【ゲーム感想】地球防衛軍4.1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR
目次
前置き
筆者は地球防衛軍シリーズ初プレイであり、過去作の内容には特に触れない。
グラフィックス
PS4としてはややチープ気味に抑えられているものの、あまりリアルになると虫がより気持ち悪くなるので、このくらいのデフォルメ加減がちょうどいいと感じた。
キャラクターも特別綺麗でも汚くもなく、グラフィック面では特筆すべき点がないように思える。
ただし、リメイク前の4を経験したプレイヤーからすると劇的に綺麗になったという評判が多いようだ。
サウンド
かなり凝っている。オケ調で戦場の雰囲気を盛り上げるBGMはもちろんのこと、SEが素晴らしい。
兵器ごとに発射時のSEが違い、どれもまさに打てば響く良い音を出してくれる。
長くプレイしているプレイヤーであれば、音を聞いただけでどの兵器かわかってしまうくらいには耳に心地よく、それを利用した音MADすら作られている。
ライサンダー系列やバゼラートの機関砲が特に好き。
シナリオ/キャラクター
ミッションの説明文とミッション中の通信でのみ語られるが、大筋はちゃんとわかるし面白い。
そして何より、ミッション中の通信や会話がとっても楽しい。
「7年ぶりの巨大生物だ。今や絶滅危惧種だぞ」「危惧は無用だ。絶滅させろッ!」から始まり、「空爆バンザイだ!」「赤いやつは強いに決まってる!」「伝説の勇者になった気分か?」など、ツッコミどころだらけで最高に楽しい。
ミッション内容によっては、とてつもない没入感を生み出す演出がされているものもある。
特にブルートフォース作戦では大勢の味方と敵軍がだだっ広い平原で真正面からぶつかり合うという、熾烈な戦場の只中に兵士の一人として参加できるため、自分が戦場にいる感覚が味わえる。
そんな一兵士に過ぎないプレイヤーが一人になっても戦い続け、皆に希望を与えて最後にはフォーリナーに打ち勝つというラストミッション、星喰らいの展開も最高に熱い。
「ヤツは不死身なのか」が味方からプレイヤーに対して放たれたセリフであるというのも心躍る展開で、続々とネームド部隊が助けに来てくれるところも良い。
システム
巨大生物を殲滅しろ
兵科と武器を選択し、ミッションを選択して出撃する。
ミッションはオフラインで全89、オンラインでは9個専用ミッションが追加され、98ミッションとなっている。
ミッション次第ではムービーが挟まったりすることもあるが、基本的には出撃してクリア条件を満たすことを繰り返すだけのシンプルなゲーム性。
大群が来たぞ!
PS4のスペックに物を言わせ、フォーリナーは大量の敵を送り込んでくる。
画面右上のレーダーを敵を表す赤い丸が覆い尽くしてうようよと蠢き、プレイヤーや味方の表示を埋め尽くしてしまう。
低難易度ではその大群を銃火器で蹴散らして爽快に楽しむことができ、高難易度ではその大群をいかにしてさばくか、頭を使う戦いを求められる。
どちらもうまくいったときの気持ちよさはたまらないものがあり、どちらを求めるプレイヤーにも嬉しいし、両方楽しめるプレイヤーには更に嬉しい。
EDFの装備は7年で強化された
武器は各兵科ごとに別々のものを使用する。
戦場で敵を倒すとアイテムを落とすことがあり、赤い箱でアーマー(いわゆるHP)を上昇させることができ、緑の箱でその兵科の武器が1種手に入る。
アーマーは実質無限に上げることが可能で、これを上げれば上げるほど敵の攻撃に耐えられるようになり、アクションの腕がなくてもクリアしやすくなっていく。
筆者はアクションゲームがとても苦手なので、難易度INFERNO攻略を進めるにあたってはアーマーを上げることを厭わなくなった。
(最終的にレンジャー 17000、ウイングダイバー 15000、エアレイダー 10000、フェンサー 20000程度まで上げた)
武器はアーマーよりもドロップ率が低く(アーマーの1/4程度)、各兵科ごとに武器は160~200種程度あるため、全種類コンプするためにはミッションを周回する必要がある。
ミッションと難易度ごとに手に入る武器のレベルが定められており、後半のミッションまたは高難易度であるほど高いレベルの武器を入手できる。
簡単なミッションで良い武器を入手してから難しいミッションに挑む、というのが効率よく攻略していくためのセオリーではある。
無論、上級者はそんな生ぬるいプレイスタイルには飽き足らないようで、ニコニコ動画などに投稿されている縛りプレイ いきなりINFERNO
では、それを禁止していきなり難易度INFERNOのミッションを次々に攻略していく。
IFERNOである以上攻略中に良い武器は出やすいのだが、何が出るかはランダムであるため引いた武器を使って攻略していくというパズル感が楽しまれているようだ。
筆者はアクションゲームがとても苦手なので、問答無用で良い武器を手に入れてから高難易度に挑んだ。
4兵科の特徴を活かして戦おう
プレイヤーはレンジャー、ウイングダイバー、エアレイダー、フェンサーの4兵科から1つを選択して使用する。
筆者はすべての兵科を使用したが、挙動や装備の特性がまるで異なるため、好みの兵科を1~2つ選んで使うプレイヤーも少なくないようだ。
レンジャー
初心者向けの一般歩兵。アサルトライフル、ショットガン、スナイパーライフル、ロケットランチャーなどのスタンダードな銃火器を持って戦う歩兵。
一番モブっぽく、ブルートフォース作戦での没入感が大きかったのはこの兵科だった。
操作が最も素直で、遠距離に対する狙撃が得意であるため、全ミッションを通して安定して戦える。
回復アイテムを取得すると指揮下に入れたNPCも回復するため、NPCと協力してミッションを進めていくのも4兵科の中で最も得意。
ウイングダイバー
エネルギーを消費して飛ぶことができる。エネルギーは消費行動を取っていない間常に回復し続ける。いわゆるスタミナゲージ。
エネルギーは武器のリロードの際にも消費されるため、エネルギー管理が求められる点でレンジャーよりも難しい。
エネルギーが切れるとその間は飛べず、機動性が最悪になる上、ウイングダイバーは他兵科よりもアーマーの上がり幅が小さい(レンジャーの半分以下)ため、エネルギー管理に失敗した時点でまず死ぬ。
しかしながら飛べるというのは凄まじい強みで、高いビルや木の上に昇ってしまえば一切のダメージを受けずにクリアできるミッションがあったり、飛べない相手に上空から襲いかかることの有利は言うまでもないだろう。
武器は近接戦闘に特化しており、攻撃力は高め。逆に狙撃武器はエネルギー消費が莫大であったり、威力がさほど出なかったりとレンジャーよりも苦手。
電撃系の武器が壁に反射するため、閉所になる地底のミッションでは無類の強さを発揮する。
エアレイダー
発煙筒を投げたりして空爆を要請できる他、ビークル(戦車などの乗り物)を要請してそれに乗って戦うことができる。
空爆やビークルは非常に強力な性能を持っているものの、エアレイダー自身が直接攻撃を行うのは苦手で、上級者向け。
空爆は下手をすれば味方や自分すら巻き込んでしまい、ビークルは弾丸のリロードができないため再度要請できるようになるまで無駄打ちができない。
空爆やビークルを再度要請するには敵を倒して得られる功績値が必要で、功績値のやりくりに失敗すると容易に詰む。
難しいなら難しいなりの強さがあり、大群を一層したり、大物を高火力のビークルで一気に倒したり、ミッションの内容と支援要請やビークルの特性をしっかり活かせれば最も楽にミッションをクリアできる兵科でもある。
反面、装備の整っていない序盤は地獄なので、特別に縛りプレイをするのでなければ稼ぎミッションで良い武器を手に入れてから始めるのが良いだろう。
フェンサー
重装甲兵。他兵科に比べてアーマーの上がり幅が大きい。
重そうな見た目の通り挙動が非常に重く、サイドスラスターなしでは最低クラスの機動性。
装備種別ごとに特殊なアクションが追加され、近接武器を装備すればサイドスラスターですばやく移動可能になる。
盾は敵の攻撃を弾き返すディフレクター、機関砲や火砲は武器によって高く飛べるジャンプブースターや遠くに狙いをつけるためのスコープがついている。
フェンサーは4つの武器を装備し、それぞれの武器の特性を活かして戦うことになる。
機動性の面から1枠は近接武器がほぼ必須になる。
サイドスラスターは特定のアクション(武器攻撃やディフレクター)でキャンセルでき、特に火砲のジャベリンによる攻撃でキャンセルしながらサイドスラスターを連射して突き進むジャベキャンは全兵科中でも最速の機動性を発揮できる。
ブラストツインスピアをうまく使えばジャベキャンよりも更に速く前方へ移動できるようだが、かなり操作が難しく筆者にはうまく使えなかった。
武器ごとの特殊アクション含め、フェンサーは他兵科とは操作方法からして全くの別ゲーと言っても良い感じになっており、他兵科と行き来すると操作が混乱しやすくとても難しい。
武器の火力はかなり高めに設定されているものの、両手に同じ武器を装備していることを前提とした火力のため、片手ずつでは他兵科の似た用途の武器に劣りやすい。(特に機関砲や火砲カテゴリで顕著)
また、機関砲や火砲を両手に持ってしまうとその状態ではサイドスラスターができず、ほとんど固定砲台状態になるため、被弾が増えがち。アーマーが上がりやすいのが救いか。
戦場を縦横無尽に走り回り、貫通性能のついた武器で大暴れできるため、一番アクションゲームの腕が求めらられる兵科はこれ。
他兵科と違って地底で有利な装備がなく、地底のミッションは地獄。奈落の罠とか突入作戦フェイズ1はひどかった。
ライトがなければ自分の腕だって見えなそうだ
ミッションによっては地底のステージを進んでいくところもある。
その地底は尋常じゃないほど暗く、プレイヤーやNPCのヘルメットについたライト、エアレイダーが要請したデプスクロウラーの大型ライトで照らしたり、爆発物を持ち込んで爆発させて照らすなどの工夫がいる。
暗闇では方向感覚が狂いやすく、道を間違ったり、暗闇で敵に囲まれてしまえばまず助からない。
こういった事情で、地底のミッションは軒並み難易度が高い。
特に突入作戦フェイズ1は長丁場の地底ミッションであり、終盤の大群をいかにしてさばくかというところができていないと非常に厳しい。
マップの構造を把握した上で操作の精度をしっかり高めないと高難易度はクリアできない上、マップ構造とアリの進行ルーチンの関係上、1~2時間の持久戦が要求されてしまう。
アーマーを上げるにしたって限度があり、恐ろしい火力でこちらのアーマーを削ってくる金アリが大量に登場する突入作戦フェイズ1は地獄だった。
特に、地底で有利な装備のないフェンサーはしんどかった。迫撃砲で自爆に怯えながらちまちまと倒し続けるだけの苦行だった。
昼飯は食ったか?
戦場ではNPCがストームチーム(プレイヤー)の指揮下に入ってともに戦ってくれる。
指揮下のNPCたちはとても賑やかで気のいい連中で、プレイヤーのチャットコマンドに反応してくれる。
特に、歌をうたうとその後を続けてくれるのが楽しい。
ウイングダイバーの歌声は収録されていないのがちょっと残念。キタエリの歌聞いてみたかった気もする。
また、アピールモーションでとても喜ぶとかするとNPCたちも喜んでくれる。
大勢集まってやるとなかなかに愉快な光景になるため、筆者も度々その様子を見て癒やされていた。
ストームチーム結成
オンラインマルチプレイ対応。
オンラインでは専用の高難易度ミッションが追加されている他、難易度ごとに使用できる武器のレベルやアーマーに制限がかかっている。
オンラインミッションの達成率を70%以上にすると、その制限を撤廃した部屋を作ることが可能だが、1兵科で1難易度クリアしてようやく5%であることを考えると、相当に時間がかかると見たほうが良い。
やりこみ
トロフィーコンプ
EASY以外の全難易度を4兵科すべてでクリアし、4兵科の武器を全種類集めることでトロフィーコンプできる。
が、ミッション数が多く、ミッションによっては時間のかかるものもあり、後半の高難易度ミッションはきっちりアーマーや装備を整えた上で戦略を練って挑まなければまともにクリアできないため、このゲームのトロコンは容易なことではない。
筆者はフリープレイで開始した3月から2ヶ月、GWを含む余暇時間をほぼフルに費やしてようやく達成した。
休み休みやって9ヶ月かけたMHWや土日にガッツリやって3ヶ月かけた無双OROCHI2uに劣らないボリュームを感じたところである。
戦績表示で表示されるプレイ時間はトロコン時点で890時間程度。こんな数字、モンハン以外で未だかつて見ただろうか。
武器コンプ
終盤、残り1種類になってから全然出ない現象で苦しむと非常につらい。
筆者もウイングダイバーのエンドオブアースが全然出ず、丸1日武器を掘り続けてようやく入手した。
効率の良いミッションはやはりソロなら機獣師団。画面分割ありならDLCミッションの金色の闇が時間効率が良かった。
分割死の戦列の黒アリ無限狩りは時間効率の上では機獣師団よりも悪く、放置できるという利点がなければ機獣師団を回していたほうが良さそうであった。
ウイングダイバーなら楽にいける闇の魔窟や殺戮の女王はそもそも時間効率が良くないため、機獣師団に行く実力がない場合以外はおすすめできない。
INFERNO攻略
NORMAL~HARDEST攻略も必要ではあるが、INFERNOがクリアできればそれ以外の難易度については特に苦戦することもないため、実質INFERNO攻略ができればトロコンはできる。
ミッションによっては非常に難しく、兵科次第では詰みを感じることもしばしばあった。
フェンサーの突入作戦フェイズ1、ウイングダイバーの竜撃陣あたりは、もうやりたくない。
オンライン達成率
オンラインのミッション達成率はオフラインのものとは別管理になっていて、オフラインでクリアしてもオンラインでクリアしたことにはならない。逆も然り。
オンラインミッションはオフラインに比べて敵の能力が大幅に強化されており、マルチプレイが前提のバランスになっている。
人数によって敵能力も変化するが、1人で挑む場合は4人の場合と同じ能力にされている。徹底してマルチプレイを前提にしているようだ。それでもソロで挑む猛者はいるようだが。
これは幸い、トロコンには関係ないので筆者はまだ18%程度で止まっている。
友人とワイワイ遊ぶには楽しい内容なので、一緒に遊ぶ仲間がいればぜひやってみてほしい。
後半の追加ミッションは割と頭を抱えるやばいヤツが揃っている。魔軍に絶対包囲、HARDはクリアしたが、それ以上に挑む気になれない。
アーマー稼ぎ
敵が無限に湧く巣の上でウイングダイバーが上むいてレイピアをぶっ放し続ける。
攻撃ボタンを使い古した耳かき棒で、スティックを輪ゴムで固定し、寝て起きたらアーマーが増えている。
長時間放置する場合はEASYの銀糸の都、短時間の場合はDLCの变化の山を使用した。
前者は最初にレタリウス3体をサクッと装備してしまえばセッティングがあっという間にできるし、後者は銀蜘蛛が湧くので1時間程度で取得上限に達する。
画面分割2人プレイモードであれば2兵科両方のアーマーが上がるため、ウイングダイバー+アーマーを上げたい兵科でひたすらこれを繰り返した。
このおかげで5桁のアーマーを持って最高難易度のミッションに挑めたのだが、ここまでしないと上がってこないアーマーもなかなかシビアでキツいものがある。
もうちょっと上がり幅大きくても良かったんじゃないかなあ、とは思う。せめてこの2倍くらい上がってくれたら……。
総評
とにかくゲームのノリがとても好みにハマって、ガッツリやりこんでしまった。
フリープレイだよと軽いノリで勧められ、軽いノリで触ってみたらご覧の有様である。
通信のセリフ回しがとても好きで、ストーリーはまた見返したくなる。
地底のストレスやアーマー稼ぎの奇妙な感じなど、もうちょっとなんとかならんかという部分もあったにはあったが、総じて楽しめた。
虫も映像がそこまでリアルに振り切ってないため、ややデフォルメされた感じでそこまで気持ち悪くなかったし、大群をふっとばす爽快感や高難易度を攻略するパズル感も楽しめた。
フリープレイでここまで楽しめたので、5も買って積んでしまっているような状況である。
シリーズファン向けのサービスもちらほらあったようで、そういった内容について経験者に話を聞くのもまた楽しい。
非常に満足感のある一作だったので、少し休憩してそのうち5も遊びたい。