【アニメ感想】はいふり ハイスクール・フリート
目次
前書き
アニメ全12話を見ての感想
ただし、筆者は前日譚未読
海上版ガルパン?
序盤を見ての印象はまずこれだった
しかしながら、中途半端に展開を引っ張り続けるので、人によってはニトロプラス的な阿鼻叫喚を期待してしまうこともあっただろう
事実、その期待を捨て切れずに文句を言いながらもズルズル視聴を続けてしまう不幸な視聴者の声が目立っていたように思う
そういう意味で、視聴者の選定を間違ったがために、良くない評判を目にしやすいある種不幸な作品にもなってしまったことは否定できない
ガルパンとの違い
海か陸か、という表面的なことではなく、作品として評価が分かれている(ように見える)のはなぜかという話
一言で言ってしまえば「つかみ」あるいは「導入」
はいふりがタイトル詐欺までして視聴者を混乱させるような導入をしたのに対し、ガルパンは「戦車と少女たちの青春スポ根だよ」ということをしっかり視聴者に説明できている
はいふりに対する良くない評価の根っこはこれに尽きる
ガルパンにしてもスト魔女にしても、物語の序盤ないし冒頭で視聴者に対して明確に世界観を刷り込んでいるので、的はずれな期待をしてしまう視聴者が残らないようになっている
視聴を継続させるためにあえて真相を明かさずに引っ張る、という手法は確かに有効なのだが、はいふりの場合は変な期待を持たせる要素が重なりすぎてしまった
最初から「ハイスクール・フリート」にしておいて、タイトル変更などというパフォーマンスをしなければだいぶ違ったような気もするのだが……
とは言え、ガルパンと比較してやや真面目な世界観であることに間違いはないので、その匙加減はとても難しいものだったのだろう
筆者としてはこのくらいのシリアスさが好物なので最後まで見て良かったと思えるのだが、そうでなかった人は気の毒にという他ない
2016/07/05追記
筆者の観測範囲が偏っていただけなのかもしれない
観測範囲を少し変えればポジティブな感想がそれなりに見受けられたので、ちょっと安心した
物足りなかったところ/残念だったところ
例のネズミの正体に関する話は、やっぱり単なる舞台装置でしかなくやや物足りなかった
が、その辺を掘り下げるのはスピンオフでやってくれたりするんだろうか
あとは、キャラクターの多さの割に、スポットの当たらない子が多かった
1クールの構成上どうしても仕方がないが、とうとう最後まで名前を覚えられなかった
武蔵艦橋の面々はもう少し追い詰められた描写があっても良かったのでは
とても良かったところ
ゾクゾク来る表情
- 狂化フルショウ教官
- 美波の注射を前に羽交い締めにされた時のヒメちゃんの表情
- 噴進砲をぶっ放す凛々しいタマちゃん(最終話)
1話ラストの狂化フルショウ教官はすごいゾクゾク来る
可愛い絵柄で時折狂気が滲む描写があるとたまらない
(それが的はずれな期待を生む原因の一つでもあったわけだが)
最終話のタマちゃん凛々しすぎて惚れてしまう
キャラの個性が出るシーン
- ミーナとココちゃんの仁義があったりなかったりしそうなやり取り
- 武蔵突入前のノリノリな万里小路さん(最終話)
- 何故か法被来たままのマロンちゃん(最終話)
声優の演技
- 全編通してひたすら声張ってるマロンちゃん
- ココちゃんの仁義がない時の声
- テンパってるリンちゃんの声
- 見張り台から聞こえる凛々しい野間さんの報告の声
マロン役の高森奈津美の声はりりくるでも聞いているが、クセになる
個人的にちょっと期待していた大橋歩夕の声はあまり聞く機会がなく、最終話のパラシュートの下りでようやくわかったくらい
野間さん役の小林ゆうの声は、最近聞いたものだとFate/EXTRAのランルーくんだったが、野間さんの時のかっこいい声は惚れる
馬鹿一だけど熱いシーン
- 比叡シュペーが援軍に来る展開(最終話)
- OP演出入った後の艦長の機転(最終話)
最後だし、細かいことは良いので突っ走る展開が素晴らしい
アクションシーン
- ガン=カタよろしくシュペー突入時に大暴れした野間さん
- シュペー突入時の飛天万里小路スタイル
- 戦闘シーンの兵装の動き
野間さんと万里小路さん、出てくる作品間違えたのでは?
ラスト
- 最後にしっかり晴風を沈めてくれたところ(最終話)
激動の航洋艦晴風の物語に、きっちり綺麗に幕を下ろしてくれたのは本当に良かった
散々無茶な損傷を引きずって、武蔵なんて超大型艦に体当たりなんて仕掛けながらも、乗員全員が陸に送り届けるまで水上にとどまり続けたその雄姿は実に海軍らしい熱さがある
艦に魂が宿ったような展開は、いかにも帝国海軍時代の逸話の中にあってもおかしくない話である
そこが良いのだ
(2016/07/28追記)後ろ向きに曳航されるのは駆逐艦涼月、乗員が退避するまで耐えるのは駆逐艦綾波の逸話に由来していると思われる
日常シーンの緊張感のなさはいかがなものかと思うこともあったが、それら全部あってのこのラスト
水深とか諸々を考えるとあの沈み方はやばいが、そういう細かいことはどうでも良いんである
夕日をバックに役目を終え、眠りにつかんとする戦友を見送る彼女たちの背中!
マロンちゃんの「沈む゛な゛よ゛お゛お゛お゛」とか
真っ先に敬礼した艦長の強さとかにやられた
ここまで見て本当に良かったし、しばらくしてからニコ動で買ってもう1周見たい気持ちもある
各々のキャラクターに焦点を当てたスピンオフにも期待したいところ
阿部かなりさんの過去編コミックスや、いんたーばるっも気になる
キマシ的にはどうだったのか
最終話のモカミケだけでご飯3杯いけそう
砲術水雷のメイタマもなかなか
ノリだけで生きてるマロンちゃんを理解してるクロちゃんも良い
最終話でココちゃんがシロちゃんに抱きついてたのはミーナのいない寂しさを紛らわすためか?
シロちゃんの「友達じゃないし」も意味深ですね?
とまあ、個々のシーンで見ると妄想が捗るところが多いくらい
モカミケは最後までお預け食らっていたからこその熱さではあった
スピンオフでこの二人がいちゃいちゃし始めたら、筆者豚故に迷いなく飛びつきます
総評
- キャラかわいい
- 兵装かっこいい
- 細かいこと考えずに魂で感じる熱さ
- 大正義モカミケ