【ラノベ感想】ハイスクール・フリート いんたーばるっ
良いシロちゃん本でした
ややネタバレするので気になる方は本を読んでからどうぞ
なお、例によって筆者は救いがたい重度の百合豚です
概略
アニメ「ハイスクール・フリート」の開始前や物語の合間にあったゆるふわな日常を描いた全6話の短編集
アニメが兵装や戦闘、艦の運営についてもガッツリ描写していたのに対し、こちらはキャラクターに焦点を絞っている
アニメで描き切れなかったであろうキャラクターの魅力を詰め込んだファン向け作品
どういう人向け?
はいふりアニメではキャラクターの掘り下げが物足りず、もっと皆のことを知りたい! と思っている人向け
ただし、出番の少ないキャラクターも勿論いるので、自分の推しキャラがちょい役でも泣かない覚悟が必要
キャラ把握できてないけど大丈夫?
巻頭に晴風乗員名簿があり、アニメ絵と名前の対応が載っているため、はいふりアニメを全話見ていれば大丈夫
この子出るの?
晴風乗員だけでも(ミーナ含め)32人いるので、全員をまんべんなく、というわけには勿論行かない
が、3,5話についてはほぼ全員が登場する
晴風乗員以外では宗谷一族がちらりと登場するくらいで、モカちゃんには出番なし(航海中の話なので仕方がないと言えば仕方がないが)
全体的に万里小路さん以外の砲雷科、サトコと野間さん以外の航海科、ルナとヒメ、そしてミナミちゃんの出番が少なめ
逆にシロちゃん、艦長、クロちゃん、マロンちゃんはよく出てくる
全話通して、基本的にシロちゃん視点
一部別キャラ視点が挟まることはある
以下、各話ごとに登場キャラと見どころ
第1話
機関科のクロちゃんがなぜシロちゃんに心酔するようになったかを描いた過去編
1話と6話では宗谷一族のお姉さま方も登場するので、「ま**」が見分けられないとちょっと読むのに苦労する
(晴風乗員ではないので、巻頭の晴風乗員名簿に絵が乗っていない)
真冬姉さんくらいは挿絵があっても良いと思うのだが……
この話ではシロちゃんの根性がいかに強いかが描かれる
これはクロちゃんも惚れてしまいますわ、という感じのお話
クロちゃん視点に移った時の描写で、ちゃんとマロンちゃんにも触れられているのが良い
第2話
夜の海にはつきもの、怪談が怖いの怖くないのというお話
シロちゃんは想像通りの反応で面白い
冒頭に陸奥の逸話が入っていたりするので、この辺りは帝国海軍の艦艇に詳しいと楽しめるかも
基本的にシロミケで進行するが、途中で炊事委員の三人にもスポットが当たる
挿絵の杵崎妹のほうがかなりいい表情をしている
2話はシロ→ミケ色が強く、シロミケ推しにはぜひ読んでもらいたい
第3話
皆で遊ぶ話その1 海上編
とにかくいろんなキャラクター(全キャラ?)に出番がある
中でも、本編中は機関長の影に隠れてあまり目立たなかった機関科のレオちゃんにスポットを当てている
操舵のリンちゃんとの絡みが新鮮
そして、シロちゃん周りは相変わらず
マロン→クロ→シロ→ミケという恐るべき一方通行感が切ない
マロンちゃんとクロちゃんに関しては信頼関係がありそうな描写があってとても捗るけども
第4話
皆で遊ぶ話その2 陸上編
メンバーの半分(+α)が登場する
冒頭でココちゃんとミーナがする仁義があったりなかったりするやり取りは脳内再生余裕
タマちゃんはRATt感染による発砲事件のため謹慎中だがメイちゃんがしっかり付き添ってくれているようで何より
メイタマはいいぞ
4話は万里小路さんの女神っぷりが眩しい
この話でもやっぱりマロン→クロ→シロ→ミケの構図は変わらず
広田さんと伊勢さんにはぜひその乙女百合トークをノンストップで繰り広げて欲しいものである
オチのマロンちゃんとクロちゃんもなかなか良い味を出している
第5話
皆で遊ぶ話その3 水着回
ただし、これは仁義なき戦争である
艦長の幸運(というより激運)が冴え渡り、そのおかげかそのせいか、晴風乗員が二つに分かれて戦わなければならなくなったのだ
メンバー全員参加でめまぐるしく状況が変わるので、しっかり把握しながら読み進めないと理解が追いつかない
こういう格闘戦(?)で野間さんと万里小路さんを同じチームにしたらゲームバランスおかしくなってしまうのではと思いきや、意外とちょうど良いバランスでびっくり
やっぱりクロちゃんはいつもどおり
ぽろりもあるよ
第6話
多聞丸を助けた後、ネコが平気になっていたシロちゃんの話
しんみりする話かと思いきや、最後はちゃんとニヤニヤできる
この回は艦橋メンバーと真冬姉さんが主で、やっぱりシロ→ミケが素晴らしい
キマシ的にどうなの?
クロちゃんの暴走が目立つが、クロちゃんとマロンちゃんの信頼関係を書いているシーンが多く、大変捗る
宗谷さん一直線なクロちゃんに対してしっかり嫉妬してくれる機関長がとても可愛い
シロちゃんは、艦長を意識しているような描写が多くこれもまたよし
メイタマは安定してさり気なく仲良く描かれているし、3話のレオリンや4話のソラサクラも新しい
ゆるい話なのであまりディープな方向には進まないが、それでも十分においしゅうございました