【ゲーム感想】超次元大戦 ネプテューヌVSセガ・ハード・ガールズ 夢の合体スペシャル
目次
前置き
筆者はネプテューヌシリーズをRe;birth1~3、アニメ、V2、四女神オンラインまで履修済み
セガ・ハード・ガールズについては今回が初見
実績コンプまでのネタバレを含むので注意
グラフィックス
マップ上のアクションが大幅に増え、それに伴ってリメイクされたあいちゃんの新モデルがとてもかわいい
同じく主人公の一人であるセガミも同様で、リーダーに設定できる二人のモデルはダンジョン内で見ていて飽きない
また、匍匐前進のアングルが非常に紳士向け
ズボンタイプのあいちゃんもこれはこれで素晴らしく、スカートのせがみんに関しては完全に見えている
立ち絵はV2ベース
イベントスチルは各キャラにつき1~2枚程度と多くないが、どれもかわいい
欲を言えば両サイド全員集合があっても良かったのではとも思う
サウンド
いつもどおり、既存のネプ曲に加えて新規曲も良曲が揃っている
IF Chan’s Theme、Revolutionary Attackなど、やや雰囲気を重めにした曲が多い
What Do You Wantはイントロが良い
開架エリアで流れるLife Of A Cottageが素晴らしい癒し曲
アコギの音が気持ちよすぎて、これを延々と聞きながらアトリエで調合したい
足音関係もちょっと重めにリファインされている感じがする
木の床を踏んだときの音がなかなか気持ちいい
シナリオ/キャラクター
ストーリーはコンパクトで無難
いつもの超次元ではなく、並行世界
荒廃した世界をバイクで旅するアイエフが、歴史を記録する図書館に到着するところから始まる
せっかくのコラボなのに、キャラ同士の絡みが少ないのはややもったいない感じがする
プラネテューヌ以外の女神も登場せず、せっかくコラボしているセハガールも空気気味で、着せ替えコスチュームも既存ネプキャラのもののみ
キャラゲーとしては物足りなさがある
ラスボスの歴史を喰らうものの目的も不明瞭(というか、歴史を自らの思い通りに狂わせること自体が目的で、特に掘り下げがなかった)
テキストが少ないかというとそういうわけでもなく、アイエフ、セガミ、ネプテューヌの三人の会話はかなり充実しており楽しい
バイクになったネプ子が楽しそうで何より
アイエフ
まさかの主人公
いつもの相棒コンパは不在だが、いつもどおりのネプ子といろいろと抜けているセガミがいるためツッコミのタイミングには苦労しない
アニメで登場したあのバイクに乗って登場し、いつものこじらせっぷりも健在でファンとしては嬉しい
服装はいつもと違うかっこいい系になっていて、走り方もいつもの忍者走りではなくなっているが、これもまた新鮮で良い
彼女が図書館にたどり着いたことやループしていることは特に作中で説明されなかったが、歴史の修正力というものなのだろう
戦闘面ではセガミのぶっ飛び具合についていけず、終盤だとあちらにパーティ枠を奪われがち
ストーリー攻略上、決して弱いわけではないので愛があれば問題なく使えるのは救いか
セガミ
SEGAカラー
もうひとりの主人公
とにかくテンパり気味で考えなしに動いてしまうところがありプレイヤーとしてはもどかしいが、そばであいちゃんが冷静に対応してくれているのでなんとかなっている
戦闘面ではセハガ化がぶっ飛んでおり、いわゆる終盤のバランスブレイカー
セハガ化すると、対象のセハガの初期クラスのスキルを全て使用可能になり、対象のセハガのステータスをまるごと自分のステータスに上乗せする
つまり、一人で二人分の能力値になり、隠しボス戦での火力役としての最適解は彼女になる
ドリキャス化すると初撃のダメージが跳ね上がるため、それとメガドライブのチャージを組み合わせる戦術で隠しボスだろうと消し飛ばす
CVは新田恵海
ラブライブのほのかの人
元気な声が癖になる
ネプテューヌ
いつもの……かと思いきや、今回は序盤で歴史消失に巻き込まれリタイヤ
リタイヤしたと思ったらバイクになって登場
バイクと合体する決闘者とは違い、そのままバイク姿
あいちゃんのバイクに憑依していると言ったほうがしっくり来る
メタリックなボディにふさわしく、メンタルも鋼になっており、バイクの姿を満喫しながらいつものボケをブッパしてくる
バイクになったと思ったら、シナリオが進むといつもの人間体のほうもメンバーに加わってわけが解らなくなる
普通にバイクになった自分と会話していて、もう宇宙をバックにした猫の顔をする他ない
他のシリーズのことにも言及するが、未プレイでも問題ない程度におさめてくれるできる子
この作品は基本的にアイエフ、セガミ、ネプテューヌ(バイク)の三人で話が進んでいくため、それ以外のキャラクター同士の絡みは(同時代以外では)ほぼ存在しない
ハード:ネプテューヌで戦闘機に、アズールレーンで軽巡に、今作でバイクになった事により、陸海空全てを制したと言っても過言ではないのでは?(錯乱)
ネプギア
いつもの妹
メカヲタっぷりが強調され、バイクになった姉を分解したがる
ただし轢かれる
プルルート
歴史の観測のため過去へ向かうアイエフ達
疲れからか、不幸にも昼寝中のプルルートを轢いてしまう
アイエフをかばいすべての責任を負ったメガドライブに対し、女神アイリスハートが言い渡した示談の条件とは……
というわけで、アイエフに轢かれるもノーダメージで済ませてしまうやべーやつ
ところで、彼女に好き放題されていたメガドライブちゃんについてくわしく
うずめ
V2から参戦
自らのモチーフとなったドリキャスと争っている
乙女設定はそのままだが、なぜそれを隠しているかについては全く触れられない
海男は影も形も出てこないが、スキルに海男天国は存在するし、最強防具が海男
セガ・ハード・ガールズ
新キャラなのに総じて影が薄く、あまり印象に残らなかった
コラボゲーとはいったい……
思うに、超次元の駄女神どものアレさに慣れきってしまっていて、比較的まともなセハガたちの印象が強くならなかったのでは
サターンが黒髪ツインだがネプ子に突っかかる側なので、ネプ子にいじられるノワールとは逆な感じがして面白い
CV高橋未奈美 ミリマスの馬場このみの人
メガドライブは金髪ロングメガネの厨二病患者
CV井澤詩織 ガルパンのそど子、学園都市アスタリスクの紗夜、FGOの不夜城のアサシンの人
ゲームギアはダウナー系でブランを思わせる
CV田中美海 ハナヤマタのハナ、FGOのニトクリスの人
ドリームキャストは真面目系話を聞かない子
CV M・A・O がっこうぐらしのりーさん、刀使ノ巫女の寿々花、よるのないくにのアーナス、りりくるRSの珠季ちゃん先生の人
イストワール
いーすん
姿はRe;birth3のものと同じ
歴史を記録する図書館の司書なので、設定的にRe;birth1に近いと言えなくもない
子どもたちやプルルートに振り回されていたRe;birth3と違いかなり余裕のある態度で、そういった意味でも印象はRe;birth1のものに近い
システム
Re;birth3をベースに改良されたシステム
会話パート
スキップ機能は良いのだが、イベントまるごとすっ飛ばす機能があっても良かった
フィールドアクション
ロープに捕まって崖の向こう側まで渡ったり、走って勢いをつけてジャンプしたりと、見た目に楽しいアクションが増えている
アクションへの対応のためにリメイクされたあいちゃんのモデルもかわいいし、いろいろとアングルが凝っていて良い
のだが、凝っている反面、全キャラに対応はできなかったらしく、リーダーに設定できるのはアイエフとセガミのみ
(やりこみの項目で後述するが、これは今作のリリィランクシステムと相性が悪い)
また、今作はシンボルアタック判定がわかりにくくなっている
前に武器を突き出すセガミはともかくアイエフはカタールを横に振るだけで、完全にアタリハンテイ力学状態である
スティックを倒しながら入力してしまうと前方へ滑る謎慣性が働き、それでシンボルアタックに失敗してしまうことも多い
戦闘
Re;birth3をベースにしてはいるが、コンボメイクは廃止
代わりに無印やmk2のようにAGを増加させて行動するようになっており、連続攻撃は可能だが待ち時間などを考えながら慎重に行動する必要が出てきた
フォーメーションを設定しておき、それに応じて様々な効果が得られる……のだが、面白いだけにもったいない
最終的にダメージ限界突破効果のついたオーバーリミット、リリィランク上げ用のストームチャージ以外使われなくなってしまう
ストーリー攻略中は特にフォーメーションをいじらないと勝てない相手や、フォーメーション次第で劇的に楽になる相手というものが存在せず、空気システムになりがち
戦闘中浮いているジェムは正直使わなくても良いくらい微妙
高いところに浮いているジェムはネプテューヌの隠しクラスで習得できるジャンピングスターをセットしておかなければ取ることができず、それを覚える頃にはもはやジェムを取るためにわざわざジャンプしたりスキル枠を一つ潰したりしていられない
頑張ってとっても回復量が雀の涙なので、存在意義がない
ただ、戦闘のバランスはなかなか良い
筆者は面倒くさがりなのでDLCで経験値超絶UPを入れてしまったが、入れていなければストーリー上の敵はそこそこ苦戦すると思われる
本家シリーズと違ってレベルキャップ解放がDLCでも存在しない
そのおかげか隠しボス扱いのいつものデルフィナスさんもパズル感があってよかった
バランスブレイカードリキャス化せがみんに頼ることにはなってしまったが、メガドラと二人の最適構成に頼らずともダメージを通す手段があったのは救い
ただ、最強武器クエストの敵は軒並みデルフィナスより弱いので、前提に神罰を置いておくことには疑問を感じる
クラスチェンジ
見た目の変化は特に無いが、スキルやステータスが大きく変わるクラスチェンジシステムがある
各キャラクターにそれぞれ二つ+隠しクラス一つ(アイエフとセガミのみ、DLCでもう一つ)クラスがあり、それぞれ最大で50までクラスレベルを上げることができる
クラスレベルで大きくステータスが成長していくので、キャラレベル99になった後もちゃんとクラスレベルを上げておくと楽になる
ミッション
イストワールからミッションを受け、それをこなすことでシナリオを進めていく
メインストーリーにかかわらないミッションも多数あり、それらをこなすことでショップの商品増加やアイテム獲得など、様々な恩恵が得られる
一つずつしか受注できず、過去と現在を行き来する回数は増えるものの、時間制限システムを考慮すると妥当ではある
ミッションにはそれぞれに残り時間が設定されており、ミッションを一つこなすと時間が1経過する
初回プレイで全てのミッションを達成することはできず、時間切れになったミッションはリストから消滅し、消滅した分だけラスボスが強化される
ラスボスと戦ったあとで時間を遡ると強化がリセットされ、ミッションの残り時間もリセットされる(達成具合は引き継がれる)
したがって、ゲーム内で何度も時間を遡ることでミッションを達成していくことになる
ひとつひとつ、プチプチを潰すような感覚でミッションを消化できるのはなかなか楽しかった
終盤のミッションについて、条件が複雑なところが面倒だった
ネプVSセハガールの始動の条件は未だに不明。神罰(含むVSセハガール系以外の全ミッション)をクリアしてリピート?
たびたびクラッシュする
(特に長時間プレイしていると)ゲームがクラッシュして操作不能になってしまうことがしばしばあった
筆者がプレイしたのはSteam版だが、Vita版でも同様なのかは不明
Steam版ではクラッシュ時にダイアログが表示され、OKを押すとゲームウィンドウが閉じる
当然ながら前のセーブまで戻ってしまうため、こまめにセーブする癖がついてしまった
また、デルフィナスを撃破した後でイジェクトボタンを使った時にローディングが終わらなくなり、泣く泣く再起動することに……
実績自体は撃破のタイミングで達成されるため問題ないが、ミッション達成報告ができなかったのでもう一度倒すハメになった
起動時間が長いと起こりやすい感じがしたので、おそらくメモリリークしている?
戦闘に入るタイミングでクラッシュするケースが多く、こまめにセーブしておけば被害は少なく済むのであまり大きなストレスにはならなかった
やりこみ
トロフィーコンプ
最後まで残るのはおそらくリリィランク、メダル/ボール集め、デルフィナス撃破
メダル/ボール集め
各ダンジョンにはそれぞれ多数のメダルと一つ(または二つ)のボールが設置されており、それを全て集める実績がある
トイポリス増床計画が罠
みんつぶの高梨名人で第一次/第二次トイポリス増床計画ミッションが追加されるが、ゲームギア時代とドリームキャスト時代のトイポリスはそれらを達成すると別ダンジョンに変化する扱い
したがって、変化させる前にメダルとボールを回収しておかなければもう1周プレイすることになる
また、マカラスコ・フロー遺跡の奥の扉は2周目以降でなければ開放されない
リリィランク
おそらく最も作業感が強く、面倒な実績
今作はフォーメーションのラインでつながったキャラ同士のリリィランクが上がるシステムであり、戦闘メンバーには必ずアイエフかセガミのどちらかを入れる必要がある
全てのキャラが互いにつながるストームチャージフォーメーションは前提で、10人のキャラ同士のリリィランクをそれぞれ最大(5)にするのはなかなかの苦行
ひたすら神夢記町でシンボル撃破でも入手を繰り返す作業になる
これをやっていると全員レベルカンストは自然に達成される
デルフィナス撃破
2週目以降限定
マカラスコ・フロー遺跡関連のミッションを進め、メガドライブ時代の同遺跡を出現させておく必要がある
レベル99かつクラスレベルを50にしてもキャラ次第では全くダメージを通せず、毎ターン32000回復されてジリ貧で死ぬ
メガドライブでセガミにチャージをかけ、セガミでドリームキャスト化して背後からエグゼドライブぶっぱ、あるいはAGバーストガン積みのネプテューヌを火力役にしても良い
いずれにせよSTR2000近くまで上げておかなければまともにダメージが通せない
最強装備集め
神罰クリア後(すなわち、デルフィナス撃破後)?に解禁される一連のミッションをこなすことで各キャラの最強武器/防具が手に入る
ただし、それを手に入れたところで今作最強のデルフィナスは倒してしまっているので、使い所がない
意図的にラスボスの能力を強化しまくって挑むときくらいか……?
総評
コラボゲーとはいったい何なのか、考えさせられる作品
これまでの作品でメインを張ったプラネテューヌの女神は全員出演するのでプラネテューヌ住人にとってはそれなりに新鮮に見られるかもしれないが、そうでない場合は正直なところ微妙
キャラゲーなのにキャラの影が薄くなってしまうのは寂しいという他ない
一応、SEGAの歴史をネタにした会話が随所にあるので、その方面に詳しい人であればニヤリとできるかもしれない
キャラゲーとして微妙である一方で、コンパクトなRPGとしてはだいぶ堅実な作りをしているように見える
壊れ要素があるとは言っても、それなしでも十分に戦える範疇に調整されているし、レベリングをサボれば苦戦し、きっちり装備を整えてレベリングしておけば基本的にスイスイ、という具合
やりこみ要素もリリィランクに作業感が強いだけで他はそこまで無茶な要求をされず、気持ちよく終われる