【ゲーム感想】新次元ゲイム ネプテューヌV2R
目次
前置き
筆者はネプテューヌシリーズについて、Re;birth1~3 V2 アニメ VSセハガ 四女神オンライン履修済み
シナリオ面はほぼV2のベタ移植であるため、ベタ移植部分の感想については【ゲーム感想】新次元ゲイム ネプテューヌV2に譲り、ここではV2との違いについて記述する
V2とどちらをやるべき?
個人的なオススメはV2
V2Rも悪いゲームではないのだが、以下の点からシナリオを楽しみたい人向けにはV2をオススメする他ない
- システム的なもっさり感
- V2クリア前提のVRイベント
- 成仏エンドの削除
- DLCキャラの削除
どちらもPS4のソフトであり、PSVRを持っていてVRイベントをどうしても見たい、とかでなければV2を
システムの作り込みはすごいので、V2プレイ済みだけどそれが気になるのであればV2Rをどうぞ、という感じ
なお、本作のVRイベントは別にVR機器を持っていなくても視聴できるため、PSVRでなければプレイできないわけではない
グラフィックス
画面の明るさの違いか、V2とかなり違ったテイストに見える。これはこれで好き
新規ムービーが一つ、新規CGが二つ追加されている
V2では立ち絵のアドベンチャーパートだった最序盤のイベントが、会話内容はそのままに、3Dモデルによる寸劇になっている
3Dモデルはこのムービーのために新しく調整されているように見え、この調子でムービーイベントが増えてくれれば楽しかったのだが、残念ながら新規ムービーは零次元編の最序盤のイベント一つだけ
新しいゲームエンジンの導入で試験的に作られたものだろうか
新規CGと削除されたCG
新規CGは大ネプと小ネプが出会うシーンと、くろめと大ネプが現れるシーンに追加
シナリオ中に追加されたVRイベントも含め、大ネプ推し気味?
一方で、エンディングが復活エンド固定になったことにより、成仏エンドのプラネ姉妹が並んでいるCGは削除されている
CGリストには出てこないが、OPムービーの中で見せてくれるので、OP詐欺になってしまっている
3Dモデルのモーション追加/変更
追加されたVRイベントでは、大ネプや四女神の3Dモデルをじっくり眺めることができる
それに合わせてか、一部モーションに調整がかかっている
たとえば、ノワールの勝利モーションが、改善されている
下手な意識高い系企業のCMっぽさがなくなり、片目を閉じてウインクするかわいい感じに
レベルアップモーションも新調されている
(ちょっと目の動きが怪しい感じはするが)これもかわいい
V2でくるくる回るノワールも可愛かったので、ちょっともったいない気もしている
ベールのレベルアップモーションも表情が少し変わっていたり、細かい変更がたくさんある
また、エフェクトぶっぱだっけだったフォーメーションスキルにも、短いながらスキルモーションが追加された
作中で一番最初に使用可能になるトライバーストからして、ちゃんと動いていることに感動する
エンディングのレトロゲーパロディ
エンディングのレトロゲーパロも新調され、FF6風になっている
内容はまどマギパロで、うずめ=まどか、大ネプ=ほむら、クロワール=QBの配役で結構うまいこと作られていて、見ていて面白い
(ギャラリーではムービーに追加されるのではなく、「こんなに幸せなことはない」イベントの一部として視聴可能)
サウンド
OPのStarting Days!はアップテンポで突き抜けるような気持ちの良い曲
ヴォーカルはakiになり、naoは今作ではおやすみ
一部のボスモンスターが専用の新曲を引っさげてきた
何故〆タルギアが選ばれたのかはわからないが、なんだかとってもメタルギアな曲が追加された
新システムであるバウンティーモンスター戦のRiver Of Sandや、ランクチャレンジボス曲のThe Showdownのイントロはどことなくワイルドなアームズ
そして、忍者ステマックスとアフィモウジャス将軍にもそれぞれ専用BGMが新しく追加された
前者はいい具合に和ロックしていて特に筆者の好みにヒットした
シナリオ/キャラクター
シナリオ部分はほぼベタ移植で、特定のイベントが削除され、VRイベントが追加されたのみ
削除されたイベント
プロジェクト・ねぷぷぷ関係のサブイベントが消えている
メインシナリオの分岐がなくなり、成仏エンドや悪堕ちエンドがなくなっている
VRイベント
1話クリアするたび(つまり、ネプステーションによる次回予告が挟まるたびに)大ネプがプレイヤーの部屋に遊びに来るVRイベントが発生する
VRイベントはゲーム起動時にもあり、そこではいーすんが状況の説明をしてくれる
プレイヤーはネプテューヌV2をクリアしており、それによってゲイムギョウ界を救った、という位置づけのようで、シナリオ中に挟まる大ネプのイベントを除いて、VRパートはV2の後日談扱い
そのため、V2をプレイせずにV2Rを始めてしまうと混乱するかもしれない
シナリオ中に挟まる大ネプのVRイベントのみでなく、プレイヤールームからはVR訪問という形で四女神が部屋に訪ねてくるVRイベントを見ることができる
こちらは本編とはほぼ無関係の日常的な内容なので、特に深いことを考えずに見られる
彼女たちはプレイヤーのことを認識し、一人の友人として接してくれるが、必要以上にプレイヤーのパーソナリティを固定化しない工夫が凝らされている
プレイヤーがどんな姿なのか、男なのか女なのか、年齢さえも限定しないので、筆者としては安心して楽しめた
大ネプのVRイベントではサラッと新しい設定が明かされたりする
スペシャルネプビタンV2は学生時代の文化祭で出したエナドリマゼマゼドリンクが元になっているとのことで、次元の旅人であった彼女に文化祭をやるような学生時代があったということになる
Re;birth3のラストではその時点のネプテューヌ(見た目年齢14歳)とほぼ同等の姿であったはずで、クロちゃんを捕らえてからの動向が気になる
本人曰く、元の世界にいた時間より旅をしている時間のほうが長いということなので、旅先で学園に潜り込んで、みたいな時期があったのかもしれない
アドベンチャーパートの演出変更
V2のゴールドサァドが夢を見るシーンでは背景をボカす演出があったが、それがなくなっている
DLCキャラ
今作では見聞者を含め、V2に登場したDLCキャラは登場しない
ミリオンアーサーちゃん、ミトロプラスちゃん、ゴッドイーターちゃんを使いたい人はおとなしくV2をやろう
システム
システムはごっそり入れ替わっており、新しいゲームエンジンで一から作り直した感じになっている
全体的にもっさり
新鮮なシステムで遊べるのは良いのだが、操作感が全体的にもっさりしている
この点はむしろV2が快適にスイスイ遊べる良システムだったのではないかと思うほど
特に戦闘のスピード感は全くの別世界
V2をやってからV2Rに行くと遅くてイライラするかもしれない
逆にV2RからV2に戻ると早すぎて滑ってしまう
複雑なUI
総入れ替えされたシステムのUIはぱっと見では煩雑で、慣れるまで時間がかかるかもしれない
筆者も最初はややとっつきにくい印象を受けたが、プレイしていくうちに慣れた
ワールドマップ上での敵遭遇なし
ワールドマップ上で敵に遭遇しなくなったので、超次元ノワール編、ブラン編などの厄介な難所も楽になった
移動中にいちいち止められるストレスを感じなくなったのは良い点だが、今度は移動にもっさり感を感じるようになってしまった
V2でできていたメタリックがばちょ狩りはできなくなっているが、コロシアムなどでもっと手軽に稼げるため、実害はない
戦闘終了後に全回復
戦闘が終わるとHPが全回復するため、全体的に難易度は下がっている
全滅してもほとんど直前から再開でき、そういった意味では攻略の敷居は低め
ただし、装備や戦闘のシステムが少し複雑なので、それをある程度理解しないと詰むかも
APがある限り行動できる
1ターンに1度しか行動できないV2と違い、V2RではAPを消費して行動する無印やvsセガハライクな戦闘システムになった
序盤こそACPが足りずに思うように行動できないが、シナリオ終盤で装備が整ってくると状況が変わる
武器でACPが増えやすいロムラムは今作でも強キャラの部類に入り、戦闘開始直後にエグゼドライブを2連打、なんて荒業も可能
もちろん、彼女たちのエグゼドライブは範囲攻撃のため、雑魚戦を開幕で終わらせるスイスイプレイもできる
変身にターンを消費しない
APを消費して行動する戦闘システムになり、変身がAP2の行動になったおかげで、APさえ確保できればターン内に一気にネクストフォームまで持っていける
スキルを覚えるのにクレジットが必要
スキルを覚えるためにクレジットが必要で、これはコンボスキルやスペシャルスキル、パートナースキルも全て共通
1スキルにつき1000~3000クレジット程度要求され、序盤では満足にスキルを覚えられない
(覚えたとしてもACPが少ない序盤では使うこともままならないのだが)
ゲーム中盤以降でもこれのおかげで金欠になりがち
装備効果に入手クレジット+がついているものはしっかり確保しておきたい
どこでも帰ってくる見聞者
V2の見聞者は拠点へ行き、そこで同じ次元の見聞者だけ帰還報告を受けられる形式だった
別の次元に派遣した見聞者の報告はその次元の拠点でなければ受けられない面倒なシステムだったが、この面倒さは撤廃された
見聞者の帰還報告はステータスメニューから常に受けることができ、V2では報告を受ける時に大量のアイテムスクロールを眺めないといけなかったものを、一瞬でこなせる
(この点だけはV2よりも高速化している部分かもしれない)
一方で見聞者システムもやや複雑になっており、これをうまく使うかどうかで企画書の素材を集められるかどうかが決まる
特にユニットパーツは各国の投資やプロセッサユニットの開発でガンガン消費するため、オリハルコン鉱石の確保は非常に重要になる
各見聞者にはA,B,Cのいずれかのアルファベットが割り当てられており、所有する「発見アイテムグレード」のスキルの種類でもまた獲得できるアイテムが変わる
例えば、発見アイテムグレード1と3を持つ、発見アイテムグレードタイプAのデンゲキコは、見聞者アイテムグレード1と3のA欄に書かれたアイテムを見つけてくることがある
ダンジョンごとに設定された発見アイテムグレードは、見聞者の派遣先ダンジョンを選ぶ際に三角ボタンで情報切り替えすると確認できる
見聞者のレベルを上げるエナジーメイトは各所で手に入り、最終的にはうずめの仮拠点で格安で販売されるようになっているが、一方で消費量も多くなっている
優先してレベルを上げるべき見聞者は見極めておきたい
初期からいるデンゲキコ、ファミ通ちゃんは相変わらず強力で、優先的に上げておきたい
あとはプラネテューヌの投資で加入するワズオーカ隊長か
彼を起点にして見聞者を増やしていくことになるため、デンゲキコ、ファミ通ちゃんに次いで優先度が高い
見聞者ごとのアイテム収集などに関する性能は以下のスプレッドシートにまとめてあるので、参考までに
オートセーブ
オートセーブ対応になり、ランダム要素のあるボックス開封などでのリセットマラソンがクリア後でしかできなくなった
クリア後であれば、ランクチャレンジ中にオートセーブされないことを利用してリセットマラソンが可能
かなり頻繁にオートセーブされるが、右下の表示はほとんど立たず、プレイヤーはセーブに関して全く意識しなくても良い
後ろをついてくるパーティメンバー
前衛の3人が後ろをついてくるようになった
Re;birth1+でも同様のシステムが導入されていたが、あちらと比べて足音がうるさくなく、かなり精度良くついてくるため無理やりワープさせてしまう機会も少ない
ワープ音も耳障りな音ではなく、しっかり作られている
やりこみ
V2との最も大きな差分はこのやりこみにあると言っても過言ではない
トロフィーコンプリート
周回がなくなったため、ミリオネプ全問正解のトロフィーはなくなった
また、女神チップスカードもトロフィーの条件から外れている
ただし、Uレア装備系のトロフィーが新しく追加され、そちらに運ゲー要素が残ることになってしまった
バウンティーマスター
バウンティークエストを全てクリアすると達成
ハイリスクバウンティーも条件に含まれる上、ハイリスクバウンティーは達成状況がゲーム内で確認できないことに注意
予めチェックリストを作成してそれを見ながら進めていくと良い
ハイリスクバウンティーのうちのいくつかはランクチャレンジで特定のダンジョンのランク42~45以上を条件としているものがあり、最初からリストに全部掲載されているわけではない
また、ハイリスクバウンティー討伐対象はランクチャレンジ中にしか出現しないので、実質的に該当ダンジョンの隠し財宝の出現も必須
ランクマスター
ランクチャレンジ可能な全ダンジョンで、ランクチャレンジをそれぞれ1回以上クリアする
ランクは40でよく、クリア後に装備を鍛えておけばそこまで苦労するものではない
隠し財宝を出現させてからでないとランクチャレンジは行えないため、実質的に隠し財宝を全て見つける、を含んだトロフィーになっている
隠し財宝
各ダンジョンに隠し財宝発見能力を持った見聞者を派遣して条件を解放する
V2と違い、各ダンジョンで条件は一つだけになった
条件を達成すれば、ダンジョン内のフロアに全ての隠し財宝が出現する
各ダンジョンごとに隠し財宝自体は複数設置されている場合があり、フロアごとに一つ配置されていることが多い
センムーの迷宮はやっはり全モンスターの撃破を要求されるが、ダンジョンの構造はV2と同じ
2周しなくても良いので、V2よりやや楽か
気づかれずにシンボルアタック系はV2同様、ホワイトオーブを入手してからのほうが良い
ホワイトオーブの入手条件を満たすにはセンムーの迷宮最深部のボスと、猛争プラネテューヌのハイリスクバウンティーボスを倒す必要がある
投資系
各投資対象のレベルをどこかの拠点で最大にする
全ての拠点で行う必要はなく、ほしい装備などと相談して投資する拠点を決めることになる
筆者は全ての拠点で投資レベルを最大にしたが、ユニットパーツ(とそれに伴うオリハルコン鉱石)の消費が非常に多かった
ユニットパーツはオリハルコン鉱石のほかにも、銅鉱石と金鉱石を組み合わせた耐衝撃プレートからも作ることができる
なお、ゴールドブロックから作るのは素材効率がよくない(金鉱石x10より、銅鉱石x2+金鉱石x2のほうが効率が良い)
Uレア装備系
- 企画書からUレアアイテムを作成した(Uレアクリエイター)
- 武器、防具、コスチューム、アクセサリを全てUレアで装備した(Uレアコーディネーター)
- プロセッサを全てUレアで装備した(金色の女神)
今作では装備品それぞれにレアリティが設定されており、レアリティの高い装備ほど同ランクの中では効果が高くなる傾向にある
レアリティは装備を入手した時(企画書から作成した時含む)にランダムで決定され、Uレアはその中でも最高レア(装備アイコンの背景が黄色になる)
ランクチャレンジやコロシアムラッシュのドロップに高レア装備が含まれやすく、Uレアコーディネーターだけであれば企画書からUレア装備を作らなくても達成しやすい
金色の女神はUレアのプロセッサを全部位揃える必要があり、ランクチャレンジのドロップだけでは目的の部位がドロップしないことも多くてつらい
金色の女神達成のためにオススメのランクチャレンジはハイラノレ高原
スタート地点からすぐ左のワープを通ってボスに直行でき、プロセッサを含むノワールの装備をドロップするため、ここをぐるぐる回すと良い
ランクが上がるにつれてボスはもちろん、周辺の雑魚も強化されていくのでランクを上げる際にはキャラクターの強化と並行してやる必要がある
ドロップだけでは全部位揃えるのは難しいため、残り1~2部位になったらランクチャレンジ中にリセマラをするのが良いだろう
女神チップスSSRほど地獄めいた確率ではないようで、せいぜい数十個に1回のレベルでUレア装備ができてくれる
問題はプロセッサユニット作成のためのユニットパーツの確保か
コーディネート
トロフィーとは無関係だが、キャラクターの衣装がたくさんあるため、着せ替えで楽しむこともできるだろう
企画書から装備を作って良効果が出るまで粘るのはなかなかの苦行だが、効果にこだわらなければ可愛さだけを求めて衣装を作るのもあり
ゴールドサァドに水着が追加されたりしていて、それなりに新鮮な気持ちになれる
ロムラムのブラックリボンやライムリボンを作れる企画書が見当たらず、もしかしたら作れない装備があるのかもしれない
そういった場合はドロップやボックスで狙うほかなく、かわいい装備で最強に、みたいなやりこみは場合によっては難しい
ランクチャレンジ
ランクチャレンジでは、各ダンジョンのランクをひたすら上げ続けられる
ランクアップに伴い敵が強化されていくためどこかしらに限界はあるのだろうが、上限は不明
ランクはPSPlusに加入していればネットのランキングにも参加できる
最も周回しやすいであろうハイラノレ高原でさえ、世界ランクは7500程度だったが、最もやりこんでいたプレイヤーがそこで飽きてしまったのか、そこで限界がきてしまったのかは不明
ネット次元の異常に高いランクに挑むことも可能ではあるが、被ダメの桁が数百万の次元になってきており、一周回って笑えてくる
筆者はノワールの装備集めのついでにハイラノレ高原のランクを130程度まで上げた
総評
自分としては楽しんだが、このリメイクを喜んで受け入れる層が限られすぎてはいないだろうか、というのが正直な感想
新規がやるにはV2クリアを前提としたVRイベントが邪魔をし、既存プレイヤーにはほとんどベタ移植のストーリーをもう一度なぞらせ、移植前と比べて全体的にもっさりした新システムと、既存プレイヤーにもそこまで優しくない
V2で雑だったテキストもまるごとベタ移植されており、システムだけ総入れ替えするならテキストももうちょっと見直してあげてほしかったところではある
一方で、新しいシステムはもっさりしていたが新鮮でもあった
戦闘は新しいシステムなりの戦略を考えることができたし、追加されたスキルモーションなどの演出をV2と比較して楽しむこともできた
VRイベントはボリュームがあり、各シナリオの間に大ネプのイベントが多数、プレイヤールームから閲覧できる四女神のイベントがそれぞれ10ずつ
プレイヤーの部屋に遊びに来る設定ということでキマシ勢にとってやや厳しいものかと危惧していたが、プレイヤーのパーソナリティを限定されなかったため、純粋にキャラクターの可愛さを堪能できた
個人的にはキャラ同士の掛け合いを求めていたので、最も力の入った追加要素であるVRイベントはど真ん中にヒットはしなかった
PSVR向けに新エンジンを使って実験作を出した、というところなのかもしれない
それにしてはシステム面への力の入れようがすごいけど