【ゲーム感想】世界樹の迷宮X
目次
前置き
筆者は世界樹の迷宮シリーズを（不思議のダンジョン以外）全てプレイ/クリア済みの熟練冒険者である。
難易度はEXPART。これまで通りアイテムの使用禁止縛りでクリアした。
本作のみならず、過去のシリーズ（新・世界樹の迷宮シリーズ含む）のネタバレが飛び出す可能性に注意されたい。
グラフィックス
これまで通り、いつもの世界樹、いつもの日向さん。
キャラグラについてはDLCで過去作やゲストイラストレーターのものが使用できる。
これまでのシリーズで登場したダンジョンが再び形を変えて登場するため、見た目にもとても嬉しかった。
特に3の海底洞窟、2の桜ノ立橋はBGMも相まって大変興奮した。
サウンド
歴代シリーズファンサービスだらけ。
過去作の熱い曲が、過去作のものを模した迷宮で流れる。
これだけでシリーズをすべて遊んできたファンとしては最高だし、逆に言えば過去作をやっておかないとXの楽しみを大幅に失うことになるのでは、とすら思う。
第十四迷宮で明日を掴むは死闘の先が流れたときは興奮しすぎて声が出た。
5のときにやや物足りなく感じていたキャラクターボイスも、遭遇時/逃走時共に喋ってくれるようになって賑やかになった。
特に天の声さんの実況風ボイスが、敵をおちょくっている感があって好き。
一方で、おばあちゃんボイスがオミットされてしまったのは少しさみしい。
NPCボイスも聞いていて安心できる声ばかり。
宿屋のヴィヴィアンはよく聞くせいか印象に残っている。
シナリオ/キャラクター
5ほど薄味ではなく、かといって必要以上に冒険者の性格を固定しないちょうどいい塩梅のシナリオだったように思う。
NPCたちもそれぞれ個性的で好き。
ヴィヴィアン
怠慢系猫女子。
猫のマーリンさんを頭に乗せて気の抜ける声で出迎えてくれる今作の糸目枠。
かわいい。
CVは長妻樹里。
ゆゆゆの三好夏凜の人だが、演技はまるで別人。
プレイヤーキャラクターボイスのほうに夏凜に近い演技のものがあったりする。
ネイピア
世界樹の迷宮3からの登場。
守銭奴っぷりは相変わらず。デレるとなんだかんだ心配してくれるのも変わらず。
いまだにリメイクのない3から登場したため、初めてCVがついた。
CVは佐倉綾音。我らがあやねる。
のんのんびよりの夏海、ビビオペのあかね、ごちうさのココア、艦これで長門はじめ沢山兼役、バンドリの美竹蘭の人。
ペルセフォネ
姫。見た感じくっ殺力の高そうな人。
CVは坂本真綾。聖女でこの声だとやはりジャンヌを思い出す。
クワシル
酒場のおじいちゃん。お調子者でジョークが大好きな高田純次みたいなやつ。
CVは大塚芳忠。NARUTOの自来也、禁書のテッラ、ポプテピ１話のピピ美、FGOのレジスタンスのライダーの人。
お調子者らしい「だーっはっは」が癖になる。
ミュラー
渋い丸刈りの軍人さん。
CVは大塚明夫。スネーク。
ウィラフ
世界樹の迷宮4からのゲスト。
懐かしいんだけど、当時どんな感じで出てきたのかもう思い出せない。
そもそも三竜戦のどれかで倒れなかったっけ。それは別の人？
シリカ
世界樹の迷宮1、遥か遠方エトリアからのゲスト。
褐色元気枠。
CVは新世界樹の迷宮と同じく斎藤千和。
なのはシリーズのスバル、スト魔女のルッキーニ、まどマギのほむら、ゆるゆりの撫子さん、プリヤのクロエ、BLAZBLUEのタオカカ、Fate/EXTRAの玉藻の人。
ビルギッタ
ひたすらペット探しを頼んでくるピンク髪のおどおど系女子。
あまりにもアレなのでこいつ黒幕なんじゃないの、と疑う冒険者の数知れず。
CVは内田真礼。禁書のフレンダ、ごちうさのシャロ、ビビオペのれい、ネプテューヌVIIのエスーシャ、りりくるの真衣の人。
今作ではやや声高めのシャロに近い演技だった。
レオ
ネガティブあんこく。
マルコ
インテリメガネ。たぶん攻め。
オリバー
色黒マッチョ脳筋おじさん。たぶん受け。
CVは川原慶久。世界樹の迷宮公式生放送のMCとしておなじみ、いわゆる天の声の人。
禁書の青ピの人。新世界樹の迷宮ではオレルスを、世界樹の迷宮5ではモブを演じていたりする。
プレイヤーキャラクターボイスの実況風が最高に楽しい。
カリス
エセ外人風メイン盾。オレンジヘアが眩しい。
CVは石上静香。艦これの瑞穂/江風/海風の人。
ロブ
カリスを巻き込むまいと冷たく突き放すも、カリスは聞く耳を持たず……という立ち位置の少年。少年？多分少年。
登場ステージも相まって、もしやアガタ＆カナエ枠なのではと危惧していたがそんなことはなく平和に終わってくれた。
アーテリンデ
新世界樹の迷宮2からのゲスト。
ライシュッツ爺さんはいったいどうしているのやら。
今回はなんとクロガネJr.と行動している。
あの頃敵としてかなり苦戦した記憶はあるが、今回パーティにゲスト参戦してくれる……わけではない。
ヒーローを推したい関係上パーティ枠をNPCで埋めない配慮がされたのだろうが、これはこれでちょっと寂しい。
別に今回はスキュレー関係の絡みは一切ない。というか、スキュレーさんは今作では珍しく（もしかして唯一？）イベント一切なしでダンジョンに佇んでるだけのボス。
CVは新世界樹の迷宮2と同じく小島幸子。
クロガネJr.
先代のクロガネはハイラガードの地に眠っているはず。ジュニアがいたとは。
フロなんとかさんとあてりんは何か親交があったのだろうか。
エンリーカ
海の一族の王女。でかい。
あてりんの雇い主だが、そんなに絡みはなかった。
ブロート
ブロートさん。ブロなんとかさん？
行く先々で意味深なことばっかり言いやがって、結局よくいる悪役だった。
実は双子で弟がいましたとかいうミステリでやったら死ぬほど怒られるやつ。
CVは松岡禎丞。シャリーのアトリエのコルテスの人。
システム
持ち直したいつものUI
5では少し不便になったところが目立ったUIだが、今作では4以前の快適な操作感が戻ってきた。
サブクラスシステム
3のサブクラスシステムが今作にも登場。
ただし、ボリュームの大きなシナリオの中盤まで進めないと解放されないため、序盤はスキルポイントのやりくりや行動の制約が多く窮屈に感じた。
後半、解放後は一気に動きやすくなり、快適に冒険できた。
調整されたスキル
スキル性能は全体的にマイルドに調整され、サブクラスの組み合わせで大暴れ、みたいなケースはだいぶ減ったように感じる。
シノビとダークエーテルの組み合わせだとか、リンク追撃系も今回はなかなかに大暴れというほど暴れられない。
ショーグンとプリンセスが属性付与五輪の剣と介錯で大暴れしたが、それも三竜に介錯無効になったり、ミリオンラッシュに対する追撃が１回しか発動しなくなったりと、それでもマイルド化はしている。
練り込まれた迷宮パズル
今作は迷宮のパズル感が大変よくできていた。
迷宮の数も過去最多で、過去作を模した迷宮も見た目やBGMが楽しい。
特に頭を使ったのは第十四迷宮と桜花天空楼。
やりこみ
アイテム使用禁止
今回はクリア後のやりこみを除いて、非常に楽だったように思う。
プリンセスが強力すぎてメディックすら必要なかったのではないかと思うほど。
クリア後の強敵たちを相手にする場合はパズルめいていてかなり楽しい。
令嬢
パズルすれば確定で楽に勝てる相手。
ヒーローとシアノンテダイ装備のガンナーを用意してひたすら最遅殴りを続けるだけ。
真ヨルムンガンド
こいつが敵としては一番キツかった。
シールドフレア戦法で3ターン撃破は可能。
ただし、3ターン目が薄弱の閃雷である必要があり、五輪の剣のヒット数が9以上ないと3ターンでは仕留められない。
アイテム使用禁止でも耐久ができなくはないが、TP事情が苦しくなってくる上にランダム行動が増えてお祈りゲーになる。
それを考えると、3ターン目だけ祈れば良いシールドフレア戦法が最適解。
条件ドロップ収集
解剖用水溶液も使用禁止で頑張った。
やはり呪い反射ダメージと毒ダメージが鬼門。
特にスキュレーとハルピュイアの呪い反射はもうやりたくない。
難易度HEROIC
今作にはEXPARTの上にHEROICという難易度が用意されている。
戦闘面の難易度はEXPARTと変わらないが、他の難易度に変更したり周回時の引き継ぎができない。
代わりに、ギルドカードにはHEROICの証がしっかり表示される。
筆者は一通りEXPARTでプレイしたのでHEROICでやっても変わらなかった。
ただし、周回時に引き継ぎができないのは耐えられないなと思ったのでEXPARTにしてある。
総評
前作は期待より下回っていたが、今作はその逆。期待を大幅に上回る大ボリュームだった。
難易度もクリア後については非常に満足している。
とにかくシリーズファンサービスが充実していたこと、迷宮のパズルに歯ごたえがたっぷりあったこと、クリア後の強敵たちをアイテムなしで撃破するための戦略パズルも楽しかった。
特に、パズルを解きながら地図を書いていくという、世界樹本来の喜びを沢山味わえたという満足感があった。
シリーズファンへのサービスがこれでもかと詰め込まれていたためシリーズプレイ済みの筆者は楽しめたが、新規プレイヤーには勧めにくい作品でもあった。
3DS最後の、と銘打っているように、シリーズファンにターゲットを絞ったが故にやりたいことをしっかりやりきったという印象。
ネイピアさんも出てきたし、そろそろ新規にも入りやすい3のリメイクを出してほしいところだが……。
次はswitchでなにか出るのか、それとも……。
マップを描く楽しみはDS、3DSならではだったし、この喜びを何度でも味わいたい気持ちが強いので、どうにかマッピングの仕組みを実現してほしい。
今の情勢的に、おそらく筆者が3DSでやる最後のゲームはこの世界樹の迷宮Xになるだろう。（セカダン積んでるけど多分積みっぱなしになるだろう……）
思えば、ほぼモンハンと世界樹しかしないハードになってしまったが、それでも思い出深く、忘れられないハードになるに違いない。
DSで世界樹の迷宮3からはじめ、初代、２、４、新１、新２、５とすべての迷宮を踏破してきた。
オオヤマネコにファランクスが一撃で食いちぎられ、アガタとカナエの選択に悶え、固定値でHPをまるごと持っていく毒のダメージに目を剥いたり、
さほどでもない悪夢で醒めない眠りにつかされたり、先制エクスプロウドされたり、
引退マラソンでちまちまとレベルを上げ続けたり、弱体化させた裏ボスが弱すぎて初見で勝利してしまったり、
裏ボスをスタンさせる確率を計算してひたすらパズルしたりと、大変思い出深い。
3DSの最後の思い出に、最高のマッピングと最高のパズルをくれた世界樹の迷宮に感謝を。
そして、次の世界樹の迷宮もまた心躍る冒険になることを心の底から祈るばかりだ。