実を起点として説明がつく事象もあり、明かされた時にはSFとしての面白さを強く感じた。
エイリアンは人間に酷似しているようです
前作での一番大きなツッコミどころだった、コロニストとコスモノーツの人間との類似性に関する話について、一応の説明らしきものがある。
プロフェッサーは、緑のエイリアンは未来の地球で誕生した知的生命体、あるいは変異した人類そのものであると結論付けていた。
環境汚染に弱かったことも、汚染を浄化する怪物たちが繁殖した未来の地球から来たとすれば説明はつく。
一方、クルールは火星由来の生物であるらしいことがわかっており、おそらくはコスモノーツもそうなのだろう。
地球上の生物の遺伝子特徴を持った相手に、本能的に人類との類似性を見出してしまったとすれば、人間そっくり説も全く納得できない話ではない。
……見た目の話をすると、納得もへったくれもないのは変わらないが。
システム
基本的なシステムはほぼ前作のまま。
繰り返されるたびに攻撃の精度は高くなる
前作に比べると、序盤からかなり難易度が高い。
ミッションの構成にかなり無駄がなく、次々に新しい敵が出てくる他、前作で大物扱いだったマザーや飛行型の巣も序盤から登場する。
これもあって、シナリオ体験の面からも、ゲームの難易度の面からも前作を予めプレイしておくことが推奨される。
第六世代型の武器を送ってある
各兵科で、やはり使いやすい武器とそうでない武器はある。
レンジャー
バックパックが追加された。手榴弾系の装備や、セントリーガンなどはこの枠に独立し、攻略の幅が大きく広がった。
特にDNGはその挙動が大きく変わっているので、ぜひ使ってみて思いっきり笑ってほしい。20
今回はミッションの構成にレンジャーだと楽になるようなものが多く、狙撃重視の4.1にだいぶ使用感が戻ったような印象を受ける。
アサルトライフルも貫通付きのオーキッドが非常に強力で、前作ほどショットガンを使う機会がなくなった。
一応、手込め式のスローターやスラッグショットなどは、途中リロードでリロード時間が短縮されるので使いやすくはなっているが……。
マグマ砲が凄まじい強化を受けている。瞬間火力が非常に高く、とりあえずこれをちょい出しして雑魚をちらしながら進軍したり、大物に照射して殺し切ったりできる。
スナイパーライフルはライサンダーとファングの2強。特にライサンダーは弾速の速さから、クルールやクラーケンの盾の反応速度を超えて本体に着弾させることができ、非常に優秀。
ファングもリングの砲台破壊など、要所できっちりと活躍してくれる。
両手にライサンダーZとファング111を持つだけで完封できてしまうミッションも。
爆発物の弾頭が味方に当たらなくなったため、ロケットランチャーの自爆事故は減った。相変わらず、敵の残骸が飛んできてそれに当たってしまうことはあるが……。
この仕様のため、グレネードランチャーの利点が減り、威力もあってロケットランチャーのほうが使いやすいケースが多くなったように思う。
ビークルには戦闘ヘリのヘロンが追加された。
開幕から呼べる、なおかつ極めて軽い挙動で飛び回れるため、これもまた優秀。
自走式対空砲ケブラーは……有効なシーンがいまいち思い浮かばない。
前作に比べて全体的に難易度が高めになっているものの、とりあえず最初はレンジャーで、というにふさわしい使いやすさ・強さの兵科となっている。
ウイングダイバー
装備枠に、独立作動装置追加。
グレイプニールやブリンクボールはこの枠になり、使用にエネルギーを要求されなくなった。
その分だけ、近接の強力な武器、ドラグーンランス、ランス、ファランクスやブーストの消費エネルギーが重めに調整され、前作のような感覚で使おうとするとエネルギーが全然足りず辛い目にあう。
独立作動装置のルミナスシールドを駆使すれば敵の近くでも比較的安全に緊急チャージを行うことができる他、同じく独立差動装置でメイン火力足り得るスピアが非常に強力で、エネルギーを飛行に集中させる立ち回りも可能。
消費エネルギーは重いが威力がめちゃくちゃ高いプラズマグレートキャノンや、ライジンと言った遠距離攻撃主体の構成もでき、試行錯誤の幅は広い。
レイピアも非常に使いやすく、エネルギーチャージのタイミングを調整しながら近接戦を仕掛けられる。
マグブラスターなどの残弾数に応じて威力が減じていく武器は、途中リロードすることでリロードに必要なエネルギーが減る仕組みが導入され、非常に取り回しやすくなった。
特にマグブラスターはそのバリエーションの多さから、終盤でも頻繁に出番がある。威力の高いDXが使いやすい。
ゴーストチェイサーは爆発物扱いのため、味方に弾頭が当たらなくなった。味方の背の高いビークルの上に立ってぶっ放せば、自爆しない。
エアレイダー
地底及び絶望の未来では空爆要請を一切行えず、ビークルもデプスクロウラー以外呼び出せない。
その代わり、ドローンを操って火力を出していけるように調整されており、中でもエレクトロンコプターのトータル火力・制圧力が尋常じゃなく高い。
大群が湧くポイントにそっと添えてあげるだけで全部出オチして、地球が平和になる音を楽しみながら大量のアイテムを回収できたりする。
その分、広い攻撃範囲に自分や味方を巻き込みやすいことには注意が必要。
長射程で高威力のサイレントコプターも、ドローンの攻撃が盾に反応されないため非常に強力。スコープもあるため、再発射や着弾までの時間を考慮しなければレンジャーのスナイパーライフルのように使える。
遠くにビーコンが着弾すると再発射までにかなり待たなければならないのは難点。その点で、リムペットスナイプガンとは相互互換。
他にも、ポータブル機関砲などの範囲攻撃も、攻撃を終えたドローンが帰ってくると再使用可能になっていて、場合によっては絶望の未来でなくとも採用が検討できる装備も多い。
前作で猛威を振るったKM6やフォボスなどの広範囲空爆要請は、軒並みリロードの要求貢献値が重くなってしまった。
とりあえず大群に対してフォボスを投げているだけでなんとかなっていた前作のようには使えない。
それでもミッション次第では空爆を投げ続ければ制圧できてしまう場面もあり、ちょうどいい具合に調整されたのではないかと思う。
バルカン砲や105ミリ砲もリロード時間が重く調整された。
相変わらず大きい敵には有効なので、出番自体は少なくないが。
レンジャー同様にバックパックが追加され、トーチカやロボットボム、インセクトボムはこのカテゴリになった。
警護カプセルがずば抜けて優秀で、エアレイダーで課題になりがちだった自衛力をしっかり補ってくれる。
トーチカも終盤ミッションで輝く場面が多く、電磁城壁で味方を守りながら乱戦を生き延びたり、アブソリュート・トーチカで安地を作りながら戦ったりできる。
インセクトボムは最終形がハイグレードネイカー特効で頼もしい。
ロボットボムはロックオン不要になり、雑に高いところからばらまいておけば仕事してくれるようになった。
ビークルは物理演算の関係でやや不遇気味か。
ヘリはさほど影響を受けていないので、エウロスの強力さは健在。筆者はよく使っていた。
地上を走行する車両タイプは、ひっくり返りやすくなってしまったのが難点。再乗り込みですぐに姿勢を戻せるのは前作通りなので、それが救いと言えば救い。
ミッション次第では、毒ガスをまいてブラッカーに乗り込むだけで終わるようなものもあったりする。
コンバットフレームには次世代機のエイレンが登場。高めの機動力と継戦火力を持ち、扱いやすい。
デプスクロウラーは水中でも壊れないようになり、水中のアイテムを回収できるようになった。これが役立つミッションは片手で数えるほどでしかないが……。
実は、スピードスターからスコープが取り上げられてしまった。なぜだ。
フェンサー
ブラストホール・スピアを使う機会がほとんどなくなってしまった。
盾で遅い攻撃を防がれる他、大群に対して貫通能力を持ち、なおかつ軽く、振りの早い電刃刀が登場したため。
これと、素早く射出可能でそれなりの威力があるスパインドライバーの組み合わせ、いわゆる刀スパインが高機動型フェンサーの標準装備となった。
なんと、電刃刀は近接武器でありながら、ジャンプブースター搭載。非常に強力である上に、高機動型の近接枠をスパインドライバーに割ける。
盾型フェンサーも、盾スパインの構成が使いやすい。
素早く攻撃できるスパインドライバーは、盾持ちを殴る際にも使いやすく、近接武器の中では採用頻度が頭ひとつ抜けている。
高難易度のミッションに行く際には、この武器の習熟度が成功率を左右すると言っても過言ではない。
リフレクターは仕様が大きく変わり、使いやすくなった。
特に、マザーモンスターの酸や、ネイカーの火炎放射に対してはリフレクターとシールド保護装甲が最適解になり得る。
ガリアキャノンには建物破壊効果が加わり、陽炎エフェクトも追加された。後者は視界を妨害して邪魔になるのだが、かっこいい。
機関銃はスピンアップの時間がなくなり、連射速度が徐々に上がっていく形式になった。ヘルフレイムリボルバーは砲口安定化装置をつければ使いやすいことに変わりはなく、瞬間火力が凄まじいためスキュラやコスモノーツなどの大物処理に向き、当たり判定の大きさから盾持ちにも有効。
ミサイル系は相変わらず。ソロだと雑に使っても強いが、マルチだとしっかり考えないとだめ。
ただし、段差の多い絶望の未来などでは、特にFGXの自爆の危険性が高い。
高機動型フェンサーは、やや機動力に下方修正を受けている様子。
換装型のサイドスラスター、ジャンプブースターを装備すると、スラスターとジャンプの操作が入れ替わる代わりに機動力が増強される。
マルチチャージャーをつけていると、前作に比べてかなりもっさりした挙動になってしまうので、慣れが必要になる。
サイドスラスターが機動力の中核を担う関係上、絶望の未来で瓦礫に引っかかってしまうと本当に絶望する。
やりこみ
トロフィーコンプ
全兵科全難易度クリアと救援回数・回復量が条件になっている。
HARDクリアでEASY/NORMALがクリア扱いになることは前作同様だが、今回はオンラインとオフラインのどちらで行っても共通の達成率にクリア状況が反映されるようになった。
そのため、達成率を上げたいプレイヤーが気軽に友人とマルチプレイしながら進められる……と思いきや、それは序盤に限った話。
マルチプレイになった瞬間、敵の耐久力と火力が跳ね上がり、元々高難易度のミッションはクリアが更に難しくなる。
難しいミッションはアーマーや武器レベルの限界値設定を無効にしたところで難しく、マルチプレイでは求められるプレイヤースキルの水準が極めて高い。
ソロとマルチで難易度が大きく変わるのに、達成率自体は共通になってしまったので寂しいという声も聞くが、ライトにやりたい筆者にとっては、マルチプレイのアーマー・武器レベル限界値の無効化条件をソロで満たせるのはありがたい仕様でもあった。
なお、ミッション数は前作に比べて1.5倍程度に増えており、このボリュームを全兵科全難易度でクリアするには相当な時間がかかる。
筆者も、発売から4ヶ月経ってようやく達成した。
INFERNO終盤ミッションの難易度は特に高く、ソロでも武器やアーマーをしっかり稼いでいないと厳しかった。
筆者のトロコン時点でのアーマーは以下の通り。
兵科 | アーマー値 |
---|---|
レンジャー | 68154 |
ウイングダイバー | 25253 |
エアレイダー | 34831 |
フェンサー | 35240 |
武器星付け
星付け制度も前作から続投している。心なしか前作よりもやや星が付きやすいかもしれないと思いかけたが、おそらくそんなことはないのでこれも運次第。
オンラインマルチプレイ
オフラインソロよりも難易度が高いため、こちらでのクリアを目指すのも悪くはないだろう。最終盤のミッションはめちゃくちゃ難しいものがあり、無謀の賭けやリング破壊作戦前編はマルチでの攻略イメージが全く湧いていない。
クリア状況はオフラインと共通なので、どの程度クリアしたかは自分で把握しておく必要がある。
総評
新しい操作感を加えつつ、前作ファンにとって素晴らしいシナリオ体験を提供してくれた名作。
大ボリュームなので一気にやろうとすると疲れてしまうが、それでもシナリオの続きが気になるからと、初回は頑張って走り抜け、最高のゲーム体験を得た。
やはり、本日の予定からの、次のミッションであのアンカーの大群を叩き折っていく快感、それから最終ミッションですべてが明かされた時の、全てがストーム1に集約されていくことへの高揚感は、本作がEDFだからこそできた体験であったと言える。
DLCは前作同様にシナリオ薄めになるのか、あるいはガッツリ通信を用意してくれるのか、今から気になるところ。
- 公式Twitter。
- 筆者が気付いてないだけでもしかしたら全部かもしれない。
- デジボクで「勝利の兆し」という曲名が明かされた模様。
- 余談だが、ゲーム中には先進技術研究部と先進科学研究部の2組織が登場し、エアレイダーの武器説明で統合されたことが語られている。M133にて、プロフェッサーは軍曹の部下に「先進技術研の偉いさん」と言われている。
- ストーム1。
- シナリオの都合上、それらがすべて過去形であるのが悲しいところではあるが。
- その道を究めんとする求道者の根底にある少年の心がにじみ出ている感じと言って伝わるだろうか。
- 開戦は5公式サイトの情報から2022年。6公式サイトでは2024年に勝利し、その3年後の2027年が舞台であると語られている。リングを攻撃する日は固定なので、1ループ5年。EDF9の数字がリングを攻撃した回数だとすれば、最初のループから最後のリング戦まで50年の計算になる。
- 作中での表現はかなりマイルドに抑えられているが。
- 及び腰になる兵士たちを鼓舞してくれているのだろう。
- 「いつかまた、街に人があふれる時が来る」「子どもたちに良い世界を残してやれ!」
- M40では「もはや住む者はない。それでも、この街は美しい」と自分に言い聞かせながら、座り込んでしまう。
- ちなみに、前作の転機はM13。5から+1されている、というのは流石に深読みのし過ぎか。
- 「ここが死に場所だ。邪魔をするな」に対して「次の戦場で死ね」は、タイタンのプライドを尊重しつつ撤退を促す素晴らしい返しだと筆者は思う。
- 移動基地からのタンク撤退支援やグラウコス襲来。
- 「獲物を独り占めか?悪いが山分けだ」のセリフはすごく好き。
- 人類が優勢になった歴史しか見ていない彼女と、人類が劣勢の歴史しか記憶できていないプロフェッサーの対比である。
- 絶望の未来、人類が優勢な未来、それ以外。
- すべてのセリフが同じ隊員から発せられたものかどうかはわからないが。
- 手投げ式なのに弾速表記があり、イチローも真っ青のレーザービームである。言ってしまえば、手投げ式狙撃銃(炸裂弾)。