【ゲーム感想】Ghost of Tsushima
目次
前置き
筆者、オープンワールドゲームにはそれなりに苦手意識があり、基本的に避けていた。
ウィッチャー3も、筆者の求める気持ちよさが全く得られず、挫折してしまった程である。
本記事にはGhost of Tsushima本編及び冥人奇譚のストーリーに関わるネタバレが含まれる。
未履修の方はご注意を。
グラフィックス
本編は、実写の時代劇を見ている気分。
広大なフィールドを東へ西へ、馬で駆け抜けたり崖を登ったり、蒙古を蹴散らしたり。
陽の光に照らされる四季折々の風景1が美しく、筆者も思わず何度かスクリーンショットを取ってtwitterに投稿した。
人物のモデリングも実写ドラマを見ているようで、表情の機微から彼らの人間らしくリアルな心の動きが伝わってくる。
境井正の葬儀に訪れた伯父上の表情や、泉の港で伯父上が馳せ参じてくださった時の仁の表情が印象深い。
サウンド
BGMはあまり強く印象に残らず、あくまでBGMに徹してくれている。
馬の最期やエンディングで用いられる主題歌にインパクトがあったくらいだろう。
SEもかなり優秀だったように思う。
馬の蹄が地面や木の板を叩く音、刃の音、槍に弾かれた時の音さえも気持ちよく、受け流しの極意やよろめき成立時も主張しすぎない音でありながらプレイヤーの快感を刺激する良い効果音が鳴る。
各キャラクターに魂を吹き込む声も、誰もがハマり役で物語に没入できる。
シナリオ/キャラクター
1274年の文永の役にて元の軍勢が襲来した際の戦いをモデルにしたシナリオ。
史実とされる元寇に脚色を加えて、物語として非常に面白い仕上がりになっており、メインシナリオもサブシナリオも思わず見入ってしまう。
対馬の亡霊とはいったい何者であったのかについて、様々な解釈ができるところも非常に面白い。
境井 仁
本作の主人公。武士の家、境井家の跡取りで、父亡きあとは伯父の志村に師事していた。
志村と共に小茂田の浜で蒙古軍に立ち向かうも、敗北。
他の武士がことごとく討ち死にした中、志村を除いて唯一生存するところから物語が始まる。
もともと、心優しい性格であったようで、武士の在り方の認識についてシナリオ序盤から志村と決定的に異なる部分があったであろうことが見て取れる。2
その志故に、志村のやり方では蒙古を倒せないと悟り、旧来の誉れを重んじる志村と決別することになる。
CV中井和哉。ご存知ロロノア・ゾロや、FF10のワッカの声の人。
究極の選択 伯父上との別れ
有名なセリフ「誉れは浜で死にました」は、誉れを重んずる武士であった境井仁は小茂田の浜で討ち死にし、もはや冥府から蘇った亡霊3であるという意味でありながら、誉れに執着しすぎて命を軽んじる結果を招いてしまう伯父上のやり方に強く異を唱えるものだ。
本作は父から独り立ちする子の物語でもある。
志村は仁を正式に跡取りにしたいと考えていたが、小茂田の敗北を経て、仁は父に従うだけの子ではなくなり、自らの道を歩み始めた。
本編のラストシーン、伯父上との最後の別れのシーンの描写が、本作のこのテーマを表す上で非常に美しい。
伯父上に逆らい、民を扇動し、卑劣な手段で敵を討った仁に対し、鎌倉は謀反人の烙印を押す。
将軍の御家人である伯父上は、仁を斬らねばならない。
辞世の句を詠んだ仁だが、その脳裏に幼い日の追憶が過る。
父を亡くし、悲しみに暮れる幼い仁に対し、「鍛えてやる。境井家でも古今無類の武者へとな」と肩に手を置いてくれた伯父上。
その上で、「どうする」と問われたところで回想が終わり、長い年月と大きな戦を経て成長した仁が、「やります」と答えるのだ。
伯父上は仁を謀反人として斬らねばならず4、仁は伯父上にその咎を負わせたくない。5
互いを想うが故に、互いに斬り結ぶことになってしまうこの切なさと、そして決着の末に仁の出した究極の選択の結論をプレイヤーに委ねるという大胆な構成こそ、本作シナリオの最も大きな魅力であろう。
筆者は、一周目では伯父上を斬れなかった。
誉れよりも命を重んじる境井仁の選択として、伯父上の望みを叶えるようなことはできないと思っていたし、今もそうであってほしいと思っている。
ところが、二周目で意を決して逆の選択をしたところで、これはこれで物語として美しいということを理解してしまった。
伯父上の意に背き、その名誉を汚した仁にとって、伯父上の望みを叶える選択は最後に残された親孝行の手段だったのである。
伯父上自身は誉れある最期を遂げたいと言ったが、その意味は仁にとって、「どうする」と選択を委ねられることであった。
伯父上の名誉を守り、最後に一度だけの親孝行を果たすか、名誉をなくしたとしても生きていてほしいという子としてのわがままを貫くか。
どちらにしても美しく、そしてどちらにしても正しく切ない選択になってしまうところがずるい。
志村
仁の伯父。父を亡くして身寄りのなくなった仁を城に招き、育ててくれた。
仁にとっては育ての親であり、共に過ごした時間からすれば父も同然の人物。
誉れを重んじ、武士とは勇猛で誇り高くあらねばならないと考えている。
その考えに固執するあまり、蒙古との戦いで多くの犠牲を出し、それが仁の離反を招いてしまう。
コトゥン・ハーンにさえ「誉れでも食って飢えを凌ぐがいい」と言われてしまう、全身が誉れで出来た突撃タイプ。
正々堂々と、強い力で真っ向から夷狄を打ち払い、民の安全のみならず安心までも守るべきと考えている6のだが、蒙古には通用しなかった。
CV大塚明夫。MGSシリーズのスネーク、アトリエアーランドシリーズのジオおじさま、ToSのリーガル、Fate/Zeroのライダーの人。
武士であり、父
曲がったことを許しておけぬ厳格な男ではあるのだが、厳格になりきれない場面もあった。
仁が志村城を取り戻す折、蒙古の酒に毒を呑ませて壊滅させた地獄を目の当たりにした時、その罪をゆなにかぶせて自分のもとに戻れと仁に言い聞かせるシーンだ。
間違ったことを言っていると自覚しているのか、苦虫を噛み潰したような表情で、半ばすがるように。
石川先生が巴を跡取りにしたいあまり、巴の闇を見過ごしてしまったのと同じで、仁を後継にしたい気持ち、父として子が邪悪な道へ進むのをなんとか止めたいという、いわば子離れできない親の心が見て取れる。
誉れは間違っていたのか?
志村について、城や力、誉れにこだわるあまり、本質を見抜けない人間であると、弟の正7が評していたらしいことが百合から語られる。
何より民を守ろうとする仁の方針とは食い違ってしまい、仁を主人公とする本作では、誉れにこだわる志村が旧態依然とした悪であると受け取られかねない展開ではあった。
しかし注意深く観察すると、志村が間違っていると主張するのは武士ではない民の代表であるゆなや、境井家に仕える百合の語りくらいのもの。
特に最終盤では仁が、毒について浅はかであったと振り返る会話もある。
こうして見ると、仁と志村の方針の違いは、トロッコ問題のジレンマ8のようである。9
どちらを支持するかと言われれば民の命を守る仁のほうであろうが、どちらの選択も間違いとは言い切れない。
百合
仁の乳母。幼少の頃に母を亡くしている仁の面倒をよく見てくれていた。
もはや老婆と呼ばなければならないほどの御年で、身体にはもうガタが来ている様子。
彼女のサブイベント、在りし日のシリーズは、これもまた切ない話になっている。
最後は彼女に何が起きているのか全て理解した上で受け答えする仁の優しさよ……。
CV田畑ゆり。
ゆな
小茂田で倒れていた仁を救った野盗。
弟のたかと無事に本土へ逃れるため、仁を利用すべく助けたのが最初の出会い。
仁の民を思う気持ちと強さに触れ、次第に信頼し合える相棒とも言うべき存在になっていく。
CV水野ゆふ。
たか
ゆなの弟。鍛冶師としての腕は一級で、彼の作ってくれた鉤縄が仁の行く先々で大活躍する。
男としての度胸は今ひとつ足りないというのが最初の印象だが、姉と仁の活躍に感化され……。
CV山口勝平。工藤新一、ウソップ、遊戯王GXの大徳寺先生の人。
堅二
ゆなとたかの古い馴染みで、調子のいい酒売り。
中途半端な悪巧みをしては窮地に陥り、仁に助けを求めてくる、のびた君タイプ。
割と洒落にならない状況ではあるのだが、最終的になんとかなってしまう。
暗い話や重い話だらけの対馬において、悔しいことにこいつが癒やし枠である。
何度もはっ倒してやろうかと思ったものだが、最後の「名誉なくして堅二なし」を聞いた途端、感情が七周半回って笑うしかなかった。
CV佐藤せつじ。
安達 政子
対馬のバーサーカーと名高い政子殿。安達家に嫁入りした女性で、女武者。
百合曰く、幼い頃から男児に混じって稽古をしていたという。
夫が蒙古に生きたまま丸焼きにされ10、息子らも小茂田の戦で戦死。さらには残された一族も何者かに襲撃されて全滅するなど、作中随一のヘヴィな境遇の持ち主。
怪しい者がいれば全員処するとばかりに食って掛かる狂犬のような振る舞いが注目されがちだが、彼女の境遇を思えば復讐鬼と化してしまうのもやむなしと納得できよう。
サブイベの途中、舞との関係には百合を感じた。
CV安藤麻吹。
彼女がバーサーカーと呼ばれる所以となったのは戦闘時やイベントシーンのCVの名演技によるところも大きい。
敵陣を見るや、怒号を上げながら突撃していく様は仁もちょっと引くレベル。
石川先生
偏屈弓取じいさん。
かつては長尾家の弓の指南役であったが、ある事情により暇をもらい、隠遁生活の身に。
巴なる女性を跡取りにしようと指導していたが、巴に離反され小茂田の戦に赴けなかった。
弓の腕は確かで、志村からも先生と呼ばれている。
対馬の年長者としては落ち着いた振る舞いをするほうだが、尊大な態度と話題のそらし方が露骨で、プレイヤーには老害としてのイメージを持たれがち。
救いがなかったり暗い終わり方をするサブイベントが多い中、彼のサブイベントは平和な終わり方をする。
twitterでは石川ストックなる技が有名になってしまったが、通常のプレイでは使うことのないテクニックである。
CV千葉繁。バギー、DFFのケフカの人。
典雄
僧兵。小茂田の戦に馳せ参じようとしたが、金田城で捕らえられ、土牢に押し込められていた。
兄や仲間が牢から連れ出され殺されるという地獄を見て尚、「仇討ちではなく平和のために戦います」と言い切る、僧兵の鑑であったが……。
一癖も二癖もある対馬の面々の中では比較的常識人寄り。
恰幅がよく、人柄からも親しみやすい印象を受ける。
そんな優しかった典雄が、兄の仇の前では凄まじい怒号を放つ復讐鬼と化す。
復讐の悦びを自覚し、後戻りのできない領域まで踏み入れてしまったと後悔するだけの理性が残っているところが悲しい。
CVかぬか光明。
竜三
仁の旧友。百姓の出だが、長尾家で行われた刀比べで仁に負け、武士になる道を諦める。
その後は菅笠衆に身をやつし、牢人として過ごしていた。
小茂田の戦の後、菅笠衆の長として牢人たちをまとめていた。
仁と出会い、一時は協力関係になるものの、育ちの良い仁との意識の差は埋まらなかった。
彼のイベントに関しては、仁はとんでもなく気が利かず、無神経に竜三を傷つけてしまう。
結果として、その心の隙をコトゥン・ハーンに突かれ、彼を頭とする菅笠衆は蒙古側へ寝返ってしまう。
幼少の頃から仁と共に遊んだエピソードもあり、しかしその二人は立場や考え方の違いから対立することになってしまう。
こういった意味では、竜三と仁の関係は、仁と志村の関係と対比的である。
CV多田野曜平。
コトゥン・ハーン
蒙古軍の長。恐ろしく切れ者であるらしいことが、各地に散らばる文と書状、ハーンとの対話シリーズに綴られている。
日本語を学び、侍を研究し、本土を支配下に置くためにやってきたフビライ・ハーンの尖兵。
竜三に人質を燃やさせる、安達殿を生きたまま燃やすなど、敵対する相手に対しては情け容赦がなく残忍。
倒すべき敵としての邪悪さをしっかり描写してくれており、最初に戦って以降、最後まで戦うことはないが、それだけにその首を落とした時のカタルシスも大きい。本作の名悪役と言えよう。
CV磯部勉。
システム
ストレスをひたすら排除した最も親切なオープンワールド
本作は、プレイ中にかかるプレイヤーへのストレスをこれでもかというほど排除し、気持ちよくプレイさせてくれる。
操作は明快でわかりやすく、アイテムを拾う動作も馬に乗りながらできるので、アイテムを見つけたからと言って、そこで広いマップをひたすら駆け回る爽快感を失わないのも良い。
チェックポイントがかなり細かく刻まれており、ゲームオーバーになっても直前のチェックポイントから再開できる。
ことリトライ性においては、本作の右に出るものはないだろう。
ゲームオーバーになったからと言って、プレイヤーの所持するゲーム内リソースが奪われるようなペナルティもない。
だからと言って難易度が低くなりすぎるかというとそうでもなく、しっかりと堅実にプレイすることが求められるシーンもある。
ソウルシリーズなどの高難易度ゲーに比べればぬるいかもしれないが、本作本編の難易度がターゲットにするのはそういったヘヴィ層ではない。
とにかく、対馬の美しい風景や切なくも熱い人間模様を楽しむために、ゲームの本質外でかかるストレスを徹底的に排除している。
アクションゲームが得意でないプレイヤーでもしっかり最後まで楽しめる、絶妙な良いバランスになっている。
快感! 受け流しの機先
本作には、敵の攻撃を弾いて切り返すカウンター技、受け流しの機先がある。
タイミングよく敵の攻撃を防御するとそのまま反撃に繋げられる。
弾いた際に気持ちのいいSEと共にスローモーションになり、その間に攻撃入力すれば反撃成立だ。
弾くためのタイミングはかなりやさしめで、リアルタイム性の強いゲームが苦手な筆者でも積極的に狙っていけるほど。
大勢の敵に囲まれながらも、連続で受け流しの機先が決まると脳汁があふれる。
受け流し不可の攻撃もあるが、その場合でもジャスト回避からの反撃、後の先の極意がある。
こちらは受け流しの機先ほど簡単ではないものの、これも決まると気持ちが良い。
誘い風で攻略サイトいらず
昨今、ゲームの攻略サイトと言えば、発売直後からPVを稼ぐことしか考えていない粗悪な企業wiki11ばかりでうんざりしているプレイヤーも多いことだろう。
本作はコンプリート要素についても、お辞儀トロフィーを除いて攻略サイトが不要なつくりになっている。
仁の父が風となって導いてくれる、誘い風システムのおかげだ。
コントローラのタッチパッドを上にスワイプすることで、目的地の方向に風が吹いて導いてくれる。
目的地はマップ上の任意の地点であったり、コンプリート要素についてはその在処を目的地設定してくれる機能もある。
メインシナリオはじっくり楽しんで、その後のフリーモードでコンプリート要素を集めるために対馬を駆け巡る、といったプレイも、システムレベルでしっかりサポートしてくれるのだ。
時期限定の要素で取り逃しがないか心配しながらプレイする必要が一切ない12というのも、本作の良いところである。
冥人奇譚は別ゲー
発売の後日に実装されたマルチプレイモード冥人奇譚は、本編とは別ゲーと考えたほうが良い。
境井仁の物語ではなく、行善が記した知られざる別の伝承を元にした、ガッツリマルチプレイで遊びたい人向けの別のゲームモードだ。
操作方法ですら、基本こそ同じものの本編と違う部分が多く、装備やリソースも全くの別枠。
言ってしまえば、本編をプレイしなくても冥人奇譚だけプレイすることもできるし、こちらのモードをプレイしたとしても本編で何か得をするということはないので、本編だけに集中して遊ぶこともできる。
マルチプレイが前提となっており、ソロプレイヤーには辛い仕様になっている。
最終難易度大禍は、マルチプレイでなければクリアが不可能な仕様となっている。
ほぼボイスチャット必須と言っても良い連携が求められる難易度であることもあり、本編をクリアできたからと言って油断できるようなものでは到底無い。
筆者は幸い、友人が4人対馬で遊んでいた13ので、大禍の最後までクリアすることができた。
難易度周りの詳細はやりこみの項目で語ることとしよう。
4つの役目14について格15や装備、技があり、プレイヤーは格をあげて技を覚えたり、ステージクリア時に得られる装備を更新していったりして強くなっていく。
最大2人プレイの奇譚、最大4人プレイの九死モードがあり、それぞれ遊びごたえのある内容になっている。
奇譚はともかく、九死モードは1プレイにかかる時間がかなり長い16ため、まとまった時間が取れる際に遊ぶことを推奨する。
4人必須の最終ステージ大禍をクリアするのが当面の目標になるだろう。
尚、百鬼や大禍にはクリアスコアを競うオンラインランキングモードがあり、修羅勢がしのぎを削っているようだ。
役目:侍
近接戦闘に特化した役目。
奥義の瞬間火力が強力で、HP吸収技もあり、とりあえずこれを選んでおけば戦える。
役目:弓取
弓に特化した役目。
弓しか使えないわけではなく、普通に太刀を使っての近接戦闘もできる。17
奥義、神品長弓、炎上ビルドからの火の矢で、殲滅力は全役目中トップ。
弓の扱いに慣れていないと厳しい。
役目:刺客
隠密行動に特化した役目。
闇討ちの速さや威力を補助する技があり、安全かつ迅速に敵を処理していける。
奥義に闇討ち威力増加が乗らないため、乱戦を強いられやすい終盤はやや苦しい。
それでも闇討ち威力ビルドにしていけば、サクサクと難敵を葬れるので楽しい。
役目:牢人
まさかのヒーラー。
腰袋装備で放心玉、てつはうを投げられるところは強い。
奥義が攻撃技でなく、味方全体を蘇生する18ものなので、乱戦に巻き込まれると一番つらいタイプ。
気力回復特化で味方を回復したり蘇生できるようにしておくと重宝される他、技でよろめきダメージを上げられるので、対壱与一騎打ちでは最適解。
やりこみ
本編トロコン
本編のシナリオクリア、各地のコンプリート要素集め、そしてお辞儀の3種類程度。
高所落下などのおもしろプレイトロフィーもあるが、それも含めて特に苦労せずに終わるだろう。
お辞儀トロフィー「目に見えぬ誉れ」はシステム上のサポートがなく、自力で探そうとすると苦労するが、それくらいのものである。
冥人奇譚トロコン
本編とは別枠の追加トロフィー。各役目の格を20にしたり、奇譚や九死をクリアしたり、大禍をクリアすることでトロフィーを獲得できる。
とにかく、大禍がぶっちぎりで難しい。
序幕、第二幕、終幕の3ステージ構成だが、6ステージくらいに分割しても良かったのではないかと思うほど、序幕と第二幕が長い。
4人で協力しながら進む形式のゲームで、それぞれのステージにギミックが五つ六つあり、その全てがノーヒント。
つまり、何も知らずに挑むと、ギミックの解読のために時間がかかり、解読できたとしてもそれをこなすためにプレイヤースキルや高度な連携が要求されるため、クリアするのも一筋縄ではいかない。
参考までに、筆者が友人たちとギミックを知った上で、二度目のクリアをするためにかかった時間は序幕が45分。第二幕が1時間51分である。
筆者以外の4人が第二幕初見プレイで遊んでいるところを眺めていたが、クリアまで3時間半かけていた。
第二幕さえ超えてしまえば、終幕は5~10分程度で片がつくため、周回して良い装備や誉れをガンガン稼げるのだが……。
難易度もギミック数も、終幕は序幕や第二幕に比べれば可愛いもので、何より一度のトライにかかる時間が短いのでリトライや中断を渋る必要が全くないのも良い。
冥人奇譚衣装コンプ
冥人奇譚にはトロフィーとは別に、役目ごとに特定の目標を達成すると衣装が獲得できる仕組みがある。
これをコンプリートするのは大禍クリアが前提となり、大禍クリアしたとしても全て獲得できるわけではない。
特に週替りの褒美や、鬼の宝を獲得した上でクリア、行善の呪いに耐えながらクリアなどはなかなか面倒。
筆者もまだコンプリートできていない。友人の1人がこれをコンプリートしたがっているので、誘われれば付き合うつもりではいる。
二周目
本編二周目、いわゆる強くてニューゲームモードは本作にも搭載されている。
敵も相応に強くなるが、仁の装備も一周目の上限を超えて強化できるようになっている。
物資などのリソースは持ち越せないが、獲得したり強化した装備は持ち越せるため、一周目でしっかり集めきってから二周目に行きたいところ。
二周目のトロフィーは、二周目専用ショップでの取引を1回行うことと、メインシナリオのクリアだけなので、寄り道しなければあっという間に終わるだろう。
難易度も、冥人奇譚とは比べるべくもなくやさしい。
総評
シナリオよし、システムよしで、本編についてはプレイヤーとしてほとんど満点と言っても過言ではない名作だった。
冥人奇譚も、九死の1プレイにかかるカロリーや大禍のステージボリュームの異常さ以外は文句の付け所がなく楽しめた。
トロコンまでは冥人奇譚、二周目まで含めても2ヶ月。一周目の本編をかなりじっくり楽しんだので、ヴェスペリアと同じくらいの時間がかかった。
これだけの時間をかけてプレイしたにも関わらず、終盤の作業感がほとんどなく、最後まで満足のいく楽しみ方ができたと思う。
- 本編シナリオは11月頃とのことで、時期的には秋か冬なのだが、画面映えを優先したのか、美しい緑や咲き誇る花の景色も見ることができる。
- 二周目に入って、シナリオ終盤を知った状態で序盤の会話シーンを見るとよくわかる。
- 作中では亡霊ではなく、冥人の日本語が当てられている。
- 斬れなければ、この先罪人として追われる苦しい生活においやってしまう。
- 残された者の痛みを知る仁だからこそ、その痛みを伯父上に背負わせたくない。
- 安心を犠牲にしてでもまずは安全を確保すべし、とする仁と対立してしまう。
- 境井正。仁の父。
- 毒を用いて目前の敵を倒して救える命と、毒を奪われて犠牲になる命。どちらを助けるべきか?
- 別ゲーの話になるが、巨神と誓女における炎の騎士も同様のジレンマを抱えている。
- その場に彼女自身はおらず、夫の死については仁から「武士らしい、見事なお働きでしたが、討ち死にを」と遠回しに伝えられている。
- 発売直後の情報がない状態でもSEO対策だけは完璧で検索を邪魔する上、しばらく時間が経ってブームが過ぎればPVは稼げなくなるので、まともな情報が揃わない状態のまま放置され、検索にだけ引っかかる邪悪なウェブサイトが量産される。
- 厳密には、サブイベント達成状況でメインシナリオのセリフが微妙に変わるが、大筋が変わるわけではないのでフレーバー程度に抑えられている。
- うち3人には布教する形であった。ちょうど旧正月セールで割引していたのも追い風だった。
- 他ゲーでジョブとかクラスとか呼ばれるもの。
- レベル。
- 特に難易度白銀や黄金になってくると、1回クリアするまでに1時間取られる。
- 侍なども装備していれば弓を扱える。弓の扱いに最も適正があるのが弓取というだけ。
- 更に、技の補助で味方全体にリジェネをかけるか、味方の周囲にいる敵に炎上を付与する。