【FGO】亜種特異点4 禁忌降臨庭園セイレム 考察/感想
目次
この記事にはFGOストーリー1部及び1.5部のネタバレが含まれています。
異端なるセイレム含め、1.5部に登場したサーヴァントの真名も書かれているため、ネタバレを見たくない人は読まないようにしてください。
はじめに
型月にも史実にもラヴクラフトにも明るくないド素人がグーグル先生の力を借りてやっとこさ調べた内容ばかりであり、随所に間違いが潜んでいるものと思われます。
特にラヴクラフト作品に自信のある諸兄におかれましては、そっとtwitterとかで教えていただけると喜びます。
ストーリー概要
アバンタイトル
- セイレム(北米)から特大の魔力反応が検知され、カルデアに警報が鳴る
- とあるからくり人形がセイレム内部から情報を持ち帰る
- 17世紀のセイレムに紛れ込むための脚本を作家たちが一晩で仕上げる
- 最後のレイシフトとして現代(2017年)のセイレムへ
第1節_アンノット 夜明け前
- セイレム内部に到達する
- アビゲイルが少女たちと降霊術の儀式をしている場面に遭遇する
- ランドルフ・カーターの家に招かれる
- 港の酒場で店主に「村の名士たちを集めて一芝居演じてみろ」と言われる
- 公会堂で芝居「ソロモンとシバの女王」を行う
- マシュー・ホプキンスがボストンから船でやってくる
- ティテュバが拘留される
第2節_一つの結び目
- メディア(に化けたキルケー)がカーター邸を工房化する
- ティテュバの正体を調査するべく、マスター、マシュ、メディア、サンソンの4人でホプキンスを訪ねる
- メディア(に化けたキルケー)が牢屋に入れられ、カルデア一行はホプキンスに指定された演目を演じることになる
- サンソンが急患要請に応じて公会堂を出る
- 魔女を火あぶりにする演目(三匹のジャンヌ)を演じる
- サンソンがビックマン家の娘のひきつけを治療する
- メディア(に化けたキルケー)を迎えに行くと、ティテュバは既に牢屋の中にはいなかった
- アビゲイルを連れて丘へ行くも、ティテュバは既に処刑された後だった
- ホプキンスにより、マスターが陪審の一員として加わることを認められる
- カルデアとの通信ができない理由が判明する
- メディアの正体を問い詰めるが、カーターが戻ってきて中断する
- ティテュバが罪を自白したことがカーターより知らされる
- 絞首台で処刑されたはずの囚人がグールになって襲ってくる
- 蘇ったティテュバを倒す(そこをウェイトリー家のアブサラム爺様に見られる)
- キルケーが正体を表す
第3節_二つの結び目
- ティテュバ含め、埋めた罪人の死体が持ち去られていたことが発覚する
- 牧師に依頼され、カルデア一座は子どもたちに芝居を見せることになる
- 公会堂にて芝居を見る前にアビーとラヴィニアの会話(カーターと警官がウェイトリー家のアブサラムに用があると訪ねてきたらしい)
- 子どもたちに西遊記の芝居を見せる(詳細は番外編にて) 同時にサンソンはウェイトリー家の様子を見に行く
- アビーとラヴィニアが芝居から抜け出す
- ホプキンスがアブサラムを連行しようとするところにサンソンがたどり着く
- サンソンが絞首台の修理を命じられる
- サンソンの修理した絞首台でアブサラムとノアが処刑される
- グールが襲撃してきて、4人が犠牲になった
第4節_三つの結び目
- 4人の犠牲者は牧師の家の地下室に安置されている
- カルデアとの通信が回復する
- マスター、マタ・ハリ、サンソンでマシュを迎えに行く
- マタ・ハリが村人の男性に絡まれる
- ロビンがマシュを見失ったとマスターを呼びに来る
- ロビンに森で干からびた男女の死体を見せられる
- カーターの屋敷に戻る(見張りがついている)
- マタ・ハリが裁判にかけられる
- 裁判の中でピックマン家までも告発される
- マタ・ハリ、ジャイルズ、ピックマンの処刑が決まる
- 絞首刑が執行される
- カーターの屋敷が燃える
- 食屍鬼に加え、反抗的な村人が暴動を起こす
- 食屍鬼となったピックマン夫人をサンソンが殺す
- ロビンがマタ・ハリを担いで逃げる
- アビゲイルを連れたナタと森で合流
- 大勢の食屍鬼に襲われていたところに、シバの女王が助けに入る
- シバの女王の拠点に移動 マタ・ハリが仮死から目覚める
第5節_四つの結び目
- アビゲイルが村の皆に魔女と言われる夢を見る
- マシュ、ナタ、アビゲイルの三人でラヴィニアに会いに行く
- マスター、ロビン、キルケーの三人はサンソンの真意を探るため、ホプキンスの居所へ
- マスターたちはサンソンやホプキンスの配下に追い払われる
- 港の酒場の店主から、船乗りが暴れて大変だと助けを請われる
- 丘でアビゲイルとラヴィニアが会話する。ラヴィニアの亡命案をアビゲイルが拒否する
- マスターたちが港の酒場で船乗りの喧嘩を仲裁する
- メディアとキルケーの芝居を演じる
- ホプキンスが証拠品として押収した象牙の書をサンソンに見せる
- 村に食屍鬼が襲来する
- カーターが援軍を連れてくる
- 夜が明ける
- カーターが猫に怯える
第6節_五つの結び目
- カーターに真実を打ち明けるも、信じてもらえない
- ロビンから、昨夜未明にまた絞首刑が行われたことが知らされる
- マタ・ハリからカーターの暗殺が進言される
- アビゲイルが象牙の書で儀式を行おうとする
- ホプキンスがアビゲイルのもとにたどり着く
- ラヴィニアがホプキンスを殺害する
- サンソンが警官を裏切り、ラヴィニアを逃がす
- マスターたちがサンソンのもとにたどり着く
- サンソンは逮捕され、マスターたちがアビゲイルを連れて村へ戻る
- アビゲイルに即興劇を見せる
- マスターの前にメッフィー現る
第7節_六つの結び目
- 夜が明けない(暗いままである)
- サンソンが裁判にかけられる
- 裁判の中でカーターがカルデア一行を売り始める
- サンソンが処刑される
- アビゲイルが自らを告発する
- アビゲイルが魔女化する
- キルケーvsアビゲイル(魔女vs魔女)
- マスターとキルケーが連行される
- カーターが面会に来る(魔神柱であることを明かす)
- ロビンとマシュがラヴィニアを探し出す
- ラヴィニアが真実を語る
第8節_最後の結び目
- マスターとキルケー、アビゲイルの簡易法定に食屍鬼が集まる(サンソンの姿はない)
- カーターが裁判を進行する(セイレムという現象のネタバラシをしていく)
- ラヴィニアが出廷し、カーターの正体を暴く
- シバの女王が登場する
- 村人が全員食屍鬼であったことが明かされる
- vsラウム
- ラウムの最後の足掻きでラヴィニア殺害
- vsアビゲイル
- ラヴィニアとアビゲイルが最後の会話
エピローグ~セイレム~
- コモンにラヴィニアを埋葬する
- ランドルフ・カーター(本人)が登場する
- アビゲイルが死ぬ(=サーヴァントになる)覚悟を決め、カーターと共にたびに出る
- マスターたちがカルデアに帰還する
- サンソンの記憶がカルデアに返される
エピローグ~カルデア~
- サンソンが無事に再召喚されたことがわかる
セイレムへ同行したメンバーについて
ナ吒
- いつの間にかカルデアに召喚されていたことになっている
- 妖気を感じ取り、敵襲を知らせるレーダーとしての役割を担った
- 魔力的な気配というより、もっと素朴(プリミティブ)な人の敵意を感じ取っていた、とはキルケーの弁
- それ以上に、心優しい一面が見られ、アビゲイルを支えようとしていた
ロビンフッド
元々イングランドの英霊であるためか、英国系の人々が集うセイレムで最初はやや浮かれ気味?
冷静で一歩引いた視点で物事を見られる
直情的で暴走しがちなナ吒を抑える役割も
サンソンによく突っかかるし、サンソンがホプキンスのもとにいってからもサンソンをよく気にかけているようだ
サンソンのことを「学者サマ」と呼ぶことがあるが、これは裕福な家庭で育ち、学のあるサンソンを茶化す意味だろうか
マタ・ハリ
- でかい
- 彼女が史実で裁かれた際の罪は「連合軍兵士五万人の死に相当する」と言われていた
- それだけに、セイレムの五万人という無辜の民の命がかかっている状況は気が気でなかっただろう
シャルル=アンリ・サンソン
- ラヴィニアと最初にコンタクトを取ったのは彼
- セイレムの村についてからも、ラヴィニアのことを気にかけているようである
「……ねえ、もしかしてあなた。
魔神柱との関わりよりも、あの子自身に肩入れしていない?
信用していいのかしら、あの子」
「僕は信じるとも」マタ・ハリとのやり取り
グールたちを最初に倒した際、意識のある生者を手にかけてしまったのではないかと放心している
生きている人間を肯定することこそがサーヴァントの在り方だと信じているようだ
「……しかし。まがりなりにも、法によって人々の前で裁かれるのであれば……。
それは、正義だ。
このセイレムが、いかに異常な場所であれ 彼らは生身の人間です。
伝統を守ろうとする信念と、家族への思いやりがある。
たとえ彼らの喜びや苦しみが明日、露のように消え失せるとしても。
僕は彼らを肯定したい。でなければ――
自分たちを、サーヴァントを否定することになる」第3節_サンソンのセリフ
- ホプキンスに執着したり、ラヴィニアを逃したり、仮死薬を受け取らずに処刑されたりと、初見ではだいぶわかりにくい行動を取る
- エピローグでマリーに足をぶつけて謝っている
キルケー
当初はメディアに化けていた
ティテュバの異常性にいち早く感づいており、カーター邸を工房化した
- 第2節では、ティテュバが外見を偽っていたものと断じている
カルデアに召喚されたが、常識や知識のインストールが不完全であった
- カルデアを信用できず、セイレムを利用して逃亡を計るも、セイレムの異変に巻き込まれる形となった
「こちらの調査により、キルケーの思わぬ召喚に近未来観測レンズ"シバ"が関わったのは確実だ。
尚、この通信復帰直前にも"シバ"に異変があった。
異常動作は今も継続中。率直に言うなら暴走している」第4節_ダヴィンチちゃんのセリフ
マシュ・キリエライト
- マスターの力になるためにプロンプターとして参戦
- マスター同様、あまり目立った活躍はしていない
セイレム現地の登場人物
ランドルフ・カーター
アビゲイルの叔父 保護者の役割を持っていた
本編中においては、魔神柱ラウムが肉体のみを借り受けていた
- 最後には肉体をしっかり持ち主に返しており、本物のランドルフ・カーターが登場する
ボストンの神学校の先生で、ハーバード大学の先生
- 大学では東洋(オリエント)の学問をしているらしい
- 清やムガル帝国、ジパングの話をアビゲイルにしていたようだ
元軍人で、脚を悪くしているようだ
エピローグで登場するチャンドラプトゥラは、かなり回りくどい設定はあるものの、端折って言ってしまえばランドルフ・カーター本人
- ラヴクラフトは海産物――とりわけ蛸――をひどく嫌っていたらしい
- まあ、悪魔(デビルフィッシュ)なんて言われてるくらいだし
- その逆に猫好きであり、「ウルタールの猫」等にそれが現れている
- ラウムが化けていた時に猫嫌いだったのはカラスだったため?
アビゲイル・ウィリアムズ
- セイレム生まれの少女
「セイレム生まれよ。
私が生まれた年には、空に箒星が輝いていたの。
とても大きくて、昼間だって見えたの!」アビゲイルのセリフ
11~12歳
- ラヴィニアについて、「私と同じ、箒星の年に生まれた十二歳の女の子」と言っている
- 史実通りであれば、アビゲイル・ウィリアムズの誕生日は1680年7月12日
セイラム魔女裁判の最重要人物でありながら、認識の阻害によって第5節(シバの隠れ家)に至るまでそう認識されていなかった
ティテュバ
アビゲイルの両親に仕えていた黒人の使用人
の役割を与えられたミドラーシュのキャスター(=シバの女王)
ティテュバとしては、カリブ海バルバドスの生まれとのこと
「わたしの生まれなんかをお気になさるんで?
カリブ海のバルバドス島の生まれです。
このあたりの黒人の使用人には珍しくありません」ティテュバのセリフ
- 彼女の正体について、メディア(に化けたキルケー)は一目で何らかの違和感を覚えていたようである
- カーター邸を工房化した折、彼女はティテュバへの疑いを強くしている
「誰か、この中でティテュバの外見的特徴を詳しく語れる人はいる?」
(中略)
「わたしたちの認識が……阻害されていた?
あるいは記憶に干渉を……?」
「工房化のお陰で、ここにいる間はその認識障害からは逃れられる、と」
(中略)
「決まっている。
彼女は外見を偽っていた」第2節のやり取り
- 家事の節約が得意
「ティテュバったら、妙に家事の節約がお得意なの。
清教徒とはまた違った信条でもあるのかしら?
ミルクは水で薄めたりするし、蜂蜜もぜんぜん足りないし」アビゲイルのセリフ
ラヴィニアと喧嘩したアビゲイルに、「自分に3つの質問をして考えろ」と伝えたらしい
- スリーエニグマスの伏線か
牢屋に入れられて、罪を自白したため処刑された
- 身体に鞭による拷問を受けた跡があったらしい
ラヴィニア・ウェイトリー
錬金術師ウェイトリー家の娘
一家共々、セイレムに外から連れてこられた
偽りの記憶を植え付けられ、アビゲイルと昔から友達だったかのように認識させられていた
- が、その認識が偽りであるということにさえ自覚的だった
アビゲイルの持っていたナイフを奪い、ホプキンス判事を刺殺
- めった刺しにしており、動機は祖父の仇
ラウムの最後の足掻きによって殺され、セイレム郊外に埋葬された
十二歳?
- ただし、アビゲイルの証言であり、事実とは異なる可能性がある
元ネタはラヴクラフトの「ダンウィッチの怪」の登場人物
- 第8節のセリフで、やはりウェイトリー家は作り話の中の存在であることが彼女自身の口から語られている
最期はアビゲイルとの偽りの記憶を愛おしみながら、偽りでも守りたかった相手の腕の中で息絶えた
アブサラム・ウェイトリー
- 錬金術師ウェイトリー家の当主
- ラヴィニアの祖父
- 処刑され、その晩にグールとして現れる
- カーターにショットガン?で撃ち抜かれ今度こそ消滅する
- その間際の「ワガ……スメ……」は、「我が孫娘」すなわちラヴィニアのことだろうか
ノア・ウェイトリー
- ラヴィニアの父
- ラヴィニアのセリフの中に名前のみ登場する
- アブサラムともども処刑されたようである
「お爺さま……
……ノアお父様……まで……」第3節_ラヴィニアのセリフ
マシュー・ホプキンス
魔女裁判を生業とする判事
ラヴィニアによって刺殺される
17世紀末に生きていれば相当な高齢である
- 史実においては、1620年生まれ
- 魔女狩り将軍として活躍したのは1644~1646年で、その翌年には廃業に追い込まれたという
マスターやシバの女王と同じく、セイレムの外から招かれた異端者
ホプキンス
「マサチューセッツ州知事からの任命状は偽りの無い正真正銘のものだ。
だが……自分がこの場にいることに違和感を持たぬ、と言えば……それは嘘になるだろう」
サンソン
「……州知事は本来なら先住民征伐のため北部に駆り出され、ボストンにはいない筈。
これほど迅速に許可がおりるのは妙です。
英国からいらしたばかりなら"嘆きの峡谷(グレンコー)の虐殺"をご存じのはずだが、そうも見受けられない。
……閣下。あなたは他の村人とは違う。
その違和感の正体は、もしや我々と同じ……」
ホプキンス
「黙れ! 惑わすな! シャルル=アンリ・サンソン!
なんであれ、私は私の務めを果たすのみだ!
神の導きであろうことは確信している。
決して、決してこの地から魔女を解き放つことがあってはならん」
(中略)
サンソン
(処刑台に立った者たちの血が、杯に満ちるまで注ぎ込まれる、聖杯戦争……
もう彼自身にも、処刑は止められない。
必ず、誰かが死刑囚として選ばれる……)第5節_サンソンとホプキンスのやり取り
- マサチューセッツ州知事は史実ではセイラム魔女裁判の当時、カナダ国境でインディアン(先住民)と戦っていた
- 翌年になってようやく、州知事が介入したことでセイラム魔女裁判を終結させたはずである
- グレンコーの虐殺は1692年2月の出来事
レベッカ/メアリ/ジャイルズ
レベッカ/ジャイルズは第4節に登場する村人
- レベッカはジャイルズから「レベッカ婆さん」と呼ばれている
- メアリという妹がグールにやられてしまったようだ
史実ではレベッカ・ナースという72歳の女性がアビゲイル・ウィリアムズに魔女として告発され、処刑されている
- 姉妹であったメアリー・イースティも魔女として告発され処刑されたらしい
ジャイルズ・コーリーも魔術を使ったとして告発され、拷問により圧殺されている
ビル・オズボーン
- 第4節でマタ・ハリを告発した男
- 史実のセイレム魔女裁判で犠牲になったサラ・オズボーンの縁者だろうか
ホーソーン判事
- セイレムの判事
- 史実でセイラム魔女裁判の審理に当たったジョン・ホーソーンがモデルと思われる
時間の流れ
カルデアの一座がセイレムに来た時点では、1692/04/21になったばかりの深夜
「もう日付が変わったから……『4月21日』です。きのうが安息日でした。
――西暦も? はい、ええと……1692年です」アビゲイルのセリフ
1692年4月20日は日曜日なので、旧約聖書の規定にある安息日ではない。
(旧約聖書において、安息日は金曜の日没から土曜の日没。すなわち土曜日)
ただし、清教徒は主日(日曜日)を安息日と考えていたらしく、セイレムで過ごしていたアビゲイルが日曜を安息日と称したことはごく自然である。
(その後のマタ・ハリのセリフからも史実的にも、セイレムは清教徒の村)
「ここは西暦1692年のセイレムよ。
村人たちの話す内容に矛盾はないわ。
ピューリタン、清教徒に属する英国系の人々ね」マタ・ハリのセリフ
第5節ではシバの女王の結界の中に入ったことで、時間の流れが加速していることが明らかになっている
「セイレムの時間は加速しています。
わたしたちが訪れた時よりも1日が経つのが早くなっています。
セイレム内にいると気づきませんが、
結界の内側から観測していると一目瞭然です」第5節_マシュの説明
第6節ではメフィストフェレスが4/29であることを教えてくれる
滞在6日目の夜なので、4/26のはずだが、時間が加速しているのだろう
疑問点
アバンタイトル
ダヴィンチちゃんが行っていた召喚試験とは?
- アバンタイトルでダヴィンチちゃんが言っていた召喚試験について
- 詳細は明らかになっていない
- 近未来観測レンズ”シバ”の干渉によりキルケーを呼び出す結果となった
12月にカルデアに赴任する新所長とは?
- まだ明かされていない
- ランドルフ・カーター(本人)……は流石にないか
からくり人形の製造者は何者?
- まだ明かされていない
「製造者は表向きは仕掛け時計の修復技師、魔術師としては
人形遣い(パペットマスター)として生計を立てている男のものだ。
木(オーク)の歯車と鋳鉄(ギーザ)の釘、くじらのヒゲでできている。
現代の技術は一切使われていないロボットだ」アバンタイトル
セイレムが17世紀後半であったのはなぜか
- セイラム魔女裁判は1692年3月1日に始まった一連の裁判
- それをラウムが再現しようとしたため
近未来観測レンズ”シバ”がセイレム内部の情報をもたらしたのはなぜか
観測対象時空が現在であるのなら、本来シバは用をなさないはず
観測対象の時空が17世紀に遡っていたから?
第8節でカーターにより明らかにされている
フラウロスの作成した近未来観測レンズ”シバ”に施されたセーフティ機能が働いたため
「それは、カルデアの一観測機器に過ぎぬものからの予想外の干渉だった。
"フラウロス"の作成した近未来観測レンズ"シバ"、
幻視を得るこの極めて高度な呪具には――
魔神柱群がゲーティアにとって不慮の行動をとった際、
これを監視・抑制する機能が備わっていた。
忌々しい。足枷ともなり得るセーフティだ」第8節_カーターのセリフ
第1節
ソロモンとシバの女王でシバの女王が強引に入城したのはなぜか
- エルサレムに隠された門から強引に入城するシーンが描かれているが、これはなぜか
- セイレムに正規ルート以外から侵入したカルデア一座のことを暗示している?
3つの謎掛けとは?
- ソロモンとシバの女王の芝居では、ロビンやマシュの台本には二つまでしか謎々が書かれていないという
- ただし、マタ・ハリが演じたシバの女王は3つの謎掛けを行った
- セイレムの認識を阻害させる力によるものか?
- アンデルセンの脚本には確かに三つ目までのオチが用意されていたようだが……
- マタ・ハリの台本には三つ目の問いは書かれていても、返答は書かれていなかったようである
- ソロモン王についてシバの女王が意識を向けていたために「契約や取引が確定された」?
第2節
節サブタイトルの結び目とは何か?
- 絞首台の縄の結び目のことか
「もう、引き返せない……
六つの結び目…… 六つの扉……」第2節_ラヴィニアのセリフ
4年前の魔女裁判事件とは?
- 第2節でホプキンスが語った、ジョン・グッドウィンの魔女裁判事件とは何か
「4年前、ボストンで起きたジョン・グッドウィンの魔女裁判事件をマサチューセッツは忘れてはいない。
あの事件でも四人の子供が奇妙な発作を起こした。
やはり原因は老いた魔女だった」ホプキンスのセリフ
- これは史実の1688年にあったとされる魔女裁判で、書籍として出版されたために広く知られてしまい、セイラムの魔女裁判を白熱させるきっかけの一つになってしまった事件のようである
メディア(に化けたキルケー)はティテュバを救えなかったのか
- 見張りで身動きが取れず、マスターが有罪になる状況は極力避けたかった、という言い分
グールとは何か
- この世に未練を残した死者?
男
「痛ェ……首ガァ……痛ェヨ……グゾ……グゾゥッ……
ゥ……牛泥棒ナンザ……誰デモヤッテル……ジャネエカ……
ナンデ……俺ダケガ……痛ェ……」
女
「……望ンデ……産ンダンジャ……ナイ……
産マサレタノヨ……ナノニ……ソレナノニ……
堕ロス……コトモ…… ……ドウスレバ……ヨカッタノ……」
老人
「神……ヨ……
真ナル神……ハ……我ガ心……ノ内ニ……在リ……
……オオ……貴様タチ……コソガ……
オオオ……」第2節_グールたちの言葉
- このあたりは第8節でカーターに四つ目の罪状として語られている
- カーターが語った「ダレットの文献」とは、屍食教典儀のことだろう
- グールの登場について、大魔女キルケーが全く察知できなかったにも関わらず、ナタがその襲撃を感じ取っていた
- これはおそらく、グールが人であることの証
カーター
「ダレットというフランス貴族が記した文献に登場する怪物だ。その特徴とよく合致している。
――その名を"食屍鬼(グール)"という」
(中略)
カーター
「"食屍鬼"は血の通う生物は好まない。
その食欲を満たすためには獲物をまず殺し死体としてから食料とするのだ。
さらには――彼らの元の姿は人間だという。
神の意に背き、人であることをやめた者ども、それが彼らだ」
(中略)
カーター
「それに、私が読み知った伝承によれば、食屍鬼は死者とは違う。……その筈なのだ」第3節_グールに関するやり取り
第3節
マシュー・ホプキンスの目的は?
- 魔女裁判を行うことではない?
サンソン
「識者たる村人を、陪審員として招くべきです。
そうではありませんか、ホプキンス判事……!
どうか、正統な裁判を――!」
ホプキンス
「若造め。自分に酔いしれるのもいい加減にしろ。
その必要は――ない。
貴様には何も見えておらん。
この村に蔓延しようとしている毒を。
四肢をただれ腐らせる膿を。
緩慢なる裁判で何が出来るというのだ。
悪魔はあらゆる罪を呼び寄せようとしている。
暴動、略奪、姦淫、報復――
醜悪なる事態を防ぐためにこそ私は遣わされた」第3節_アブサラムに関するサンソンとホプキンスのやり取り
- 魔女裁判によって金を稼ぐことか??
「雇用主である**(マスターの名前)は一連の裁判費と賠償金として40ポンド!
絞首刑費用として、さらに30ポンドの支払い負担を命じる!」第4節_マタ・ハリに処刑を言い渡したホプキンスの発言
- 魔女の処刑が滞りなく遂行されることを目的としている節がある
判事
「閣下、避難をお願いいたします!
早く身を隠さなくては!」
ホプキンス
「それはならぬ。民への絞首刑の公開が終わっておらぬ。
定刻を待ち、死刑囚の死亡を確認してからでなければ
完全に刑が執行されたとは認められぬ」
判事
「なんと融通の効かぬ!
もはや誰も刑場を傍観してはおりません!」
ホプキンス
「何と言おうが、無法を私の目の届く範囲で許すわけにはいかぬ」第4節_マタ・ハリの執行後
- 魔女を確実に仕留めることを使命と感じ、それを果たそうとしているようだ
ホプキンス
「なんであれ、私は私の務めを果たすのみだ!
神の導きであろうことは確信している。
決して、決してこの地から魔女を解き放つことがあってはならん」
(中略)
サンソン
(……やはりこの状況には、ホプキンス自身も疑念を抱いていた……。
それでも彼は、自己の使命を果たそうとしている。
であれば、それは狂気ではない。
彼なりに真摯に贖罪を果たそうとしている。
まるで、一個のサーヴァントのように……)第5節_サンソンとのやり取り
アブサラムの言うメイスン/マーシュ船長とは何者か
「メイスンでは頼りにならぬ。
あれはおそらく最早セイレムにはおるまい。
波止場の船主だ。
マーシュ船長を頼れ」第3節_アブサラムのセリフ
メイスンとは、ラヴクラフトの「魔女の家の夢」に登場する魔女キザイア・メイスンのことと思われる
キザイア・メイスンはセイレムの魔女裁判で投獄され、死刑を言い渡された後に脱獄してアーカムの屋敷に逃れた、という設定がある
- FGO的にはセイレムとクトゥルフをつなぐパーツとして名前が出されたものと思われる
マーシュ船長とは、これまたラヴクラフトの「インスマスを覆う影」に登場するオーベッド・マーシュと推測される
- 第5節でアビゲイルが「オールデン船長」と言っているが、これは偽名らしい
- 史実のセイラム魔女裁判ではジョン・オールデン船長が魔女の疑惑をかけられ牢獄へ入れられたが、賄賂を使ってうまく逃げ延びたらしい
アブサラムとアビーの両親の関係は?
「ランドルフ……。あんたは……あんたの妹夫婦の件で、私を憎んでいるのだろう」
(中略)
「その怒りは筋違いだ。
私は、彼らを、そうあるべき自然の姿へと還しただけのことだ。
私はこの牢獄の"扉"を開いた。
それだけだ。やってきたのは彼らなのだ」第3節_アブサラムのセリフ
- 後に、これはラヴィニアによって「ありもしない過去」であったことが明かされる
第4節
カルデアとの通信が回復した理由は?
「本来ならこの空間内は魔術的な通信すらも阻まれているんですが――
マスターである先輩の"令呪"と連動する機構でそれを回避すると聞いています。
先輩には、カルデアに残ったサーヴァントの皆さんとのつながりがありますから。
ただし、これは近未来観測レンズ"シバ"の暴走の副産物ともいえるバックドア(ぬけみち)を利用していて、おそらくは今回のレイシフトのみとなる方法かと」第1節_マシュの説明
「カルデアとの通信ができないのは、私たちが魔力源からの一方的な供給を受けているせい。
独自性を失い、セイレムを顕現させている魔力体系に取り込まれてしまったんだ……」第2節_メディア(に化けたキルケー)の説明
「セイレム側から……あるいは双方で同時に魔法陣が起動したように見えたね」
第4節_キルケーの説明
「カルデアとの通信回復は、シバの女王の復活と同調している」
第5節_キルケーのセリフ
- シバの女王が復活した(ティテュバ・グールとして倒され、役割を降りた)タイミングでカルデアとの通信が回復している
- 「双方で同時に」というのは、シバの女王と近未来観測レンズで魔力的なつながりがあったということだろう
認識を阻害する結界とは?
「セイレム侵入と同時に、きみたちの記憶は改竄された。
より正確に語るなら、認識を置換されている。
知識、つまり過去の記憶と、現在受け取っている情報を正しく結びつけられない状態にあると思われる」
(中略)
「見えないモノが見え、聞こえない筈の声が聞こえる。
魔術というより……それは一種の狂気だ」第4節_ダヴィンチちゃんのセリフ
キルケーだけ被害が薄かった理由は?
- 近未来観測レンズ”シバ”の加護ではないかと思われる
第7節でラヴィニアから語られた言葉から、セイレムにいると記憶が捻じ曲げられていくということが判明
「……セイレムに運ばれてから、あたしの一族は、お爺さまは、少しずつ変わって、いった。
アビゲイルの両親と確執があった、という、ありもしない過去を、信じるように、なった」
(中略)
「……でも、お爺さまの件が、あった。だから、アビゲイルには、何かがある、と思った……。
だから、友達の振りをして、近づいた……」
(中略)
「あたしたちの、秘密の、遊び……
そうするうちに……あたし自身、も、だんだん、おかしくなって、いった……
見たことも無い、過去の記憶が……入り込んできた……」第7節_ラヴィニアのセリフ
森で見た男女の死体は何者?
「だいぶひからびちまった死体だ。ずいぶんと荒らされている。
ざっと検分したところ、大人の男女、二人ぶん。
死体はそれなりに古い。数年は経ってる。
だがこの穴はつい最近掘り返されたものだ。
囓られた遺骸と、周りの荒れ具合からみて、例の食屍鬼どもの仕業かと」
(中略)
「女の遺体には銃傷痕がある。病死じゃねえ。
状況から判断して他殺、または自殺だろう。
それと、男の遺体の首の骨折痕は荒らされた時のものじゃない。相当に古い。つまり……
その(絞首刑の)たぐいだろうなぁ。
それに、この不自然な岩の配置だ……。
元の位置は正確な六角形らしい……。
あてずっぽうだが"祭壇"の可能性がある。
む? ……どういうことだ?
わざと壊してある……? 何のために?
……いや、この場に、もう一人いたのか?」第4節_ロビンの説明
- 発見時、マスターが遺品らしき十字架のペンダントを見つけている
- 後に、その持ち物はアビゲイルの父のものであったと判明する
- 第8節で二人の死因が明らかになっている
- 母親は銃の暴発で死亡
- 父親は手綱が首に絡まって死亡
処刑を言い渡された際のマタ・ハリの態度は?
「……そう。そうなのね。
……セイレムの五万の民……。
彼らを救うためなら、私の命など……
……安いものね」第4節_マタ・ハリの態度
キルケーの言う「バランスを取ろうとする意志」に気付いた?
もっと言うと、現代セイレムの五万人の魔力で進行するセイレムという現象の本質に近づいた?
- 逸脱行為を行うとそれを修正するために五万人の魔力が余分に消費され、魔力源たる五万人の命に関わる、とか
- それを回避するため、処刑されるというロールを演じ切ることにした、と解釈できる
これに唐突に気付いた理由は、シバの女王を演じたから?
- 何らかの形で情報の一部が共有されたのかもしれない
単に、「連合軍兵士五万人の命」というトラウマを刺激されただけかもしれない
- ただし、その後仮死薬でちゃっかり生き残るタフさから考えて、トラウマのみだとするとマタ・ハリが鋼メンタルすぎる
家が燃えた時のアビゲイルの態度は?
「ねえ、ナタ。ラヴィニアが見つからないの。
でも、この大きなかがり火があれば
彼女、見つけてくれるかしら?」
「嗚呼 でもこれで……どこへでも行けるわね?」第4節_燃えるカーター邸の前で
- あまりの事態に錯乱して炎の中に身を投げようとしている?
- 決して裁かれることのなかった少女が裁かれる機会を得たのではないかと思い、それに惹かれているのかもしれない
バランスを取ろうとする意志とは?
キルケー
「死刑囚マタ・ハリがその罪をあがなわず、
村の法廷の裁きも受けずに逃亡する事態となれば、
その時こそ、マシュとの再会はかなわなかった。
……そう私は推測する」
ロビン
「……法廷は常に生け贄を求めるってかい」第4節_キルケーとロビンのやり取り
- セイレムの地では毎日誰かが死ななければならない
- 正確には、誰かが死んだことを誰かが認識しなければならない?
- 死んだという認識さえあれば実際に死んだかどうかは問わない?
- 魔女裁判劇ということで、死刑囚を演じ切ることが重要であったものと思われる
第5節
シバの女王がなぜ魔神柱の影響から逃れられるのか
認識を置換する結界と時間の加速
シバの結界の中からだと時間が加速していることが見て取れる
その後、彼女が生まれつき魔神柱に対しての耐性を持つことが(マタ・ハリにのみ)明かされた
- 正確には人と魔神(霊鬼)の混血で、影響を受けないのではなく影響を及ぼす
シバの女王が召喚されたのは何故か
マタ・ハリ
「……シバの女王が、セイレムに召喚された理由はまだ女王自身にもわからない、ということ?
キルケーの召喚に近未来観測レンズ"シバ"が関わったのは確実、とダ・ヴィンチちゃんは言ったけれど。
女王もまた同様の方法で?」
シバの女王
「うーん、どうでしょうねえ。
それは手段であって動機ではありませんしぃ。
分かるのは、対価を払わず召喚を行った者がいる……ということでしょうか。
その為に私はこのセイレムに囚われた。
その何者かに都合のよい配役をあてがわれた。
強引な展開ではありましたがぁ……
こうしてティテュバの配役を降り……
未練がましい食屍鬼としても完膚なきまでに滅ぼされ……
**(マスター名)、あなたとの仮契約を結ばなければ、現界を続けられませんでしたぁ。
この隠れ家に閉じ籠もり、供給を断たれた魔力の損耗に怯えるしかなかったのです」
マシュ
(……とするなら……
シバの女王を召喚した者と、彼女に配役をあてがったのは別の存在ということに……?
そして後者からは、もはや不要となり、セイレムから排除しようとしている……?)
(中略)
キルケー
「……本来あなたは、シバの女王自身としてセイレムに召喚されるはずだった。
それが不本意な形で実現した。
ティテュバという役割に押し込められてしまった。
つまり召喚に失敗したんだ。
私はその何らかのバックアップだ。違うかい?」
シバの女王
「……私には答えられません」第5節のやり取り
- 第8節でラウムから明かされた
- 近未来観測レンズ”シバ”の、魔神柱がゲーティアに対する謀反を起こした際のためのセーフティによってシバの女王が召喚された
グールとして倒されたシバが何故再び現れたか
- 贖罪できなかった死者はグールとして蘇る、という決まりのもとでセイレムという現象が進められており、ティテュバの役割は死んでその後蘇るところまで含められていたから?
- グール化しなかった人物が重要な意味を持つことになる
シバの女王が黙っていたのは何故か
- 第5節において、シバの女王は肝心の質問に対して回答を拒んでいる
ロビンフッド
「なら、せめて理由だ。そうせざるをえない、あんたの動機を教えてくれ。
どうして答えられないんだ?」
シバの女王
「あなたがたを敵にまわしたくない……」第5節のやり取り
「富める国と国の間において、時に情報はなによりも高価な贈り物となり得ましょう」
第4節_シバの女王のセリフ
- シバの女王は未来視の力を持っている(らしい)
シバの女王
「私が意識を向けた場所、交易対象に対しては、不確かな契約と取引は許しません。
いわば、我が法のもとに"シバ王国"を作り上げる。
この隠れ家(セーフハウス)はそういった結界なんですう」
(中略)
「……秘密の露見と拡散は、事象を固定するウィークポイントにもなります。
それに私が結局失敗してしまったのは、情報という資産を持ち過ぎていたが故でも……ある」第5節_シバの女王とマタ・ハリのやり取り
すなわち、彼女が意識を向けた場所において契約や取引が発生した場合、それらは確実に遂行されることが確定してしまう
- この性質をロビンは「セイレムは事象に直接介入することで事態を悪化させる、異端の世界」と称している
- セイレムの中で行われる魔女裁判が確実に遂行される?
また、第7節ではカーターとの会話で、魔神柱の目的を知ってしまうと合理的に行動を選択し、結果的に魔神柱の思い通りになってしまうことが明かされている
カーター
「私の『目的』を理解してほしいのだ。
そうすることでより合理的にきみたちは行動を選択する」
キルケー
「そして操られる。なぜ最初から教えない」
カーター
「そのサンプルにおいては失敗したからだ。
もはや時は満ちた。私は事実を伝えよう」
キルケー
「だが、不都合な真実を伝えはしない!
――**(マスター名)。
耳を塞いで、これ以上何も聞かないのが最善だ。
シバの女王と同じ穴にハマる。
自縄自縛の状態に陥る」第7節_カーターとの会話
- そのサンプルにおいて、というのはシバの女王に対して目的を教えた場合のセイレムの周回だろうか
マタ・ハリがシバの女王を演じた際の違和感とは?
- 第5節のシバの女王とのやり取りの中で、マタ・ハリがその答えを得ている
「あなたのその想いが、私たちのお芝居にまで影響していたのかしら」
第5節_マタ・ハリのセリフ
なぜサンソンはホプキンスと行動をともにするのか
- 第5節でマスター、ロビン、キルケーが訪ねてきた際、「残念ですが、今はご一緒できません」と突っぱねている
- その際にロビンからマスター陣営の情報をこっそりサンソンに渡している
サンソン
「今、このセイレムでは秩序が崩壊しようとしている。
閣下を失うことで、悪魔のくわだてを増長させるわけにはいかないのです」
ホプキンス
「ふっ……。なんにせよ、私も貴様に礼を言わねばならぬ。
不慣れな警官や村人どもだけでは、
あの襲撃をしのぎきることは出来なかっただろう。
貴様の働きと、剣の技あってこそだった」第5節_サンソンとホプキンスのやり取り
- サンソンはホプキンスを守っている
- サンソンはこの時点でグールとそうでない者を見分けられているのでは?
カルデアやホプキンスを招いたのは誰か
(いや、違う――招かれた、僕らは招かれた!
しかもその招いた者は、魔神柱ではない……!!
魔神柱が、カルデアを招くはずが無い!
あえて招いたのならば、無意味に殺すはずが無い!
この土地で処刑台が求めるものは……なんだ?
救い、か……いや……
……絶望……?)第5節_サンソンの思考
「誤解があるようだ。
このセイレムに誰一人望まぬ者などいない……。
きみたちすらも、条件に合致した。
だから招かれたのだ」第7節_カーターのセリフ
- 魔神柱をして「招かれた」という表現なのは、彼自身が招いたわけではないということか
「……あたしたち……ウェイトリー家は魔神柱に運ばれ、脅迫されていた……。
このセイレムが、本来、いるべき場所でないこと、はわかって、いた。時代すら、食い違っていた、から……」第7節_ラヴィニアのセリフ
ウェイトリー家は魔神柱によって連れてこられた?
魔神柱によって連れてこられた、というのは半分間違い
- もう半分はアビゲイルによる招きであったと思われる
アビゲイルによれば、罪の意識がセイレムを求め、それによって招かれるのだという
象牙の書って?
- エイボンの書
- サンソンはフランス語読みでLivre de Ivoire(リブレジボワ)と読んだことから、フランス語の写本か?
なぜラヴィニアが象牙の書を持ち込み自白したか
ホプキンス曰く、象牙の書を持ち込んで悪魔を召喚する儀式を行ったと自白したのはラヴィニア・ウェイトリーだという
彼女はアビゲイル・ウィリアムズと共に邪悪なる儀式に耽ったと告白した
これはホプキンスをおびき出すための罠
- おびき出して家族の仇を取るための行動だった
罪を告白したラヴィニアがその場で捕らえられなかったのは謎
- 清教徒は自白に対して罪を軽くするため、その場では解放した?
- あるいは、囚われているラヴィニアをサンソンが密かに解放した?
第6節
なぜサンソンはラヴィニアを逃したのか
- ホプキンスを殺害したラヴィニアを捕らえようとする兵士を邪魔し、ラヴィニアを逃している
「いえ、これは……僕の……罪です……。
僕が――閣下を――
マシュー・ホプキンスを刺した。このナイフで。
その事態を……招いたも同然だ」第6節_サンソンのセリフ
- 罪を告白したラヴィニアが牢獄に囚われていたが、サンソンが解放した、ということであれば辻褄は合う
- そうでなくとも、ラヴィニアはサンソンにとって守るべき対象(生きた人間)であり、彼女に手をあげることができなかった
- その結果、ホプキンスを守るために動けなかった、ということを悔いている可能性もある
アビゲイルの言う「箒星」とは?
アビゲイルが生まれた年に空に輝いていたという箒星
「私が生まれた年には、空に箒星が輝いていたの。
とても大きくて、昼間だって見えたの!
その光景を私自身が憶えてるわけじゃないけれど……。
でもとっても素敵な光景だったでしょうね」アビゲイルのセリフ
アビゲイルの生誕は史実通りであれば1680年
その年に現れた箒星と言えば、キルヒ彗星のことだろう。
自分の生まれた年に、昼間でも見えるような明るい彗星が見えたのだと教えられた少女がそれに憧れるのはごく自然なことである。
「私の箒星も、カルデアから見えたかしら……」
第6節_アビゲイルのセリフ
マスターの前に現れたメッフィーは何者?
- きっかけがあって召喚された?
- メッフィーは地獄めぐりが趣味
「天国と違い地獄の門はガバガバですので! ええ!」
第6節_メッフィーのセリフ
- ただし、彼はマシュには認識されていない
- 認識を狂わせるセイレムの結界がその場に最初からいたマスターのみに作用した?
- むしろ、狂わせる効果にメッフィーが割り込んでマスターのみに姿を見せたと考えるべきか
第7節
なぜホプキンスがグールにならなかったのか
- 贖罪を十分に成し遂げたから
- ホプキンスは魔女狩り将軍として知られ、史実ではイカサマによって無辜の人々を処刑に追いやった極悪人と言われる
- 本人にその罪の意識があったからこそ、セイレムに招かれた
- そして、セイレムでは今度こそ本物の魔女を葬ることを固く誓い、全力でその贖罪を全うしようとした
なぜサンソンは自ら処刑されたのか
- サンソンはキルケーの仮死薬を受け取ろうとせず、処刑台に立った
「……僕は多くの者の命を奪ってきた。
彼等は罪を犯し、王に反逆し、神に背いた。
そんな彼等、死刑囚に与えられるのは死で十分だ。
その断罪は一切の希望が失われることなのだから。
それ以上に深い絶望があるだろうか。
けれど、僕は彼らに余計な苦しみを与え続けた。
衆目の中で辱め、死よりも恐ろしい苦痛を与えた。
これは僕に与えられた得がたき贖罪の機会だ……」第7節_サンソンの独白
- ただし、ロビンの目には別の動機が見えていたようである
「シャルルの坊っちゃんに最後までやらせてやれ、マスター。
あいつは自暴自棄になったんじゃない。
カルデアの任務の為にあそこに立っている。
考え抜いて、悩み抜いて、これしかないと結論したからやったことだ。
マスター、あんたに確信がないのならあいつを止めるのは野暮ってもんだ」第7節_ロビンとのやり取り
「どうあれ死を迎えた者にまで贖罪を求めるなっつの。
そうでなきゃあの学者サマがあまりにも阿呆らしい。
それがあの男の、最後の希望(ひかり)だったんだから」第8節_ロビンのセリフ
- つまり、罪(贖罪)には終わりがあるということをマスターやアビゲイルに対して示した
- 罪の終わりはすなわち希望であり、ロビンが叫んだサンソンの宝具名そのもの
- 罪人であっても、贖罪を成し遂げ、自由になる権利を得ることができる
キルケーの言う「貴殿の同類に姪が世話になった」とは?
- おそらく1部3章のメディアリリィとフォルネウス、そしてメディアリリィの幕間のことと思われる
- 後者は世話になったどころか、魔神柱のほうが一二を争うくらいに悲惨な末路を辿っていたが
魔神柱ラウムとは何者か
「私の特性は『都市』に根ざしているのでね」
第7節_カーターのセリフ
- 魔神柱として「人類の救済」という目的は他と共通だが、「痛みこそが救済」であると主張する激烈SMおじさん
- 7日目の魔女裁判でアビゲイルが魔女として裁かれ、そして救われるという結果を得るためにこの7日間をループさせている
- 生と死のサイクルを圧縮(すなわち時間を加速)させ、効率的に周回しようとしている
ラウムが効率的に周回するための魔力源とは?
「生と死のサイクルを加速した。
町という営みの境界の内側ならば、それが可能だ。
そのための魔力源も確保した」第7節_カーターのセリフ
- これは第8節で明かされている
「その時点でセイレムという現象は、五万人の市民の
魔力(いたみ)を吸収し、十万五千倍の速度で進行していた」第8節_カーターのネタバラシ
- すなわち、セイレムの元々の住民五万人の魔力を使用している
セイレムに招かれた客は誰か
ラヴィニア
「あたしたち以前、にも異邦の客は、いた。
あたしたちは、おそらく六度目の客であると」
(中略)
ロビン
「その回数の根拠は……森の古い墓地ですかい?
確かにめぼしい墓地は六カ所あった。
中には、まだ空の墓地もあったが……」
(中略)
ラヴィニア
「アビゲイルの親を殺そうとした先住民……
この時代の、セイレムにあるはずの無い波止場と貿易船も、たぶん……」
マシュ
「では……ティテュバさんもその異邦の客のうちの一人、ということですね」
(中略)
ラヴィニア
「あなたたちと、ホプキンスは、
きっと……七度目に招かれた客」第7節_ラヴィニアとの会話
第8節
8日目の簡易法定に食屍鬼が溢れていた理由は?
- カーターがもはや何も隠さなくなった?
「みずから復活した者は、決して罪にはあたらない。
それは神の御業による奇跡だ!」第8節_ホーソーン判事のセリフ
- んなメチャクチャな
ひとりの夢を見る男が吐き出した創作神話とは?
- ラヴクラフト御大のクトゥルフ神話
- クトゥルフ神話において、ドリームランドに現実世界から訪れた人間のことを「夢見る人」と呼ぶ
- ドリームランドは人間の潜在意識の中にあるとされ、その構造は人や人格、その他の者のためにのみ存在し、それらによって支えられている
- すべては人間の行う事だ、というのはここから来ている?
一万四千年前に失敗した、とは?
- Fate/EXTELLAネタ
- 外宇宙からの侵略者によって人類を救済する(終わらせる)とするラウムの目論見は、一万四千年前に起きた事象に類似している
- Fate/EXTELLAで語られるヴェルバー、セファールの巨人が人類を滅ぼせず、星の聖剣?で打ち砕かれたことをもって「失敗した」と言っているのだろう
紳士の言う「月の裏側」って?
Fate/EXTRA CCCの舞台……というよりは、ラヴクラフトに関連する用語と思われる
- もしかしたら、今後ムーンセル・オートマトンと絡めた展開をやってくるかもしれないが
ただし、地球の猫と不倶戴天の関係にある土星の猫との激しい戦いの地なので、月の裏側に連れていくのはちょっと勘弁してあげてほしい
六つの結び目
一つ目の罪状
カーターが史実のセイレムをできるだけ忠実に再現しようとした
しかし、当時と全く同じ状況を与えても結果が変わってしまった
アビゲイルの両親が銃の暴発と馬車の転倒で死亡
- その引き金は幼いアビゲイルの行為によるものだった
史実とは異なる結末だが、史実同様、アビゲイルを中心として事が起こっている
- この時点で、カーターはアビゲイルに目をつけた
二つ目の罪状
カルデアからシバの女王がやってきた
時間の流れを高速化し、十万五千倍の速度でセイレムという現象を進行させていた
- それがシバの女王の介入で大幅に緩和
- ただし、その妨害の負荷でセイレムでは英霊の能力が大幅に低下することとなる
本来のティテュバは食屍鬼となり、今も森にいる
- アビゲイルの発案とのことだが……?
三つ目の罪状
- セイレムの周回効率が落ち、五つ目のセイレムを消費した時点で有限の魔力と時間に対し、カーターは焦りを覚える
- カーターはアビゲイルに相談し、その回答を得る
- アビゲイルが言うには、「親友がほしい」「神に愛されなかった子も私なら愛せる」
四つ目の罪状
- 罪人たちの魂をセイレムに招いたこと
- 人類史の魔女狩りに加担した者たちを、慈悲を持って呼び寄せたこと
「恐怖に敗北し、家族を売った密告者。
他者を陥れる快楽に溺れた扇動者。
拷問の機械となり真実に目を背けた背信者。
見えぬ魔を見たと雄弁に触れ回った偽証者。
そう――彼らは、とても貪欲だった。
この私でも、もはや御しきれないほどに!
彼らは死しても尚、贖罪を乞うた!
自分が赦される望みを、偽りの聖杯へと託した!」第8節_ラウムのセリフ
五つ目の罪状
人を信じたこと
史実のアビゲイルと異なり、誰も告発しなかった?
四つ目の罪状で呼ばれた罪人が罰されることなく、煉獄(セイレム)に留まってしまった
魔女狩り将軍へ救済の機会を与えるほどに
- ホプキンスが魔女を徹底して排除しようとする
この時点でラウム君はアビゲイルのあまりの天使っぷりにメロメロになっているのでは
「"五つ目の罪状"を述べよう――
これは最も重要な告発である。
それは、人を信じたことだ。
あまりにも無垢であったことだ。
アビゲイルの信仰の篤さはセイレムを光の綾絹で覆った。
然ればこそ――呵責が無い。
善にも悪にも一切の隔てが無い。
ゆえに罪人たちは罰されず、赦されることもなく、煉獄に留まることとなった。
魔女狩り将軍に、救済の機会を与えるほどに。
私ですら唾棄する悪へ、癒やしを見いだすほどに。
アビゲイル、またお前は罪を重ねた――。
そうだ……そんなアビゲイルだからこそ
私を、このラウムを、信じて……くれた……」
(中略)
「さあ奪いに来たまえ。
この存在を賭して、私は、姪を護ろう……」第8節_ラウムのセリフ
六つ目の罪状
アビゲイルが人であることを、望みを捨て去ること?
この時点でラウムの目的は人類の救済に加え、アビゲイルの救済が第二希望として湧いてきているようである
- すなわち、その第二希望を捨て去ることでしか、当初の最も強い人類救済という目的が達せられない
- これは魔神柱すら板挟みになるほど重大な罪状である
ラウム自身が撃破された際に「これで良いのだ」と言いながら消えていくのは、アビゲイルが覚醒するための時間稼ぎができたため
- すなわち、その状態のアビゲイルを倒されなければ人類救済が達成され、倒されればアビゲイルの救済が達成される、どう転んでもどちらかの希望が叶う盤面を揃えたため
- 最後の力で彼女の親友を殺し、人性を奪い去って神性に身を委ねさせることにも成功した彼は、彼女に踏まれて逝った。本望だろう
異端なるセイレムとは何だったのか
魔神柱が目をつけた対象が底抜けに純粋で優しい少女であった
少女は自らが罪を抱えているが故に、同じように罪を抱えた存在に救済(贖罪、罰)の機会を与えた
- ただし彼女にその意識はなく、罪を抱えた者を引き寄せてしまっただけ
- 実際にその救済(贖罪)を成し遂げたのはサンソンとホプキンス
少女も心の底では救済(贖罪)を望んでいたが、それを完遂する方法を知らなかった
- その道を示したのがサンソン
- 結果として、エピローグで「私、死んでもいいかしら?」というセリフが出てくる
すなわち、セイレムは救いを求めるもののその形がわからない少女に対し、その形を見つけた男が身をもって示す話
おわりに
とにかく、読み込むのに時間がかかる章でした。
明快なかっこよさを追求した英霊剣豪七番勝負とは全く異なるベクトルで、きっちり深読みしていかないと話のミソがわからない、FGOのストーリーの中でも最も異端な章であったと言えるでしょう。
いつもの調子でサラサラと読み飛ばしていたらこの章の面白さの大部分を理解できません。
しかし、章ごとに前提知識を補完しながら読んでいくとめちゃくちゃ時間がかかります。
なにせ、セリフの一つ一つが重要も重要で、ちょっと読み飛ばしてしまうだけで何一つ意味が通じなくなったりするのです。
かなり抽象的な話をしなければならないにも関わらず、そのヒントとなる描写を少ないセリフに濃縮しているものだから、解釈することにさえ時間がかかります。
セイレムのシナリオはゲームのシナリオというより、シナリオそのものが謎を紐解くゲームになっているようでした。
昔懐かしい、「ひぐらしのなく頃に」を思い出す構成であったと思います。
(奇しくも、ひぐらしも8章構成、ループモノ、狂気に囚われた田舎の村、罪滅し編等、箇条書きマジックではあるものの共通項が多くあります)
この章は描写が足りなかったのではなく、意図的に描写を削りに削ったストイックなシナリオであったように見えました。
初見の流し読みでは全く理解できなかったサンソンの行動理由も、じっくりもう一度読めばその意味がようやく見えてくるなど、とにかくライトな読者に優しくない内容ではありました。
(その分、否定的な意見も多く見られるのは少しさみしいことではあります)
7節まででヒントを配置し、8節で答え合わせ、とするには幾分難しすぎる内容ではありました。
セイレムは第8節の内容を踏まえてもう一周して初めて全容が理解できる類のものです。
展開の予想が当たっているかいないかよりは、2周じっくり読んで楽しむためのものという印象が強いです。
過去最大であるかどうかは別にして、これをボリューム不足とは言い難いでしょう。
メインはサンソンやアビゲイルではありましたが、そのほかのキャラクターもしっかりと立ち位置を持った粒ぞろいの役者ばかりでした。
冷静に状況を見てくれたり情報収集に励んでくれたマタ・ハリ、まともな男友達にようやく恵まれたのが嬉しかったのか、サンソンのこととなるとやや熱くなっていたロビン、素直オブ素直で表情豊かだったナ吒、いざとなると逃げ出すことを提案してくる心の弱さを見せたキルケー、みんな良い具合に活躍してくれて、それぞれの魅力が活きていたように思います。
ラヴィニアの結末は不憫でなりませんでした。偽りの記憶、偽りの親友に救いを求めた彼女をアビゲイルが抱きかかえるシーンは、ベタですが良いものでした。
魔女だの外なる神だのといったしがらみのない世界で二人が笑い合える姿を夢想しつつ、あまりにも――カルピスの原液のように――濃厚であったセイレムのシナリオの面白さに今一度思いを馳せて、次のシナリオに備えるとしましょう。