【ゲーム感想】Again(リメイク)

目次

  1. 前置き
  2. 作品配布・販売ページリンク
  3. グラフィックス
  4. シナリオ/キャラクター
    1. 丁寧にえぐる
    2. レイチェル・メルヴィナ・シュティーナ
    3. ボッテキア
    4. マッチ売りの少女
    5. 椿
  5. システム
    1. 遊びやすく、かつ歯ごたえのあるバランス
    2. biimシステムの迷宮
    3. 武器は3つまで装備可能
  6. やりこみ
    1. サブダンジョン巡り
    2. ブラックダイヤモンド
    3. コレクションルームコンプ
    4. クリア後ダンジョン「アビス」
    5. 図鑑コンプ
      1. 五神
      2. ドラゴンベビー
      3. 見習い魔女
      4. 人参さん
      5. クロウラー
      6. 身代わり人形
      7. スチームナイト
      8. ゾンビキャット
      9. 墓石さま
      10. パトロールドッグ、警備ロボット、デス・ビー
      11. 腐鳥
      12. やぎぬまさん
      13. イエティ、白なまず
      14. ペンペン
      15. ダイヤタートル
      16. 武者アーマー
      17. 武者の怨念
      18. 蛇竜
      19. チタンエンペラー
      20. アビスワーム
      21. 白竜
      22. メテオドラゴン
  7. 総評
  8. 関連記事
  9. 宣伝

前置き

筆者はリメイク前のAgain及びPromiseをプレイ済み。
本記事には、それぞれの作品や、本作のストーリーに関する重要なネタバレを含む。
ぜひ、本記事をお読みになる前にPromiseと本作をプレイしてほしい。

前作同様、筆者がシステム面に深く関わっているので、その辺りも書ける範囲で書いていく。

作品配布・販売ページリンク

グラフィックス

本作でもマップの美しさにより磨きがかかっている。
リメイク作品ということもあり、リメイク前の雰囲気をかなり忠実に再現しながらも、歩きやすさや視認性に配慮されている。

前作のようなアイキャッチはないものの、その代わりにストーリーの要所にこれでもかと一枚絵を入れてくれている。
立ち絵も含め、画風をアニメ調に統一していて、前作とはやや雰囲気が変わっているものの、これはこれで良い。

エンディングの一枚絵ラッシュを見て、何も言葉を発することができなかった。前作の黒扉奥を歩いている時の心境に近かったかもしれない。
結末をすでに知っているだけに、そう、そう来るよな、そうだよなと思いつつも、メンタルをえぐられて何も言えなかった。
獣のような咆哮を発した前作とは対比的に、全てが終わった後に漏れたのは満足感と寂寥感の混じった不思議な深い溜息だった。

シナリオ/キャラクター

丁寧にえぐる

終盤からエンディングの流れを見て、リメイク前の感想を思い出さずにはいられなかった。
当時、筆者は突きつけられた結末に対して、万感の思いを込めてこう書いた。

たたみ方が、雑。

かえってあの感想を思い出さずにはいられないほど、本リメイクでは結末に向かう流れ、えぐり方が丁寧であった。

各地のサブイベントや、コレクションルームのやり取りまで含めて、とにかく希望や未来の話をしてくる。
リメイク前や前作と比べ、ボッテキアがだいぶ丸くなっているように感じたのも、それ故だろう。1

何も知らずにやった時の「え?そういうことする?」みたいな混乱や衝撃、瞬間火力はなかったが、知っていたが故の「丁寧にえぐってくるじゃん……」という継続ダメージがじわじわと効いてくる、リメイク前とは対比的な体験となった。

ストーリーは確かに辛いのだが、終わった後に確かな満足感を得たのも、かなり不思議な体験だったように思う。
本作はBAD確定であることがわかっていても、あの結末に行き着いてしまうことをすでに知っていながらも、そこに向かわずにはいられない不思議な魅力があった。
前作Promiseで、これ以上ない救いの形を見せてもらったから、というのもあるかもしれない。
エンディングを見て心の中で「やめろよ……」と言いながらも、メッセージ送りを止めることはできず、そして最終的には満足していたのである。完全に本シリーズのシナリオに頭をバグらされてる。

レイチェル・メルヴィナ・シュティーナ

主役3人組。シュティーナのみ、リメイク前とは見た目の印象がだいぶ変わっている。
リメイク前は緑・赤・青でバランスを取っていたキャラデザだったが、シュティーナが青というよりは黒寄りになった。目の大きさ故に、印象がだいぶ変わったのだろう。
メルヴィナが鎧のため白や銀に近い印象を強めたこともあり、トータルでのバランスは損なわれていない。

性格面でも、うるさくグイグイ行くタイプの皇帝、物静かだがだんだんと人間らしくなってお茶目になっていくレイチェルに、ブレーキ役のシュティーナと、バランスが良い。

リメイク前に比べ、3人の何気ないやり取りが格段に増えて嬉しいやら辛いやら。

アイテム図鑑の一言がだいたいくだらなくて好き。

ボッテキア

Promiseよりもだいぶ優しい。
リメイク前は本編には無関係のオマケ要素的な存在だったのに、本作ではガッツリ本編に絡んでいる。
3人との関係を特別に感じてくれているように見受けられ、これはかなり嬉しい改変だった。
Promiseで黒扉を封じているところに繋がる流れを想像するだけでエモい。

マッチ売りの少女

キャラデザ(というより体型)が大きく変わった。
イベントの雰囲気や境遇に合わせて、主に胸部の装甲をごっそりと削ぎ落としている。

椿

桜の世界でゲスト加入するくノ一。こちらはリメイク前に比べてもデザインがかなり際どくなった。
おおよそ全年齢対象作品で見られる露出ではない。

彼女については、リメイク前はボカされていたものの、本作で明確にその結末が描かれてしまった。どうして。2

システム

遊びやすく、かつ歯ごたえのあるバランス

よくここまで作り込んだな、というと半分くらい自画自賛になってしまうが、よくここまでバランス調整してくれたな、というのが一番大きな感想。
リメイク前の「ついてこられる奴だけついてこい」という振り切ったバランスから考えると、「きっちり考えて挑んでね。ちゃんとクリアできるようにしてるから」という、言ってしまえばマイルドなゲームバランスになった。
しかしマイルドと言いつつ、裏ダンジョンのアビスは世界樹の迷宮6層クラスに緊張感があり、それ以外のストーリーボスも適正レベルで挑むとしっかり考えなければ勝てないようになっている。3

特に、闘技場や裏ボス戦は攻略している感があってすごく好き。

biimシステムの迷宮

体験版RTA動画でも紹介されているが、3000Gで買えるチケットを消費して挑めるミニゲームがある。

時間内にエリアの宝箱を探して開けるゲームで、システムの名前通り、画面が例のフォーマットになる。
ボッテキアの解説もその方面の動画リスペクトになっていて楽しく、彼女の遅延行為も鬱陶しいと思いながらも楽しいという、これまた不思議な体験が得られる。

一発ネタにしかならないのでは、という懸念もありつつ、強い要望があったので専用プラグインを書いたが、ここまで面白いものに仕上がっているとは。

武器は3つまで装備可能

武器は1キャラにつき3つまで装備可能。
ただし、武器は選択中の装備以外、主要な効果を受けられない。4
戦闘中、行動選択時に3つの中から自由に武器を持ち替えることができ、魔法を使うターンは魔力の上がる杖、物理攻撃するターンは剣に持ち替えるなどの戦略が取れる。

武器の種類がとにかく多く、その中から3つ装備してそれを持ち替えながら戦えるというのは、戦略の幅が広がってとても良かった。
特に、ブラックウィップ、不思議な針金、ヘホマの杖、時止めの杖、オリハルコン、神経毒注射にはだいぶお世話になった。

やりこみ

サブダンジョン巡り

とにかくダンジョン数が多く、迷子になりやすい筆者は終盤、攻略記事に頼りっぱなしだった。
ここまでガッツリ攻略記事を残してくれた方には、足を向けて寝られない。

女王ハチの巣は各地のハチの巣にいる固定シンボルを撃破しなければならないことに注意。
宝を守っているわけでもないシンボルが桜の世界だかどこかに1体だけいて、見落としやすくなっている。

ブラックダイヤモンド

前作で言う綺麗なメダル。所謂ちいさなメダル。
今回はほとんど取り逃しなく進められたように思う。宝箱サーチを使ってしっかり集めていたからかもしれない。

歯抜けだらけになるとどこを探して良いか迷うのは前作通り。
次回作から、ワールドマップ上で宝箱の数を確認できるようになるので、そこに期待している。

コレクションルームコンプ

各世界に9個ずつ。置き場も整理されて、かなりわかりやすくなった。
どの世界にあるかがわかるので、取り逃したとしても後で探しやすい。

最後2つだけはクリア後限定で、最後の世界にあるわけではないことに注意。

クリア後ダンジョン「アビス」

クリア後に、海底世界にアビスが追加される。
このダンジョンは特殊な仕様になっており、逃走不可で前のフロアにも戻れない。
1層が5フロアずつに分かれており、それぞれの層でスキルやアイテムの使用に制限がついたり、武器と装飾品以外の効果がなくなったりする。
出てくる敵はどれも厄介なものばかりで、回復ポイントとなるセーブちゃんには5層の一番奥まで行かないと会えない。

レベル99で装備をガッチガチに固めても、下手を打ったり運が悪いとあっさりゲームオーバーになってしまう。
特にスキル使用禁止の2層で出る物理対策バッチリなウサギとトラ、お前らは許さんからな。

3層は武器と装飾品以外の効果がなくなるので、状態異常耐性5を装飾品でしっかりつけておかないと死ぬ。
宣告者の全体デスに泣かされたプレイヤーは少なくないだろう。(2敗)

4層はアイテム使用禁止のため、MP回復をアイテムに頼れず、ガス欠前に駆け抜けなければならない。

そして、奥に行けば行くほど暗い。
これがストーリーダンジョンやサブダンジョンでいくつもあったら発狂しているが、裏ダンジョンなのでまあこのくらいの緊張感があっても良いか、という感想になった。
これもまた良いバランスである。

クリア後に、海底の町の民家でPromiseにも繋がる内容の日記を読むことができる。

図鑑コンプ

敵キャラ図鑑とアイテム図鑑の?項目を全て埋める。
アビスには3層以降でないと出現しない敵も存在し、そういう敵のレアドロップ枠を狙おうとするとかなりしんどい。
アイテム図鑑は裏ボスの撃破が必須となることに注意。

以下、ドロップ狙いがややしんどかったり、しんどそうな連中。
出現率の低い相手は本当に出ないので、大盗賊の小手装備推奨。6

五神

朱雀、玄武、麒麟、白虎、青龍の5種類。
最上位の精霊シンボルからしか出現せず、再出現するシンボルが最後の世界の東の鉱山1F B2Fにそれぞれ1体ずつしか存在しない。
幸い、逃走して再抽選が可能なので、目当ての相手が出るまで逃げて再戦闘を繰り返すと良い。

ドラゴンベビー

溶岩ドームのドラゴンや、キノコの森の精霊系で稀に出現。

見習い魔女

ジャングルや地底湖で稀に出現。キノコの森の精霊系でも出現するので、そちらのほうが狙いやすいか。

人参さん

竹林の虫系、物質系で稀に出現。

クロウラー

海の世界の密林のみに低確率で出現。
シンボルの種類は問わないものの、単純に出現率が低い。

身代わり人形

黒扉の世界の地底湖に、獣系以外のシンボルで低確率で出現。

スチームナイト

砂漠の物質系や、王家の墓の悪魔・ゴースト系以外で出現。
王家の墓でゾンビキャットと一緒に狙うのが良いか。

ゾンビキャット

王家の墓のみに出現。悪魔・ゴースト系「以外」でしか出ないことに注意。

墓石さま

大砂漠 南東エリアに出現。シンボルの種類は問わない。

パトロールドッグ、警備ロボット、デス・ビー

海底美術館 深層のみに出現。シンボルの配置数は多いが、暗くて見えにくい。
即死対策を怠らないこと。

腐鳥

黒扉の世界の草原、もしくは雪の森 北西エリア、呪氷の大洞窟の獣シンボルでのみ出現。
出現場所は限られるが、出現率自体は低くない。

やぎぬまさん

雪の森 南エリアまたは大氷海にて、スライム系以外のシンボルで低確率で出現。
呪氷の大洞窟でも出現する。

イエティ、白なまずと一緒に大氷海で狙うと良い。

イエティ、白なまず

大氷海で全てのシンボルから出現。

ペンペン

大雪原 北エリアに出現。

ダイヤタートル

闘技世界のマングローブで出現。

武者アーマー

桜渓谷、火山地帯 北西エリアなどに出現。

武者の怨念

大沼地、雷雲山、大氷海に出現。

蛇竜

氷海の博物館のドラゴン系シンボルでのみ出現。

チタンエンペラー

恐らく最難関。アビスに出現するメタルボディ。
筆者は不思議な針金とメタル殺剣を常用しており、運良くあっさりアイテムをドロップしてくれたので、さほど苦労はしなかった。
蘇生スキル持ちと一緒に出てきた場合には注意が必要。

以下、アビスのみに出現する連中。アビスは逃走不可のため、逃走して再抽選を行うことができないのも辛いポイント。

アビスワーム

アビスのみに出現。浅い層に比較的出やすく、HPも低いためアビス勢の中ではやさしめ。

白竜

アビスのみに出現。浅い層ではほとんど出現しないため、3層以降まで潜る必要がある。

メテオドラゴン

アビス3層以降でないと出現しない。

総評

リメイク前のAgainで凄まじい瞬間火力を突きつけられてから4年。
Promiseを経て、耐性もついただろうと思って挑みかかった本作は、瞬間火力ではなく持続ダメージでじわりじわりと心をえぐる最高の作品になって帰ってきた。

何より嬉しいのは、当時より格段に遊びやすくなっており、多くのRPG好きにオススメできるようになったという点だ。
みんな、PromiseとAgain両方やって、情緒をめちゃくちゃにされてほしい。

……椿、どうして。

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  1. むしろ時系列としては本作を経てあのドライというかそっけない感じになったのかもしれない。
  2. このほうがえぐりパワーが強くなるよねというのは理屈としてとてもよくわかるが、それはそれとして辛い。
  3. 筆者はマップで迷子になりやすく結果的にレベルが上がり、パワーでゴリ押ししてしまう展開が多かったものの、それでもちょっと油断すると殺される。
  4. 割合で上昇するステータスやスキル追加などは選択していなくても効果がある。
  5. 特に即死。
  6. 仕様上、アイテムドロップ2倍は重複しないのでひとつだけで良い。
  7. 2023-03-23。