【ゲーム感想】塊魂アンコール
目次
前置き
筆者はシリーズ初プレイ。
グラフィックス
本作はPS2時代のゲームのリマスターだけあって、映像美を売りにしているわけではない。
カクカクのポリゴンはむしろPS時代をすら思い出させる。
右下にアップで表示される王子がなかなか可愛い。
サウンド
BGMはこのシリーズの大きな特色の一つ。
まず、起動直後からして突然のボイスパーカッションが自己主張を始める。
オープニングは、塊をキメたゴキゲンな 塊オンザロック
。
最初にこの曲を聞いた時には戸惑いしかなかったのだが、様々な塊を転がして最終ステージで再びこの曲が流れた時、なんとも言えない喜びを感じるようになっていた。これが塊症候群だろうか。
他の曲もとにかく耳に残る曲ばかり。
ラップ調の 月と王子
、ポップで可愛い LONELY ROLLING STAR
、小林幸子が歌ってそうな katamari manbo~塊シンドロームmix
等。
さくらいろの季節
は牛を思い出して複雑な気持ちになる。
エンディングテーマは松崎しげるの歌う 愛のカタマリー
。
しっとりしたバラードで、いい声でいい歌詞だが、語りパートがあまりにも松崎しげる。
最近の筆者、輝くために必要なもの1を何一つ持っていないかもしれない。最初三つくらいはなんとかしたいものではあるが。
シナリオ/キャラクター
大コスモの王様が酔っぱらい運転で星空を破壊する大事故を起こし、方々から怒られたので、その尻拭いのために王子が塊を作って星空を復活させるという話。
何を言っているかわからないかもしれないが、これはそういう話として納得する他ない。割と神話的である。
大コスモの王様のクズっぷりや、地上で巻き込んだものを空にあげて星座にするなど、ギリシャ神話をモチーフにしているのではないかと思われる部分がちらほら。
ステージの初回クリア時には、ストーリーの裏側での、地球のある家族の寸劇が描かれる。
色々とツッコミどころ満載ではあるのだが、このシナリオを見る際、決して「ナゼ」と問うてはならない。
塊魂とはそういう神話なのだから。2
システム
走った 回った そこらじゅう駆け巡ってみた
基本的なシステムは単純。王子を操作して塊を転がし、ひたすら色んなものをゲットしていく。
モノを巻き込むたびに塊のサイズは大きく成長していき、更にいろいろなモノを巻き込めるようになっていく。
そうして塊を大きくし、ステージのクリア条件3を満たすのがこのゲームの目的である。
ゴールは果てしなく遠かった 進むことをやめなかった
本作、操作方法がかなり独特である。
操作設定にある いつもの操作
では、左右のスティックを同時に倒したり交互に倒したりして塊を操作することになる。
筆者はあまりにも慣れない操作であったため、すぐに 簡単操作
に切り替えてしまった。
簡単操作なら、基本移動が左スティック、カメラ回転が右スティックと、かなりわかりやすくなる。4
特に王子ダッシュ。いつもの操作でも簡単操作でも真っ直ぐに走るのが難しい。
これを駆使しなければ巻き込めないモノもあり、プレゼントやモノコンプリートのためには練習の必要がある。
そして、操作が独特で塊の制御が難しいためか、筆者は長時間プレイし続けると酔ってしまった。5
いつまでも転がし続けた
1ステージのプレイ時間は大体10分前後。長いステージでは20分ほどになる。
転がして巻き込んでいるうちについつい時間を忘れ、次のステージ、次のステージとプレイが止まらない中毒性がある。
そして、特定のステージで条件を満たしてクリアすると、時間無制限でそのステージを転がし続けられるエターナルモードがプレイできるようになる。
転がして巻き込んで大きくして、を心ゆくまで楽しめる。
避けてみた 逃げてみた
何も考えずにひたすら巻き込んで大きくしていけば良いのかというと、そうとも限らない局面が存在する。
すでにプレイした諸兄であればおわかりかもしれないが、オオグマ座とオウシ座がその典型だ。
ある事情から、そういったステージでは特定のモノを巻き込まないようにかなり慎重に動く必要がある。
ひたすら巻き込んで大きくするステージは楽しいのだが、特定のモノを避けながら大きくしていくのは中々にストレスフルであった。
一度でも巻き込んでしまうとその時点でゲームオーバー。すなわちオワタ式なのである。
やりこみ
トロコン
ストーリーを一通りクリアすることで、ほとんどのトロフィーを獲得できる。
ただし、他に残る2つが難敵。
プレゼントハンター
あちこちのステージに散らばった、王様プレゼントを全て手に入れる。
手に入れるとは、巻き込んだ状態でステージをクリアする、ということ。
オウシ座、オオグマ座のプレゼントは中々に難敵であった。
キングオブカタマリダマシイ
本作で巻き込むことのできる全てのモノ6を、それぞれ一度でも巻き込んでステージをクリアする。
筆者は、一通りプレゼントまで巻き込んだ状態から、素敵コレクション図鑑と攻略wikiを見て7足りないものをリストアップし、一つずつ巻き込んでいった。
ダイヤ
あるステージでランダム出現のため、リタイアマラソンがちょっと面倒だった。
イカリ像
オオグマ座で3m56cm3mmまでサイズを大きくしなければならず、途中で看板やらこぐま像やらに妨害され続けてひたすらしんどかった。
これのためにオオグマ座のステージ構造をほぼ覚えたため、この後に挑戦したキンタロウグマはそこまで苦労しなかった。8
4ダンメ
無印ではROM次第で入手不可であったらしい代物。アンコールでは配置場所が変わっており、見つけることさえできれば特に苦労せずに巻き込める。
オウシ様
キンタロウグマと並び、本作の最難関。
オウシ座で巻き込める巨大な牛。
7m8cm8mm必要で、つまり、他の牛を全く巻き込むことなくそのサイズまで塊を育てる必要がある。
なお、モーモーパラソルやウシマン、牛を盗むな看板、牛乳、牛乳自販機、モーモーコーンすら牛の対象9となる。牛判定が雑すぎる。
以下の流れでオウシ様をゲット巻き込める。
- シオマチから出ることなく、道路上のモノや並んでいる人などを巻き込んで6m50cm近くまで育てる
- ヒヤケビーチに降りてヤシで7m8cm8mm以上にする
- スーパーマーケット方面へ登って、カモメパークへ降りる
- ウシマンに十分気をつけながらオウシ様ゲット
キンタロウグマと違い、逃げ足が早くないので、サイズさえ足りればあとは気をつけるだけではある。
ニダイ
特に難しいモノではないが、筆者はこれを最後に獲得した。
星をつくる9で、サーカスの周りを走っている汽車が引き連れている。
全ステージ最高評価
各ステージごとに、クリア目標とは別に最高評価目標が設定されている。
星をつくる4,8及び月をつくるステージは、これを達成するとエターナルモードがプレイ可能になる。
星座をつくるステージは100%にするのは修羅の道だろう。凝り性な人は挑戦しても良いかもしれないが、筆者はオウシ様でお腹いっぱいになってしまった。
総評
ゴキゲンなBGMに乗って塊を転がし、ひたすら大きくしていくのが気持ち良いゲーム。
特に、人が巻き込めるようになる、車が巻き込めるようになる、木々が巻き込めるようになる、建造物が巻き込めるようになる等、塊のブレイクスルーとも呼ぶべきラインを超えると途端に面白さが増す。
街の建物をガリガリと巻き込んでいくのは快感そのものだ。この街を清潔にいたしましょう。
一方で、オオグマ座、オウシ座ステージは正直なところもうやりたくない。
一度最高評価でクリアするだけでもしんどい。これがシリーズの伝統となっているようなら、次のリマスターがもし出ても見送るレベルで辛い。
エターナルモードで頭の中空っぽにしながらゴロゴロするのは気持ちが良い。酔いさえなければいつまでだって転がしていられる。
操作性や一部ステージのストレスに難はあるが、基本的に気持ちの良い中毒性抜群のゲームだった。
- それは自然を愛する心、バランスの取れた食生活、十分な睡眠時間、日に焼けた肌。
- 道端にマグロが転がっていたり、車が突き刺さっていたり、ガソリンスタンドで懸垂してる奴がいてもナゼと問うてはならない。塊魂とはそういう神話なのだ。
- 塊のサイズ一定以上にする、特定のカテゴリのモノを一定数以上巻き込む等。
- それにしたって独特ではあるが。
- それでもやめらんないのが、塊魂。
- 1438種類。
- 何が巻き込めていないかは素敵コレクションを見るだけではわからず、ぱっと見で巻き込めるモノの判別がつきにくいので攻略サイトなしでの攻略は地獄であろう。
- ちょうどいいタイミングでキンタロウグマが飛び込んでくる幸運もあったが。
- つまり、巻き込むと強制的にステージクリア。